ビールがあるかないかで体験価値は変わる 「アサヒスーパードライ」はすべての人を肯定する存在に

2020.2.19

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ビールがあるかないかで体験価値は変わる 「アサヒスーパードライ」はすべての人を肯定する存在に

春限定「アサヒスーパードライ スペシャルパッケージ」を今年もリリース 画像:アサヒビール

近年の“モノ消費”から“コト消費”への価値観の変化は、酒類市場にも浸透している。つまり、酒類そのものを楽しむというよりも、スポーツやイベント、趣味などでの酒類飲用を通して、どのような充実した時間を過ごしたいのか、それぞれのこだわりやスタイル、ペースで楽しむ傾向が高まっている、ということだ。さて、人々はどんなときに心を動かされるのか。国内最大手アサヒビールがたどり着いた答えは……。

消費者の価値や体験を重視した、“Value経営”を推進

今年は待ちに待った2020東京オリンピック・パラリンピック(以下、東京2020大会)の年だ。日本での開催は1998年の冬季オリンピックの長野大会以来、22年ぶりとなる。一生に一度あるかないかの大イベントを前に、どのような盛り上がりになるのか、今から心躍る人も少なくないだろう。

ちょっと、昨年開催されたラグビーワールドカップ2019日本大会を思い出してほしい。世界各国から大勢のラグビーファンが集い、手に汗握るゲーム展開に大熱狂した。そして、夜になるとスポーツバーにはあふれんばかりの人々が訪れ、それぞれビールを片手にさらに盛り上がりを見せた。

バーでのスポーツ観戦のイメージ 写真:Sergiy Tryapitsyn/PIXTA(ピクスタ)

スポーツ観戦やフェスにビールが付き物なのは今に始まったことではない。しかし最近ではスポーツを見るにしてもパブリックビューイングであったり、スマホの中の動画だったりと技術や生活様式の変化、個人の価値観の変化によってその方法や場所が多様化している。それに伴う酒の楽しみ方も変化しているのは当然だろう。

そこでアサヒビールは、モノによってもたらされる体験や感動に重きを置く“コト消費”への需要に応えようと、既存の酒類市場の在り方にとらわれず、新たな発想で消費者の価値や新市場の創造を目指す“Value経営”を推進。同社の商品を通じて、消費者がどのような価値や体験を得られるのかを重視した取り組みを展開する。

若者も普段ビールを飲んでいる、という事実

「ビール類の飲酒動向に関する調査」(ビール酒造組合、発泡酒の税制を考える会 2019年9月)によると、普段からビールを飲むと答えたが人が約8割。しかも、昨年10月に実施された消費税増税の際も、変わらずビールを選ぶと答えた人が7割強 と多数を占めた。その理由は、ビールならではのおいしさや飲み心地の良さといった味への評価であると考えられる。また、ビールを選ぶと答えた年代別の飲用率は若年層が高く、20代~30代の8割以上がビールを普段飲んでいることもわかった。

ビール市場は15年連続で過去最低を更新したが、実は、人々はビールを飲んでいて、若者もビールを飲んでいる。アサヒビールはその事実を踏まえ、2020年、『ビールがうまい。この瞬間がたまらない』をコンセプトにした、体験や価値の創出、楽しい生活文化の創造、若年層のビール需要喚起に注力している。

成功も失敗も、すべてはビールとともに 消費者インサイトに迫るマーケティング戦略

これまでアサヒビールは、商品の物性価値(品質や機能の良さ)を主体としたマーケティングを行なってきたが、今後は、モノづくりの精神を大切にしつつ、消費者の価値や体験を主体としたスタイルへシフトする。消費者が感じる情緒価値を掘り下げるべく、どのようなときに人の心は動くのかについて、のべ6000人の消費者調査を実施し、人がビールに感じる潜在的な欲求やニーズ、いわゆる“消費者インサイト”を探索した。

皆、思い出してほしい。ビールとはどういうときに飲むものだっただろうか?

消費者調査でわかったのは、想像以上に、ビールは人と人をつなぐ力、気持ちを前向きにする力、自分を労う力があり、その価値や体験から「ビールがうまい!」と感じるということ。人、コト、そして自分、すべてを肯定してくれる飲み物、それがビールだった。

成功しても、失敗しても、良いことがあっても、悲しいことがあっても、その日一日を肯定し、明日へ背中を押してくれる特別な飲み物――。そのような消費者のインサイトにたどり着いたのだ。

アサヒビール代表取締役社長の塩澤賢一氏は言う。

「実は、アサヒスーパードライが誕生した1987年以前は、ビールの消費量は減っていました。しかし、アサヒスーパードライを発売してから8年間で1.5倍に増加。それだけ、当時のアサヒスーパードライには魅力があったということです。そのような歴史と、昨今のビール市場を鑑みたとき、私たちは商品の良さをうまく伝えられていなかったのではないかと感じました。ですから今回は、“ビールが主役ではなく、飲んでいただくお客様が主役”という考え方に変え、再チャレンジしていこうと決めたのです」

アサヒビール株式会社 代表取締役社長 塩澤賢一氏
アサヒビール株式会社 代表取締役社長 塩澤賢一氏(1月8日の2020年事業方針説明会にて) 写真:編集部

この結果をもとにしたマーケティングを展開していき、さらなるスーパードライのファンを拡大していきたいと考えている。

この場所、この瞬間のうまさを体験する

アサヒビールは、さまざまな商品によるValue経営を展開していくなか、2020年は、発売以来、根強い人気を誇る「アサヒスーパードライ」に特化し、飲用価値の再発見と特別な飲用体験を演出する、多彩なキャンペーンを実施する。

