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経済

モノづくり大国ニッポンに黄信号 電機業界は世界に勝てるか ソニーの"一人負け" 永遠のライバルパナソニックvsソニー徹底検証

電子雑誌「政経電論」第8号掲載
2015年01月13日
読了時間: 04分45秒

高度成長期のなか「Made in Japan」は世界中でもてはやされ、日本は"モノづくり大国"の名をほしいままにした。だが今やグローバル化によって、世界の強豪や新興勢力に押しつぶされそうになっている。家電からPC、社会インフラまでを手掛ける大手電機メーカーを探り、日本の製造業の行く末を追った。

今期決算

ソニーの"一人負け" 永遠のライバルパナソニックvsソニー徹底検証
永ちゃんが白旗? テレビさえかなぐり捨てた
"ミスターモノづくり"の金融シフト

 「矢沢、負けない」がモットーの矢沢永吉がCMキャラを務める液晶テレビ「BRAVIA」。ソニーの花形製品だったはずだが、2014年同社はついにテレビ事業を分社化、また同じく著名なPC「VAIO」の売却も決意。2枚看板の製品の本体切り離しで、電機業界からは「ついにモノづくりからの決別か」との声も出る始末。

BRAVIAソニーテレビの主力商品だった「BRAVIA」。2014年7月に分社化。2015年3月期での黒字化を目指す。
VAIO1996年~2013年12月末の世界累計販売台数7,275万台の「VAIO」。2014年7月に投資ファンドの日本産業パートナーズに売却。 写真/ソニーHP

 実際、近年同社の稼ぎ頭はソニー銀行を筆頭とする金融事業で、この後に音楽や映画といったコンテンツ事業が続く。つまりは非製造部門だ。次代の柱とばかりに「Xperia」に代表される携帯・スマホ事業にここ数年心血を注ぐものの、アップルのiPhoneや韓中台勢の携帯・スマホ攻勢にまったく適わず、1000億円規模の損失を出す失態ぶり。健闘する主力製品をあえて挙げるとすれば、もはやゲーム機「プレイステーション(PS)」シリーズしかない有様。ただし、任天堂の凋落ぶりを見てもわかるように、スマホ対応ゲームの台頭でゲーム専用機が今後さらに苦戦するのは明らか。

 かつて高精細ブラウン管「トリニトロン」やVTR機「ベータマックス」、携帯型音楽プレーヤー「ウォークマン」を世に出し、ライフスタイルさえ変えたソニー。だが21世紀に入ってからというもの、持ち前の尖った製品は誕生していない。一説には「安定収入が見込める金融事業が同社の独創性にブレーキをかけている」とも。

 テレビ事業に関しては4Kに期待をかけるが、すでにこの領域はコモディティ化(画一化)が進み、韓中台の強豪が並み居るレッドオーシャン。優位性などすぐにキャッチアップされるはずだ。加えて、北朝鮮の仕業だとアメリカが断定したソニーのグループ企業、アメリカのソニー・ピクチャーズ エンタテインメントに対するハッカー攻撃も暗い影を落とす。「世界のSONY」は果たしてモノづくりで負けたのだろうか......。

"家電のDNA"とB to Bシフトを鮮明にした家電王国・パナソニック

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