×

変わらぬ思いと変える未来【知る人ぞ知るすごいがん治療vol.2】

2017.03.10

社会

0コメント

がん専門の医師の間で注目されている「アクセル+ブレーキ療法®」。少ない施術回数で、全身に転移したがんを消失させるなど、驚くべき成果を挙げている、がん免疫療法だ。その治療法を全方位的に解明する本企画、今回は、この治療法を生み出した2人の医師、SBCメディカルグループ・相川佳之総括院長と湘南メディカルクリニック新宿院・阿部吉伸院長に、がん治療への熱意を聞く。

SBCメディカルグループ 総括院長

相川佳之 あいかわ よしゆき

1970年生まれ、神奈川県出身。1997年、日本大学医学部卒業後、癌研究所附属病院麻酔科に勤務。大手美容外科を経て、2000年に独立、湘南美容外科クリニックを開業。料金体系の表示、治療直後の腫れ具合の写真を公開するなどの美容業界タブーを打ち破り、わずか15年で全国に47院45拠点の分院を構えるまでに急成長。さらに、審美歯科や頭髪治療、不妊治療、眼科、血管外科、整形外科、免疫がん治療など多分野に進出。2015年には、両国に湘南メディカル記念病院を設立。

続きを見る

湘南メディカルクリニック新宿院 院長

阿部吉伸 あべよしのぶ

1965年、富山県生まれ。1990年、富山医科薬科大学(現・富山大学医学部)卒業。1994年、同大学院修了。その間、パリ第12大学アンリーモンドール病院心臓外科留学。医学博士。厚生労働省、外務省に計15年所属し、国家公務員として海外で医療に携わる。家族のために日本で生活することを検討していたところ、SBCメディカルグループ総括院長・相川佳之と出会い、2015年に湘南メディカルクリニック新宿院の院長に就任。免疫細胞療法と免疫チェックポイント阻害剤を組み合わせた新しいがん治療に心血を注いでいる。

続きを見る

2人の医師がたどり着いたがん免疫療法

体内から、がん細胞を殺傷する能力を持つ免疫細胞を取り出して培養し、活発化させたものを再び体内に戻してがん細胞を攻撃させるがん免疫療法。「外科手術」「化学(薬物)療法」「放射線療法」を指してがん3大療法といわれるが、それに加わる”第4のがん治療”といわれている。

新しい治療に取り組むことを決めた理由について、相川院長はあるエピソードを口にする。

「がん免疫療法を始めた一番のきっかけは、当院の大阪院で働く看護師が30代でスキルス胃がんになり、亡くなる前に、『免疫療法をやってみたかった』と言ったことです」

当時、免疫療法は保険が使えない高額な自費診療だったため、その看護師は受けることができなかったという。それを知った相川院長は、安価にがん免疫療法を提供できるようにすることを決意し、湘南メディカルクリニックでがん免疫療法を始めた。

一方、大学病院で食道がんや肺がんを診てきた阿部院長も、3大療法の効果がなく、がんが転移し、術後に再発する患者が多いという現実を経験するなかで、頭にある疑問が浮かぶようになっていた。

「がん患者は末期になると、痩せて元気が無くなってしまう方が多いんです。がんと共存しながら生活の質を高める治療法はないだろうか? がん治療をしながら温泉や旅行にいけるような生活はできないだろうか? そんなことを考えながら、解決策を探し続けるなかで見つけたのが、がん免疫療法です」(阿部院長)

施術の負担の軽さに加え、副作用の少なさから、がんを患ったままでも、普段通りの生活を送れるというがん免疫療法は、まさに阿部院長が探していた答えだった。

相川院長も、「副作用が少なく、実際に効果が出ている症例もいくつもありますので、自分自身はもちろん、母親や子どもががんになったら、私はがん免疫療法をやります。3大療法をし尽くし、何も治療を施すことができない状態になり、その結果、医者から見離されて”がん難民”になってしまった方々にも、がん免疫療法なら希望が与えることができます」と熱弁する。がん免疫療法は、がん患者にとっての”新しい可能性”として提示できるのだ。

目指す未来にあるのは人間らしい生き方

そんな夢のような治療法にも、さまざまな課題がある。高額な自費診療であること、新薬に懐疑的な日本の風潮などがそれにあたる。

「高額になる理由は免疫細胞の培養にかかる人件費と器材です。しかし、腕の良い培養士がいれば、たくさんの培養士を雇用しなくていいため、人件費を抑えられます。膨大な費用がかかる培養器材もメーカー(フコク)と共同開発することで安く卸してもらえます。現在、当院のがん免疫療法は他医院の約半額です」と、相川院長は患者の費用負担を抑えることに注力。

それに加えて阿部院長は、『アクセル+ブレーキ療法®』には『オプジーボ」という免疫チェックポイント阻害剤が欠かせません。しかし、マスコミはちょっとでも副作用があると、新薬の『オプジーボ」を叩く傾向があります。抗がん剤の方がより多くの副作用があってもです。これがネガティブ・キャンペーンとなって、『アクセル+ブレーキ療法®』が否定的な方向に流れている」と、その状況を打破するため、本を出版し、ブログなどのSNSも毎日更新。ほかにもASCO(米国臨床腫瘍学会)という世界最大のがん学会に演題を提出し、国内の小さな学会でも発表を続けている。

がん治療における現状を憂いながらも、がんとちゃんと戦うということを当たり前のことにしたいという阿部院長は、「最初にこのクリニックを作ったときに、下を向いて来た人を、笑顔で、前を向いてもらって帰しましょうと、スタッフに言っていたのですが、今もそれを目指しています」と初志を忘れていない。

2人の医師が目指すがん治療の未来は、あくまで患者を思う心が根底にある。さらに、相川院長はその先も見据えている。

「がん免疫療法に限らず、世界中の素晴らしい治療法をいち早く見つけて、日本の患者に届けたいと思っています。世界で認められ、実績のある治療を日本の必要としている患者に届けることが使命なので」

»がん免疫療法についてもっと知る

政経電論せいけいでんろん

「政経電論」の編集部です。佐藤尊徳(そんとく)編集長の下、若い世代に向けて政治・経済・社会問題を発信しています。イノベーションや働き方改革、北欧型の社会保障、国防、原発、クジラ等に注目中。

もっと見る

この筆者の記事 ▶︎▶︎▶︎

  • 海外ドラマを字幕で見ても英語は上達しない? 戸田れいの海外アーティストインタ...

    2018.01.19

  • 5万円以下の株式投資は好業績の放置系割安株を狙え

    2018.01.16

  • 若者消費が変わる バブル世代を親に持つ子どもたち

    2017.12.20

  • 記事一覧へ

新着記事︎

  • 海外ドラマを字幕で見ても英語は上達しない? 戸田れいの海外アーティストインタ...

    2018.01.19

  • 5万円以下の株式投資は好業績の放置系割安株を狙え

    2018.01.16

  • なぜ横綱に「品格」が必要か

    2018.01.15

  • 記事一覧へ
「政経電論」会員募集中