氷点下の「エクストラコールド」を自宅で楽しむ

2009年より飲食店向けの専用抽出機器として展開している、“氷点下のスーパードライ”「エクストラコールド」。通常のビールよりも泡密度が増加することから、冷たさときめ細かな泡が楽しめるほか、スーパードライの特長である「キレ」「シャープさ」「のどごし」をさらに強く感じられる、かつてないスーパードライを体験できると好評を博している。ただし弱点も。限られた時間、限られた店舗でしか飲めないことだ。

そこで、「エクストラコールド」の魅力をもっと多くの人々に体験してもらおうと、自宅でも楽しめる「エクストラコールドタンブラー」が当たるキャンペーンを、4月24日(金)から実施する。

真空層と冷媒層を含む3層構造のステンレスタンブラーで、冷やしたタンブラーにビールを注ぐだけで氷点下まで冷却され、店で飲むような味わいを堪能できる。また、タンブラー正面には、東京2020大会のエンブレムをデザイン。競技を観戦しながら味わうという特別な飲用体験を提供する。

ほかにも、350ml缶・500ml缶を短時間で氷点下まで冷却できる専用機器「エクストラコールド急冷機」を、4月下旬より、首都圏の一部店頭や各種イベント会場などを中心に、約300台展開する予定だ。

「アサヒスーパードライ」工場コンセプトショップ

ビールをおいしく飲むには「鮮度」が重要と考え、全社的なテーマとして取り組んでいるアサヒビール。“できたてのうまさ”というスーパードライならではの価値を、工場見学の疑似体験とともに楽しめる初の試み、「アサヒスーパードライ」工場コンセプトショップを、東京、名古屋、大阪にて、4月から期間限定でオープンする。

同時に、同コンセプトで運営する専用車「『アサヒスーパードライ』工場コンセプトカー」も、北海道から九州地方にかけて展開。全国の祭りやイベントに参加する予定だ。

ここでは、仮想現実(VR)技術を使った工場見学ができるほか、普段は入ることができない「アサヒスーパードライ」の製造工程エリアも3Dバーチャル映像で体験できる。そして目玉が、製造後翌日に工場から直送された最高品質の「アサヒスーパードライ」を「エクストラコールド」で提供。ビール工場で飲む“できたてのうまさ”を氷点下で味わうという、ここでしかできない特別体験をお届けする。

若年層のビール需要活性化に向けた取り組み

「アサヒスーパードライ ザ・クール」

若年層にもっと気軽にビールを楽しんでもらおうと、2019年、“もうひとつの「スーパードライ」”というテーマで、瓶から直接飲みを提案する「アサヒスーパードライ ザ・クール」を発売。スポーツバーやクラブをはじめ、ダーツやビリヤードといったレジャー業界などでも採用され、年間の取扱店数は4200店超。苦みを少し抑えた飲み口も好評で、これまで以上に若者がビールを手に取る機会をつくることに成功した。今年もさらなる認知拡大を図り、積極的に展開していく。

昨年4月~6月にはコンセプトショップ『DRY THE COOL BAR inspired by Instagram』を表参道に期間限定オープンした。

春限定「アサヒスーパードライ スペシャルパッケージ」

2015年の第1弾発売以降、累計333万箱を販売する人気商品、春限定「アサヒスーパードライ スペシャルパッケージ」を今年もリリースする。

春到来の高揚感を後押しする、鮮やかなピンク色をベースに満開の桜を施したデザインで、見た目のかわいらしさから手に取る若年層や女性も多い。中には、同商品が並ぶことで、春が来たことを実感するという声も少なくない。

広告キャラクターには、若者を中心に知名度の高い女性タレントである、乃木坂46の白石麻衣さん、秋元真夏さん、新内眞衣さん、中田花奈さんの4人を起用。4人が出演するスペシャルイベントへの招待チケットなどが当たるキャンペーンも実施する。

グループからの卒業を発表している白石麻衣さんの参加もあり、注目度はさらに高まりそう。

2019年末より、Twitter上で消費者参加型の「スーパードライSNS限定キャンペーン」を開始(1月14日で応募受付終了)。スーパードライと一緒に体験する特別な瞬間の写真や動画を投稿してもらい、それらをつなぎ合わせたオリジナル動画を作成。2月5日よりウェブ限定CMとして展開している。

このように、「仲間と飲みたい」「人とつながりたい」という若年層のインサイトをベースに、「大切な仲間と最高につながれる。それがビールである」ことを、年間を通じて訴求し続け、若年層のビール需要活性化を目指す。

「東京2020オリンピック・パラリンピック ゴールドパートナー」としての使命

そして、忘れてはならないのが東京2020大会だ。アサヒビールは、ビールメーカー唯一の「東京2020オリンピック・パラリンピック ゴールドパートナー」で、これまでも47都道府県ごとにラベルデザインが異なる「アサヒスーパードライ 東京2020大会応援 都道府県限定ラベル」を発売。

今年はさらに盛り上げようと、「アサヒスーパードライ がんばれ!®限定メモリアルデザイン缶 第1弾」、「アサヒスーパードライ 東京2020大会ルック デザインラベル」を期間限定で発売した。

「アサヒスーパードライ がんばれ!®限定メモリアルデザイン缶 第1弾」においては、毎回異なるデザインで全6回の発売を予定。「アサヒスーパードライ 東京2020大会ルック デザインラベル」は、1ケース内に5種類の大会ルック(都市装飾等に使われるデザイン)を施した商品がランダムに入っている。ほかにも、大会決勝チケットが抽選で総計450組900名に当たるキャンペーンも実施する。

今後もさまざまなプロモーションを行ない、目前に迫っている東京2020大会の機運醸成を図り、スーパードライとともに忘れられない2020年となるような演出を提案していく。