政経電論〈政治・経済を武器にする“解説”メディア〉

企業
[佐藤尊徳が聞く あの人のホンネ]

世界一の企業になる~SBCメディカルグループ相川佳之総括院長×RIZAPグループ瀬戸健社長×政経電論」編集長 佐藤尊徳

電子雑誌「政経電論」第19号掲載
2016年11月10日
読了時間: 09分00秒

写真/芹澤裕介

GDP世界3位を誇る日本でも、世界の誰もが知る企業というのは数社しかない。そのうち"世界一の企業"と呼べるのはほんのひと握りだ。そんななかで、世界的総合病院の米メイヨー・クリニックを超えることを目標に掲げるSBCメディカルグループ・相川総括院長と、「健康」をテーマに世界一を目指すRIZAPグループ・瀬戸社長は、少し特異な存在かもしれない。彼らの内に秘めた世界一への思い、戦略について、2人の友人でもある尊徳編集長が深掘り。

相川佳之プロフィールSBCメディカルグループ 総括院長
相川佳之(あいかわ よしゆき)
1970年生まれ、神奈川県出身。1997年、日本大学医学部卒業後、癌研究所附属病院麻酔科に勤務。大手美容外科を経て、2000年に独立、湘南美容外科クリニックを開業。料金体系の表示、治療直後の腫れ具合の写真を公開するなどの美容業界タブーを打ち破り、わずか15年で全国に47院45拠点の分院を構えるまでに急成長。さらに、審美歯科や頭髪治療、不妊治療、眼科、血管外科、整形外科、免疫がん治療など多分野に進出。2015年には、両国に湘南メディカル記念病院を設立。
瀬戸 健プロフィールRIZAPグループ株式会社 代表取締役社長
瀬戸 健(せと たけし)
1978年5月1日生まれ。RIZAPグループ株式会社代表取締役社長。2003年、健康コーポレーション株式会社を設立。健康をテーマにした商品を扱う通販会社として成長し、2006年上場。2010年、RIZAP株式会社を設立。積極的なM&Aを行い、多数のグループ会社を持つ。2016年7月、持ち株会社体制へ移行。

目的ではなく手段としての世界一

尊徳 2人とも、経営する企業で「世界一を目指す」と公言しているけど、売上高だったり、時価総額だったり、いろいろ指標があるなかで、何の世界一を目指しているのでしょうか?

相川 うちは「究極の三方良し」といって、患者に愛され、スタッフに愛され、社会に貢献する企業を目指しているので、医療の世界でそれを表す数字は患者数になると思います。どれだけの患者さんに、「この病院に診てもらいたい」と思ってもらえるか、"人気投票"で世界一になるということです。

おかげさまで、美容系のクリニックでは患者数日本一を創業から約15年で達成できたので、今度はまた15年かけて、ほかの科も加えた医療全体の日本一(の患者数)にして、その次にまた15年かけて、やはり医療の世界一(の患者数)を目指します。その過程で、2020年には300床以上の総合病院を都内に持つ計画です。

尊徳 世界一ってとてつもない目標だけど、それに対してどんなアプローチが必要か、理路整然と考えているんだね。掛け声だけじゃ到底達成できないものだし。

瀬戸 僕は世界一を目指すとは言っていますが、それ自体が目的なわけではありません。人生を楽しみ、事業を楽しむために、世界一を目指すというか。世界一を目指すとなると、ハンパない障害が次々に出てくるので、世界一を叶えようと集まった仲間と一緒に泣き笑いしながら、そのハードルを越えていくことが、僕の目的です。

僕にとって何が自分の満足につながるかといえば、お客様に僕らのサービスを「良いね」と言ってもらえることが一番なんですよ。良い家より、良い車より、それが一番、自己肯定感につながる。だから最終的には、RIZAPの商品・サービスを通じて「人が変われるという証明をして、世界にうねりを起こした企業」になりたいんです。そうなったときには、結果的に世界一といえるような売上高や時価総額もついてくるはずです。

瀬戸「人が変われるという証明をして、世界にうねりを起こした企業」になりたい(瀬戸)

いつも胸にあるメイヨー・クリニックへの挑戦

尊徳 なるほど、自己肯定感か。相川さんは、なぜ世界一を目指そうと思ったの? 何か、きっかけはあった?

相川 世界一の医療機関といわれる米メイヨー・クリニックの本を読んだのがきっかけですね。メイヨーは約170年の歴史がある総合病院で、医師の育成や報酬にも独自の制度があり、理想の医師を自前で育てる環境を持っています。その在り方に共感して10億円規模の寄付をした人が、これまでに100人以上いるそうです。僕もそんなメイヨーに感銘を受けて、自分の代でメイヨーにどこまで迫れるのか、世界一を目指してみようと思いました。それまでは、美容で日本一になることまでしか考えていませんでしたね。

相川自分の代でメイヨー・クリニックにどこまで迫れるのか(相川)

尊徳 メイヨーの写真を持ち歩いて、それを見ては志を強くしているんだってね。もし「美容で日本一」を最終目標にしていたら、もう達成して気が抜けていたかもしれないから、そういう意味では世界一を目標にしていて良かったんじゃない?

相川 そうですね。美容外科以外の科に挑戦するのは、自分の勉強になるし、モチベーションも上がります。先ほどの瀬戸さんの話もそうだと思いますが、世界一を目指していれば、ずっと挑戦していられるんですよね。

瀬戸 そういうことです。僕は何かキツいことがあっても、この苦労は後で自慢話になるなと思っている自分がいたりして、先に見ているもの(世界一)はずっと変わらないですね。

世界一を目指す経営者はやっぱり普通じゃない?

記事に関する意見・疑問はコチラ

コメントガイドライン »

最新の関連記事

新着記事