サントリーのレモン系RTD包囲網 から揚げ専用!?の「-196℃ストロングゼロ」を限定発売

2019.11.19

企業

3コメント
サントリーのレモン系RTD包囲網 から揚げ専用!?の「-196℃ストロングゼロ」を限定発売

レモン系RTDの人気が高まり続けている。巷ではレモンサワー専門店の登場をはじめ、大手飲料メーカーがレモン系RTDを新たに発売するケースも。そんななか、RTD市場を牽引し続けているサントリーが、2009年から発売している「-196℃ストロングゼロ」シリーズのレモン系商品が、この冬、よりレモン感がUPしリニューアル。さらに、日本人が好きなおかずの定番である“から揚げ”に特化した新商品もリリースする。レモン系RTDに注力するサントリーの商品開発を追った。

消費低迷が続くアルコール業界で伸長し続けるRTD

若者の飲酒離れ等によるアルコール類の需要が低迷して久しい。特に、“最初の一杯”の定番であるビール類の国内総出荷量は、2004年以降14年連続で減少。飲酒量が少ないとされる高齢者層の増加も加わり、今後さらなる減少が予測されている。

そのようななか好調なのが「RTD」だ。RTDとは、「Ready to Drink」の頭文字を取ったもので、“そのまますぐ飲めるアルコール飲料”という意味。缶入りのチューハイやカクテル、ハイボールなどがそれにあたる。

1980年代のRTD誕生当初は、低アルコール度数で“アルコールが苦手な人でも飲みやすいお酒”が主流だったが、数年前からドライでアルコール度数7~9%のストロング系が注目されたことで市場は一気に急成長。本格的な酒類のように飲み応えのあるものを好む消費者からの支持に加え、周囲の目や終電を気にせず飲める、経済的といった理由から、自宅で飲酒を楽しむ“家飲み”が増えたことも相まって、10年前は1億ケースほどの市場規模だったが、2019年は2億ケースを超える規模にまで拡大すると見込まれている。

「-196℃」シリーズは2005年から販売。

そのきっかけとなったのが、サントリー「-196℃ストロングゼロ」シリーズだ。RTDの新概念を生み出した商品といっても過言ではなく、2009年にアルコール度数8%(現在は9%)を発売して以来、いまなお、ストロング系RTD市場を牽引し続けている。

「甘くない」「食事に合う」レモン系RTDが伸びる理由

さまざまなフレーバーを楽しめる「-196℃ストロングゼロ」シリーズは現在、約20商品が販売されており、中でも拡大しているのは“レモン系”で、同ブランド内で約4割のシェアを占めている。なぜレモン系が伸びているのか、その理由についてサントリースピリッツの担当者はこう語る。

「“甘くない”というのが大きな要因と考えています。これまで“甘すぎる”というイメージでRTDを敬遠していたお客様が、ここ数年、レモンフレーバーを中心に飲まれるようになりました。また、晩酌時にレモン系RTDを飲用し、食事に合うことを日々実感され、食中酒として楽しんでいただくスタイルも浸透しています。

さらに、料飲店でもレモンサワーブームが起こり、かつてのハイボールと同様、お店でそのおいしさを体感された方が、ご家庭でも食事と一緒に飲まれるようになった流れも、レモン系RTDの伸長に一役買っているのではないでしょうか」

「-196℃ストロングゼロ」レモン系はここが違う!

-196℃製法(サントリーの特許)

「-196℃製法」とは、液体窒素を用い、レモンを-196℃でまるごと瞬間凍結する独自製法。加熱等による風味の劣化がなく、果実のおいしさをキープできるという特長がある。凍結後、パウダー状に粉砕し、スピリッツに加えてレモン浸漬酒をつくる。これが「-196℃ストロングゼロ」レモン系商品の中味のベースとなる。果肉や果汁の酸味だけでなく、果皮のフレッシュな香りや、苦みを含んだうまみも溶け込んでいるので、レモンのおいしさを余すことなく体感できる。

レモン

「-196℃ストロングゼロ」で使用しているレモンは、開発者自身が世界各地の生産地を訪問し、自らの目で品質を確かめながら厳選しており、“安全・安心な果実”のみ使用している。

糖類ゼロ

高アルコールによる強い飲み応えと、“糖類ゼロで甘くない”ことも「-196℃ストロングゼロ」シリーズの最大の魅力。甘くないことで食事に合うのはもちろん、お酒を飲みたいが体のことも気遣いたいと考える健康志向の消費者からも支持される理由のひとつでもある。

開発の手法

「-196℃ストロングゼロ」シリーズは、机上のデータだけに頼らない開発方法を取っている。実際に開発者がモニターの飲酒シーンに立ち合い、自らも消費者の目線で食事をして試飲を重ねて、食事にどう合うかを徹底研究する「中味開発」を実施。ほかにも、自宅で普段の夕食とともに評価を行なう「ホームユース調査」なども行なっている。

「-196℃ストロングゼロ」レモン系3種がリニューアル

11月12日より「ダブルレモン」「ビターレモン」「瞬感レモン」がリニューアル。レモンをまるごと使った浸漬酒の量を増やしたことで、これまで以上にレモン感がアップし、料理の味わいに負けない“中味”へと進化した。商品の特長は以下。

ダブルレモン

「-196℃ストロングゼロ」シリーズの定番フレーバー。レモン果汁と果皮の魅力がすべて溶け込んだレモンまるごとの浸漬酒による果実感と、アルコール9%のストロングな飲み応えがマッチした一品。

さらに、その浸漬酒を「ダブルレモン」の1.2倍、果汁を1.5倍配合し、さらにレモンピール浸漬酒を加え、ブランド史上最も強いレモンの味わいを実現し好評を博した「トリプルレモン」もこの冬、限定発売。

ビターレモン

レモンをまるごと使った浸漬酒に、さらにレモン果皮本来のほろ苦さを引き出したレモンピール浸漬酒をプラスした、より甘くないすっきりとした味わい。ビタータイプなので、こってりした料理と好相性。

瞬感レモン

アルコール度数を6%に抑えつつも、炭酸をやや強めにしたことで爽快感のある飲み心地を実現。ひと口飲んだ瞬間からレモンのインパクトが広がる。こちらも甘くないので食中酒に最適。

から揚げ専用!? 期間限定の新商品も登場

食事と共に飲まれることが多い「-196℃ストロングゼロ」シリーズだが、とりわけ、日本人が好きなおかずの定番「から揚げ」と一緒に飲用するケースが多いという特徴もある(サントリー調べ)。揚げ物にレモンが添えられていることを考えれば、納得の組み合わせといえるだろう。

そこで、11月26日(火)より「-196℃ストロングゼロ から揚げ専用塩レモン」が期間限定で新登場する。パンチのあるから揚げの味に負けない、レモンまるごとの強力な果実感に加え、塩をプラスしたことでから揚げに合う“中味”に。柑橘ポリフェノールにより口の中の脂っぽさをリセットする後キレの良さが、ますます食欲をかき立てる。

「-196℃ストロングゼロ から揚げ専用塩レモン」

飲むシーンだけなく、一緒に食べる料理まで絞り込んだマーケティングはなかなか思い切ったものだといえる。「今日はから揚げにしよう!」と思わずにはいられない、がっつりから揚げのイメージが入ったパッケージもユニーク。今後、5つの商品を展開するサントリーのレモン系RTDの包囲網につかまる人が増えそうだ。