アサヒビール、日本初「生ジョッキ缶」で飲食店のような感動を

2021.1.22

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アサヒビール、日本初「生ジョッキ缶」で飲食店のような感動を

新型コロナウイルスと戦ってきたこの一年、外食やお酒を飲む習慣は大きく変化した。大人数での会食は著しく減り、日本人が事あるごとにやってきた「宴会」も封印。いわゆるハレの日のビール需要は激減し、特に業務用ビールが大きな影響を受けた。2020年は、業界としては16年連続で減少を見込む。その一方で、家飲みの増加、オンライン飲み会の定着など、飲用スタイルも大きく変化。業界大手のアサヒビールは、1000人規模のオンライン飲み会の開催や、「アサヒスーパードライ 工場できたてのうまさ実感パック」等を通してこれからの時代のビールの楽しみ方を提案してきた。そして2021年、日本初となる缶容器「アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶」を市場に投入、家飲みに新しい価値を提供するとともに、新市場の創造に挑む。

ハレの日が消滅し、ビール消費量が激減した2020年

世界に広まった新型コロナウイルス感染症は、いまだ拡大に歯止めがかからない。2021年1月7日には首都圏の1都3県、13日には関西3府県、東海2県、さらには福岡、栃木を含めた11都府県に緊急事態宣言が発令。収束への先行きは不透明感が強く、依然として厳しい状態が続いている。

2020年は人の往来が制限されたことで、花見や祭りといったイベントが軒並み中止となり、お盆や年末年始の帰省や外食、旅行の頻度も激減。さらには2020東京オリンピック・パラリンピック大会も延期を余儀なくされるなど、ほぼすべてのハレの日が消滅してしまった。

ビール類業界で特に大打撃を受けたのは、飲食店に卸される瓶や樽といった業務用ビールだ。国内ビール類市場全体では売上金額が約12%減と推定され、16年連続で前年割れは否めない。業界大手のアサヒビールにおいても、ビール類全体の売上金額が15.7%減の5613億円、また、ハレの日に飲むビールの代名詞である主力商品「アサヒスーパードライ」の販売数量は22%減の6517万ケースとなった。

その一方で増加したのが“家飲み”だ。周囲に気兼ねすることなく、自分のペースや好みで自由にお酒を楽しめるといったメリットが、コロナ禍での楽しみやストレス発散となり、また、新しい飲用スタイル“オンライン飲み会”も定着。

さらには、2020年10月の酒税税率改正によるビール減税への関心も高まったとみえ、「アサヒスーパードライ」缶容器の10月販売数量が前年比20%増という、明るいニュースが飛び込んできた。このような背景から、今後は家庭用ビールの購入機会が増加すると見込まれている。

アサヒビール代表取締役社長 塩澤賢一氏(右)と専務取締役 マーケティング本部長 松山一雄氏。アサヒビール2021年事業戦略説明会より(2021年1月6日)

缶ビールの常識を覆す革新的商品、日本初「生ジョッキ缶」を発売

その追い風に乗って、家飲みをさらに楽しめる新商品がアサヒビールから発売される。その名も「アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶」。驚くなかれこの缶容器、フタが“全開”するのだ。

さらりとした飲み口で切れ味が冴える、辛口の生ビール「アサヒスーパードライ」がジョッキで出てきたときのワクワク感、豪快にゴクゴクと飲む爽快感を、場所を問わずどこでも味わえる画期的な缶ビールである。アサヒビール専務取締役・マーケティング本部長の松山一雄氏によると、「生ジョッキ缶」は家飲みを余儀なくされたユーザーたちの声によって生まれたものだという。

「当社で実施した調査で、自宅で飲食店のような樽生ビールを味わえないことに不満を感じているお客さまが6割を超えていることを知りました。そこから、“自宅でも飲食店で提供される樽生ビールを楽しめたらどんなに素晴らしいことか”という消費者インサイトにたどり着き、商品開発が始まりました」

実際に消費者に試飲してもらったところ、「泡もおいしくて感動した」「お店で飲むビールのようだ」「家飲みが一段と楽しくなりそう」と大絶賛。缶ビールなのに泡が出る・ゴクゴク飲める・香りがいいなどの“物性価値”に、ワクワクする・テンションが上がる・楽しいなどの“情緒価値”を備えた、飲む人の心を大きく動かす商品となった。

しかも、同商品は、「アサヒスーパードライ」のロイヤルユーザーだけでなく、他メーカーを併飲している人、新たにビールを飲みはじめた人、20代~30代の若年層からも評価が高く、ビール市場の活性化も期待できそうだ。

「アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶」は4月6日から酒類取り扱いのコンビニで先行販売、4月20日から全国の全業態で発売する。

ここがすごい! 「生ジョッキ缶」の4つの特長

フタが全開する

一見、通常のプルタブのようだが、開栓するとフタが全開する。口が広いので、麦芽の香りを感じやすく、缶から直接飲用することで、冷たさも、炭酸ガス圧も維持されるので、ジョッキで飲んでいるかのような感覚を味わえる。

きめ細かな泡が自然発泡する

缶の内側に無数の凹凸が施されているので、開栓すると、数秒できめ細かな泡が自然に発生する。これが何とも楽しい。泡も、通常の缶ビールをグラスへ注いだ際に出るものよりもきめが細かく、まるでビールサーバーから注いだ生ビールのようなクリーミーさ。

ゴクゴク飲める

フタが全開するので、香りが感じやすいだけでなく、口に流れ込む液量も多い。通常の缶ビールと比較して一口あたりの流量は約1.4倍。そのため、豪快にゴクゴクと飲むことができ、「アサヒスーパードライ」の喉ごしの良さをより体感できる。

飲料缶では初のダブルセーフティ構造

フタ側と缶胴側の両方にセーフティ構造を採用。これにより、フタや缶胴の縁に手や口が触れてもケガをすることなく、安心して飲むことができる。高価格帯の食品缶詰等で採用実績はあるが、飲料缶では初採用。

「すべてのお客さまに、最高の明日を。」をビジョンにお酒の楽しみ方を提案

アサヒビールは2020年、お酒を飲む人の価値や体験の創出、楽しい生活文化の創造を重視した「Value経営」へと舵を切った。2021年はこれを加速させるため、“すべてのお客さまに、最高の明日を。”というビジョンを掲げ、主力ブランド「アサヒスーパードライ」のさらなる価値向上と、これまでの画一的・一律的なお酒の楽しみ方から、自由で多様なスタイルを提案する取り組みを行なっていく。

この指針には、ビールの美味しさだけでなく、飲む人の幸せな人生に貢献し、日本、ひいては世界をより良いものにしていきたいという願いが込められている。アサヒビール代表取締役社長・塩澤賢一氏は言う。

「再度、緊急事態宣言が発令され、業務用ビール市場は厳しい状況に置かれますが、お客様の“おいしいビールが飲みたい”というニーズにお応えするため、これまで以上に、ビールの品質向上に取り組んでいきます。ひとえに、アサヒビールを支持してくださる、すべてのお客様に最高の明日をお届けするため。2021年もアサヒビールにぜひご期待ください」