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複利運用と株式優待で利回りアップを追求【放置系マネー術】

2017年07月18日
読了時間: 06分00秒

お金に働いてもらうのが資産運用ですが、できれば効率良く働いてもらいたい。人が働くときの時給と同じように、運用でもできるだけ高い利回りを目指し、なおかつ効率的に再投資していくことが重要になってきます。今回はその観点から「複利運用」にスポットを当て、さらに近頃話題の「株主優待」にも少々異なる視点から着目してみます。

単利運用→複利運用で元手が2倍に増える期間は10年短縮

株式や投資信託などにお金を投資して運用するのは、預貯金の利息では得られない水準のリターンを期待できるからです。では、そうやって得られた収益を、あなたならどうするでしょうか?

[1]パッと使ってしまう
[2]とりあえず手元に取っておく
[3]当初の元手に上乗せして再び投資に回す

この3つの選択肢について、最も高い運用成果を見込めるのはどれだと思いますか?

当然ながら、[1]は最も非効率で元手を新たに追加しない限り、お金はまったく増えません。[2]は投資の用語で「単利運用」といいます。具体例を用いて検証してみましょう。

100万円の元手を投じて、コンスタントに毎年3%の運用成果が得られたと仮定します。この3%という運用成果は、現在の預貯金の金利がゼロ同然の水準になっていることからもわかるように、かなりの高水準です。

この条件で単利運用を続けていった場合、100万円が2倍の200万円に増えるまでには34年の歳月を必要とします。当初の元手だけで投資を続ける単利運用では大きな成果を期待しづらいわけです。

これに対し、「複利運用」と呼ばれる[3]では、どのような結果がもたらされるのでしょうか。

◇複利運用 運用によって得られた収益を当初の元手に上乗せし、再投資を繰り返していくこと。元手が着々と増え、収益が新たな収益を稼ぎ出す結果となり、単利運用よりも高い成果を期待できる。

100万円を3%の利回りで複利運用した場合、それが200万円以上に増えるのは24年後となります。必要とされる時間が単利運用より10年間も短縮されるわけです。

なお、元手を2倍にするための必要となる年数については、「72の法則」を知っていれば誰でも簡単に計算できます。

◇72の法則 「72÷年利=元手を2倍にするために要する年数」という公式がつねに成り立つという法則。例えば、年利1%なら72年、年利3%なら24年、8%なら9年となる。この場合の年利とは「単利」ではなく「複利」。

複利運用と株主優待の合わせ技で高利回りを実現

では、高い利回りで複利運用するためには、いったいどんなものに投資すればいいのでしょうか? ここで注意したいのは、複利・単利に共通することですが"高いリターンを期待できるものはリスクも高い "という運用の世界の常識です。

株式を選ぼうが投資信託を選ぼうが、とにかく高い収益を見込める投資対象は、逆に損失を被るリスクも高い。つまり"堅実さ"において、平均して高利回りをキープする運用は、現実的には難しいのです。

例えば、株式投資の場合は、配当が3%を超えている銘柄は高配当銘柄といえます。だとしたら、あまり欲を張らずに平均3%の運用を目指し、24年を費やして2倍に増やすのが賢明か......? 実は、裏ワザを駆使すれば、リスクを抑えつつ利回りの向上を図ることが可能になります。

それは、運用利回りの向上に主眼を置いた"株主優待投資"です。

◇株主優待 株主になると得られる特典のひとつ。所定の日に株主名簿に氏名が記載されている株主に対して、自社製品・サービスや金券など進呈される。株主優待制度を導入している企業と導入していない企業があり、導入している企業においても、優待品の内容は個々に異なり、廃止になることもある点に注意。

株主優待とは株主へのプレゼントで、それを目当てに投資している人も少なくありません。そういった投資家に買い支えられて、株主優待が人気を博している銘柄は株価の下落が限定的であることが多いようです。

つまり、相場が大きく下がったときでも、株主優待を実施している企業は、株価の戻りが早いということ。その上、「配当利回り」と「優待利回り」との合計値として捉えれば、より高い利回りとなるのです。

◇配当利回り・優待利回り 配当利回りは、一株保有していたときにもらえる配当金を、1株の購入価額で割ったもの。一方、優待利回りは優待品を現金価値に換算し、投資額に対していくらの優待が得られるのかを数値化したもの。両者を合計すると、非常に高い数値になる優待銘柄が少なくない。

※配当利回り=1株あたりの配当金額÷1株の購入価額×100
優待利回り=年間でもらえる優待品の金額換算額÷取得に必要な金額×100

【配当利回り+優待利回り】で考えれば、その数値が8%を超えているものが、利回りが高いといえます。安定的に利益成長を遂げている優待銘柄なら、コンスタントに配当と優待が得られると考えていいでしょう。

株主優待銘柄の賢い買い時

株主優待を得るためには、所定の日に株主名簿に名前が登録されている必要があると前述しました。その日のことを「権利付最終日」と呼んでいます。

◇権利付最終日 権利確定日の3営業日前のこと。権利確定日とは、株主として配当や株主優待を受け取る権利が決定する日のことで、大半の会社は決算月の最終日に定めている。

株主優待が人気の銘柄は、権利付き最終日に向かって株価の上昇が顕著となりがち。なぜなら、駆け込みで権利を得ようとする投資家が殺到するからです。

そして、その日が過ぎた途端、株価は下落に転じます。配当や優待を得られなくなった分だけ理屈の上でも株価が下がって然るべきですし、そういった特性を見越した売りが飛び交うことになるのです。

では、株主優待銘柄はいったいどのようなタイミングで購入するのが望ましいのでしょうか? あるアナリストが3月権利確定の全銘柄で、1カ月前・2カ月前・3カ月前に買い、権利付最終日に売った場合をシミュレーションしたところ、「できれば権利付き最終日に向かって株価が上がる1カ月前、ベストは3カ月前に買ったときの上昇率が一番高い」との検証結果が得られたとのことです。

例えば3月決算の企業なら、1月頃に仕込んでおくのが理想的でしょう。それまでに第1四半期(4~6月)~第3四半期(10~12月)を終えており、業績の方向性もかなり定まってきているので、その点でも投資判断を下しやすいといえそうです。

そして、首尾よく値上がり前に購入できたら、それから先は、離陸した飛行機が自動運転に切り替えるように、放ったらかしの長期投資モードへシフト。定期的に配当と優待を受け取りつつ、それをある程度の金額になったら再投資に回して複利運用を続けていきます。

優待品を換金したり、それを再投資したりする作業はちょっとした手間となるものの、それによって期待できる複利運用の成果については前述した通りです。たったそれだけのことで、あなたの将来は大きく変わりうるわけです。

【TOPIC】優待ビッグ3

ある大手対面証券会社のアンケートによると、個人投資家に一番人気の優待はクオカードだそうです。使い勝手が良く、場所を取らない、しかも換金性もあるからですね。しかし、株主優待の情報をブログで発信している"優待ブロガー"たちには、オススメの銘柄を聞いたときに挙がってくるビッグ3があります。

牛丼を全国で展開する「吉野家ホールディングス」、家電量販店の「ビックカメラ」、ファストフードの「マクドナルド」です。これらの3つに共通するのは、優待でもらえるのが店舗で使える優待券ということ。

おいしい牛丼、なんでも揃っている家電量販店、子どもが喜ぶハンバーガーと、ファンが大勢いそうな企業ですよね。株主優待で投資を始めようと思ったら、この中のどれかから始めてみてはいかがでしょうか。

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