がん治療の選択は生き方の選択

第5回:がん治療の悩みや不安をぶつける場所 「がん免疫療法」無料説明会レポート

2018.05.21

社会

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「がん免疫療法」を提供している湘南メディカルクリニックでは、がん患者やその家族に向けて、定期的に無料説明会を開催している。治療費やスケジュール、実績や副作用など、具体的な情報を知りたい参加者に対して、包み隠さず向き合う湘南メディカルクリニック新宿院院長の阿部吉伸医師。4月29日に開催された第64回目の説明会の様子をレポートする。

「がん免疫療法」を知るための第一歩

説明会会場は、都庁近くの新宿アイランドタワー内にある湘南メディカルクリニック(以下SMC)の本部の一室。今回の説明会では、家族の付き添いを含め9名が参加した。

説明者は、SMC新宿院の院長であり、「アクセル+ブレーキ療法®」の開発者である阿部吉伸医師。各参加者は事前に配布された紙資料と、正面のスクリーンに映し出される資料を見ながら、説明を聞いていく。

「アクセル+ブレーキ療法®」は、がんの最新治療にも使用される「免疫チェックポイント阻害剤」と、がん細胞と戦うための免疫力をアップする「がん免疫療法」の2つを組み合わせた治療法のこと。従来のがん治療では成し得なかった高い治療効果を出しており、画期的ながん治療としての可能性を秘めている。

「アクセル+ブレーキ療法®」とは

この説明会では、なぜ「アクセル+ブレーキ療法®」では高い効果が実現できるのか、その理由やメカニズム、治療実績、治療の流れや費用などについて知ることができた。

「アクセル+ブレーキ療法®」のメカニズム

まず、日本で認可されている抗がん剤は、「3割の患者に効果があれば有効」とされており、7割の人には効かない可能性がある。そもそもがんを消滅させる目的では使われておらず、がんを小さくしたり、増殖を抑えたりするのが主たる目的。そして、脱毛や吐き気、手足の痺れなどの副作用が、限りなく100%に近い割合で出現するという。

それに対し、「アクセル+ブレーキ療法®」は、これまでの実績や臨床試験に基づく結果からみても、およそ8割の人に効果が出ている。がんが小さくなるばかりでなく、末期がんが消滅したケースもあるとのこと。また、薬剤を使用する化学療法は、副作用を100%抑えることは難しいとされているが、「アクセル+ブレーキ療法®」の場合、副作用はほぼないことが特徴だ。

湘南メディカルクリニック新宿院 院長 阿部吉伸医師

「アクセル+ブレーキ療法®」は、「免疫チェックポイント阻害剤」でがん細胞の増殖にブレーキをかけつつ、免疫療法で免疫力にアクセルをかけることによって、効果的にがん細胞を消滅させる、といったメカニズム。

この治療法で用いられる免疫チェックポイント阻害剤は、オプジーボ(一般名ニボルマブ)とヤーボイ(一般名イピリムマブ)。オプジーボは先頃日本でも認可され、肺がんなど一部のがんに保険適用となったが、オプジーボとヤーボイを併用することで、さらに治療効果が高まることが、世界最大のがん学会であるアメリカ臨床腫瘍学会ASCO(American Society of Clinical Oncology)をはじめ、世界的ながん研究で報告されている。

また、クリニック独自の強みとして、免疫細胞の培養技術の高さが挙げられた。培養は単に数を増やせば良いというわけではなく、ベストな細胞数や最も活性が高くなるタイミングがあるという。SMCでは日本で最も長く細胞培養に取り組んでいる熟練チームと協力し、世界最高レベルの免疫細胞を提供している。

こうした治療のメカニズムやテクニックは、素人目には専門的で難しいものだが、図解と平易な言葉で説明されるため、理解が進む。

実例を基に解説 87%の高い治療効果も

治療実績については、実際の患者の治療前後のMR画像やCT画像の比較、治療成績や副作用の集計などの客観的なデータがスクリーンに映し出され、これまで171例のうち、約87%に効果が出たことが示された(2018年5月時点)。そのうち約70%はがんが縮小もしくは消滅し、残りの17%は現状維持、つまり進行を抑えている状態だという。

