【経営者・人事担当者必読】人工知能で人事は飛躍的に進化する

2016.7.11

企業

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株式会社ビズリーチが2016年6月14日にリリースした戦略人事クラウド「HRMOS(ハーモス)」は、人工知能を駆使し企業の合理化を躍進させる可能性が秘められた新しい人事プラットフォームだ。企業の生産性を上げることで、新しい時代の働き方の創造を目指すというビズリーチ・南社長に話を聞いた。

株式会社ビズリーチ 代表取締役社長

南 壮一郎 みなみ そういちろう

父親の仕事の関係で6歳から海外で暮らし、中学1年生で帰国。静岡の進学校を経て、アメリカの名門校「タフツ大学」に入学。卒業後は、モルガン・スタンレー証券に入社し、東京支社の投資銀行部にて勤務。2004年には、東北楽天イーグルスの創業メンバーとして活躍後、株式会社ビズリーチを創業する。たった2人ではじめた会社を7年で650人規模の会社に育て上げ、世界経済フォーラム(ダボス会議)の「ヤング・グローバル・リーダーズ2014」にも選出された。

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データとテクノロジーで変わる”人事の仕事”

「当社は、よく人材紹介会社や人材派遣会社、ヘッドハンティング会社と間違えられますが、実際は、企業が人材を発掘するためのデータベースを提供したり、日本最大級の求人検索エンジンを展開するインターネットカンパニーです。

“働く”領域において、新しい時代の働き方にマッチしたプラットフォームやシステム、インターネットサービスを提供するのがビズリーチの仕事。一言でHR×Techの企業です。ダイバーシティを重視した上で、すべての人が経済活動に効率的に参加するのをITで支えたい、そんな思いが根底にあります」

ビズリーチの人材採用

企業が人材データベースやSNSを通じて、自社に適した人材を探し出して直接アプローチする「ダイレクト・リクルーティング」を推進。企業が主体的に採用活動を行うことで、より早く、より安く、優秀な人材を採用することができる。

7年間、人材業界に携わるなかで南社長が注目したのが”人事の役割”。現在の人材採用は、費用対効果や投資回収率をあまり意識しておらず、採用した人材が企業にどれだけのリターンをもたらしたか、データとして把握している企業は少ないという。そこをデータとテクノロジー、つまりITで変えていけば、企業の生産性を上げることができ、持続的な成長が可能になると南社長は考えた。

「あるとき、クライアントが言ったんです。『南さん、おかげさまで優秀な人材を採用できましたが、それだけでいいんでしょうか? 採用した人が3年後、5年後、10年後でどう活躍するのか、どう評価されるのか、どう成果を出すのかが、もっと大事なことだと思うんです』と。

確かに、優秀な人材を採って終わりではなく、未来にもその経験を生かすべきです。経験を積んだ人事担当者の頭の中では、データベースが構築され、PDCAサイクルが行われているはずですが、今後はそのデータを可視化することが重要です。

費用と効果をデータとして蓄積し、それを分析することで次の投資先を決める。これは、金融機関が資金を貸し出す際にも、メーカーが資材を調達する際にもしている、ビジネスとして当たり前の行動。人事も本来は同じだと思います」

「HRMOS」がもたらす生産性の向上

採用時、採用後のあらゆる人事情報をデータとして蓄積し、未来の採用や人事異動に生かすため、ビズリーチが提供を開始したのが「HRMOS」である。「採用管理」「勤怠管理」「評価管理」の3つのモジュールが連動して人事データベースを構築するプラットフォームだ。

ハーモス

「採用管理」「勤怠管理」「評価管理」の3つのモジュールが連動して人事データベースを構築するプラットフォーム。人事担当者のオペレーションによる負荷を無くし、データの一元管理を通じて仕事の無駄を省く。頭の中で構築されるデータベースをクラウド上に移し、企業内で共有することで、属人性を排除するだけでなく、データによる意思決定をサポートし”戦略人事”を可能にする。

これを使えば、”人事担当者の頭の中”をクラウド上に移すことが可能となり、そのデータベースを人事に携わる人間みんなで共有することで、属人性を排除することができるという。さらに、企業の人事にもたらす恩恵は、それだけではない。

「『HRMOS』は人事担当者の物理的な負担も軽減させます。例えば、採用に付随する情報といっても、候補者とのやり取りはメール、職務経歴書は会社のサーバーに保管、面接の評価はクラウドサービスを使って採用担当者全員が共有、といった具合に管理がバラバラ。これでは、ある人材について情報がほしいと思っても、それぞれ別々のところから引っ張り出してこなければなりません。

そこにはかなりの無駄があります。しかし、『HRMOS』があらゆる情報を一元管理すれば、そんな無駄を省いてくれます。そうすれば、人事担当者はより付加価値の高い仕事、つまり会社の人事に関する戦略的な判断に専念できるようになるのです」

人工知能とタッグを組んだ攻めの人材投資

「HRMOS」の各モジュールを使うことで、企業に人事データベースがどんどん構築されてゆく。ビズリーチが目指すのは、そうして蓄積したビッグデータを人工知能が解析し、採用や人事異動にフィードバックする世界だ。つまり、人工知能の助けを借りて、人事的な判断における”最適解”を弾き出すことにある。

「入社後に成功している人たちの要素を分析することで、その企業にとって、あるいは事業にとって最適なパラメーターを持つ人材像がわかります。『HRMOS』で当社が実現しようとしているのは、人工知能によるディープラーニング(機械学習)で、データが未来のデータを生み出す世界です。

最終的に判断するのは人間ですが、データを分析して最適解を探し出すまでは、テクノロジーを駆使するコンピュータが担当。例えば、人工知能が人事データベースを解析して、『今回の新卒採用では、●●大学の××ゼミ出身の人材を採用すべき』とか『新規事業には、●●セクションで××を担当している人材を責任者に任命するべき』といった細かいところまで、その根拠も含めデータとして提供してくれます。

そうすれば、人事担当者はデータを吟味して的確な判断が行なえ、さらにデータの裏づけがあるため”攻めの人材投資”も可能となります。それが『HRMOS』が実現する”戦略人事”です」

2009年の創業以来、黒字を続け、利益を再投資することで新しい事業を展開してきたビズリーチ。今回の「HRMOS」事業を推し進めるため、2016年3月に37.3億円の資金調達をした。

「『HRMOS』を本格的に展開するにあたり、世界ナンバーワンの営業クラウドサービス、セールスフォース・ドットコムと資本業務提携も行いました。データサイエンスは今後、社会でますます重視され、人事の領域においても、ビッグデータや人工知能が果たす役割は、大きくなっていくと予想されます。

“僕たちの時代の産業革命”ともいうべきITを支えているそれらのツールを活用し、前近代的になってきている日本人の働き方を変革するのが、私たちビズリーチの目指す先です」

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