日本のポジションがわかる航空業界いろいろランキング&キーワード/ガチンコ!航空業界

2015.11.10

経済

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売上規模が大きいからといって顧客満足度が高いとはいえないのが空の市場の不思議な点で、中小国のエアラインの存在感も見逃せない。加えて近年は中国勢が各項目でランクインを果たし始めている。

満足度

長距離エコノミークラス・キャビン

長距離エコノミークラス・キャビン

長距離ビジネスクラス

長距離エコノミークラス・キャビン※エアラインレイティング社(豪州)2015年ランキングより

メガキャリアが見当たらないが、彼らのサービスが悪いのではなく、ニュージーランドやシンガポール、キャセイなどがこれを上回る”おもてなし”を提供しているから。本国(地域)の市場が小さいキャリアは、国際競争力を高めなければ生き残れないのだ。

売上高(公開企業/億ドル:2014年)

※フォーブス「世界の大企業2015」より

売り上げ5兆円規模の上位4社は「メガキャリア(巨大航空会社)」と呼ばれ、ANAとJALが束になっても届かない。中でも世界最大市場の北米を拠点に構える米3社は絶大だ。また高度成長を背景に近年中国勢も台頭。

年間搭乗者数(万人:2014年)

年間搭乗者数

2位のサウスウェスト(SWA)、6位のライアンエアー、8位のイージージェットなどのLCCがトップ10入りしているのに注目。特にSWAはダラスを拠点に全米にネットワークを構築、米メガキャリアを脅かす存在に。

年間定期便旅客キロ(億キロ:2014年)

年間定期便旅客キロ※乗客1人が1キロ飛べば「1キロ」と算定

注目は3位のエミレーツ(ドバイ)。欧州とアジアの中間・中東が拠点、という地政学的な優位性と、産油国に囲まれ燃料が安いという利点、さらに高品質のサービスを武器に長距離路線で存在感を増している。

使えるとサマになる業界用語・知識

コードシェア(共同運航)

路線開設・維持には巨費がかかる。そこで航空会社同士が自社の路線を融通し合い、相乗りする形で自社の便名を掲げれば、低コストで世界中にネットワークを構築可能に。その究極の形が航空アライアンスだ。

年間定期便旅客キロANA/SFJ

LCC(ローコスト・キャリア)

既存航空会社の「フルサービス・キャリア」に対し、徹底した低コストで格安運賃を追求。100人乗り程度の小型機を使い、近・中距離路線でピストン輸送するのが一般的で、機内飲食などを別料金にして利ザヤを稼ぐ。

年間定期便旅客キロPeach Aviation

コンセッション

元は御上からの「免許」を意味し、2013年の民活空港運営法に基づき国営空港の営業権を企業に移管、一種の民営化だ。2015年の但馬空港が初。現在、関空・伊丹両空港にオリックス連合が名乗りを上げている。

年間定期便旅客キロコウノトリ但馬空港

ボーイング

アメリカの旅客機メーカーで業界トップ。最新鋭のB787は、200~300人乗りと「ジャンボ機」より小ぶりだが、低燃費と長い航続距離がウリで、これまでムリだった同クラス機での日本~米東海岸の直行便も可能に。

年間定期便旅客キロB777X(ボーイング・ジャパン)

エアバス

欧州各国が共同で設立した旅客機メーカーで、中~大型機市場をボーイングと二分。ジャンボ機を上回る最大座席数800人超の巨大機A380を完成、話題となるが、採算的に投入可能な路線が限られ販売はイマイチ。

年間定期便旅客キロA380の広い客室(エアバス)

MRJ

三菱重工を中心に開発中の国内初の小型ジェット旅客機。拡大する世界の地域航空市場を念頭に、100人乗り以下で低燃費・低騒音がウリ。2017年に初号機がANAに納入予定。

年間定期便旅客キロMRJ90(MRJ)