転移性の脳腫瘍が2週間で完全に消えた例や、抗がん剤から本治療に切り換えて以降、副作用がなくなり元気に過ごせているという患者の声は、参加者たちに希望を与えるものだったようだ。

また、実際の治療スケジュールや治療費についても話が及んだ。「採血→細胞培養→2週間後に投与」のサイクルを5回くり返すことで1クールとしているが、病状や事情に合わせて回数を減らしたり、免疫療法と免疫チェックポイント阻害剤のどちらか一方だけを受けたりするなどの調整も可能。患者の中には、副作用なく2年以上受け続けているケースもあるとのこと。

また、自費診療のため、標準的ながん治療と比較すると高額だが、一般的に免疫療法は1回30万円が相場とされており、それに比べると負担は軽減されそうだ。

そして、阿部医師からは「がん治療の選択肢のひとつとして、日本でもオプジーボ・ヤーボイ併用法が受けられるようにするのが、医師としての使命だと思っていること」などがメッセージとして伝えられた。

がん治療の悩みや不安をぶつける場所

阿部医師からの説明は約40分。その後、質疑応答の時間が設けられた。参加者からは次のような質問が挙がっていた。

Q(参加者):抗がん剤との併用は可能ですか?

A(阿部医師):併用可能です。漢方なども問題ありませんが、免疫を上げるタイプの薬は控えた方が良いです。重ねて使うと、免疫が上がり過ぎて、過剰に攻撃するなどの暴走を引き起こす可能性があります。

 

Q:経過を見るための画像検査はどこで受けるのでしょうか。

A:当院にはMRIやCTが無いので、これまで受診していた病院で受けていただく必要があります。

 

Q:「アクセル+ブレーキ療法®️」を受けるとしたら、今の主治医に相談する等、許可をとる必要はありますか?

A:今後の検査のこともあるので、話せる状況であれば話して、理解しておいてもらうのが良いでしょう。ただし、こちらは自由診療ですので、医師によって反応が異なる可能性はあります。本来は、連携をとれるようになるのがベストです。

 

Q:副作用が起きた場合、その治療は保険適用になるのでしょうか。

A:当院に入院設備はありませんので、重篤な副作用が万一起きた場合には、他院に行くことになります。病院にもよりますが、自由診療の延長的な治療とみなされ、保険適用外になることもあります。

 

Q:オプジーボは何回まで投与できますか?

A:投与回数に制限はありません。オプジーボでは抗体が一度獲得されると半永久的に残り続けると考えられています。はしかの抗体ができれば、一生効果があるのと同じです。

 

Q:抗がん剤と併用しているケースでは、どちらの治療が効いたかわからないのでは?

A:抗がん剤では起こりえない効果が出るケースでは、明らかに「アクセル+ブレ―キ療法®」の治療効果であると判断できます。実際にそういうケースは多いです。私としては、患者さんが良くなることが大事ですので、治ればどちらが効いていようが構いません。突き止めようと思えばできるでしょうが、快復に向かうのであればそれに越したことはありません。

具体的な質問が多く、参加者が治療法の選択肢のひとつとして、「アクセル+ブレーキ療法®」についての正しい情報を得ようとしていることが見て取れる。

あくまでも選択肢のひとつ

個人的な相談や質問がある人は、説明会の後、何回でも無料で阿部医師との個別面談を受けることができる。また、希望すれば、新宿院の細胞培養室等の見学をすることも可能だ。この日は参加者全員が見学していた。

阿部医師は、「今のがん治療に満足していない患者さんや、不安をもっている患者さん、最良の治療法を探している患者さんに、正しい情報を伝えたい」との思いで説明会を続けている。回によっては、質疑応答の場で自分の病状や悩みを率直に話す人も少なくないそう。

さまざまな治療法を探している段階で、いきなり診察を申し込むのは不安を伴うものだが、無料説明会ならば、基本情報を知り、選択肢のひとつとして検討するための機会になるのではないだろうか。

 

湘南メディカルクリニック 公式サイト

がん免疫療法 無料説明会