尊徳編集長の俺にも言わせろ!!

今を逃したら、この先100年、民進党は変われない

2016.9.12

政治

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野党のことなど興味は無いと皆が言う。メディアが扱う情報もほとんどが与党で、野党のことを知りたくても知れないのが現状だ。同じ国政を担う政党なのになぜだろう。2009年には政権交代が起きたが、結局はより強固な自民一強体制を招いただけだった。一般国民にとって、既得権益者が牛耳る世の中であってはならないと思う。本来、それを突き崩せるのは野党しかないのだ。今改めて野党の必要性を伝えたい。

体制を変えたい人たちはいつもどこかにいる

子どもの頃、病弱だった父と、家計を助けながら働く母と姉弟5人と県営住宅で暮らしていた。小学生だったから考えは幼稚だったかもしれないが、僕はその頃から、既得権益者が世の中を牛耳り、機会が均等に与えられない世の中に矛盾を感じていた。

子どもの頃からそういう感じだったので、政治家というものは収賄や口利きをして、利権の中で生きている人たちというイメージだった。実際に”政治とカネ”の問題はいつも出てきて、そのほとんどが与党の人たちだった。

その後、たくさんの政治家と知り合い、一人ひとりは、それぞれの価値観で正しいと思って行動しているということがわかる。古参は古参なりに考えているし、特に若い議員は、今の旧態依然とした体制を本当に変えていきたいと思っている人が多い。

僕自身が政治家になる選択肢は自分の中になく、別のアプローチで影響力を持ちたいと思っていたが、幸いにも、友人や知り合いに、政治家や役人、著名な経営者など、社会に対して大きな影響力を持つ人たちがたくさんできた。彼らへの取材や陳情を通して、多少なりとも影響力は持てていると思う。とはいえ、それだけで社会が変えられるほど甘くはない。社会を変えられるのは、最後は国民一人ひとりの意識だから。

野党こそ政治家のジレンマを乗り越えろ

日本の政治家は、ジバン(支持団体など集票マシーン)・カンバン(知名度)・カバン(選挙資金)を持つ人が圧倒的に強い。当然、既得権とつながりやすく、それが利権を産む温床でもある。現在は公募制度などもできて、以前ほどではなくなったが、それでもやはり、”3バン”を持つ人は圧倒的に有利だ。

そのため、1、2回生などは、地元の会合にこまめに顔を出し、国政に精を出すよりも、とにかく選挙に通ることを優先しなければならない。そして当選回数を重ねていくと、知名度も上がり、それなりのノウハウも身に着けてきて、党の中でも重要なポストを任されるようになる。

その頃になってようやく国政に身が入るようになるが、苦労して築いてきた地位もあるし、選挙にも強くなるため、昔は変えたいと思っていた制度を壊すことに疑問を感じる人も出てくる。若い頃の志も段々と薄れて、現在の地位に安住するようになるのだ。

それが与党であるなら、そう思うのも仕方のないことだと理解はできるが、野党においてもその癖が抜けないからたちが悪い。

野党はいま変わらなければ未来永劫変われない

内部で足の引っ張り合いをしている野党を見ていて、本気で政権を取る気があるのだろうかと疑問を持たざるを得ない。政権を取らなければ、どれだけ自分のポリシーを発信したところで具現化できないのだから、野党のポストで安住するなと言いたい。耳触りの良いキレイごとを言っても、(今の民進党のように)信用されなければ、聞いてももらえないのだ。

自民党は与党のうまみを身に染みて知っているから、政権を取るということにおいては、すさまじい執着がある。かつては仇敵だった社会党の党首でも総理大臣に就けて、自らを与党内に置こうとするくらいなのだから。褒められた話ではないが、それほど、政権党でなければ何もできないことを知っているのだ。

しかし、だからこそ、与党にドラスティックな改革はできないと思う。自分たちが作り上げてきた制度を壊してしまったら、現在の地位は確保できないと考えるからだ。

僕も社会的に影響力を持つ人たちと出会い、自分が微力ながらも意見が言えるような立場になってきて、逆に「保守的になったのでは」と言われるようになった。考えが変わったわけではないが、自分も体制側に入ってくると、確かにこのままでもいいかな、と考えるときもある。少し反省しながら、主張し続けなければ。

そういうこともあって、僕は政権交代がいつでも可能な制度と、政策を具現化できそうな野党をいつでも望んでいるのだが、現在の野党第一党の民進党はあまりにセンスがなく、本当にがっかりしている。正直、応援する価値も無いと思うが、だからこそ今回、この「野党ニュージェネレーション」特集をやっている。

巨大与党に対峙するためにも、民進党は国民に変化したと感じてもらえるように「昔の名前で出ています」という人が前面に出続けるようではダメ。新鮮なイメージの議員を前に出し、新しい選択をしていくことを示していかなければもうどうにもならないのだ。今それができなければ、今後100年経っても政権に返り咲くことなどできない。