政経電論 https://seikeidenron.jp 政経電論は若い世代に向けて政治・経済の大切さを伝え、社会で役立つ情報を発信する佐藤尊徳(さとう そんとく)の個人メディア。歴代の政財界の知見と若い世代の感覚をぶつけて化学反応を起こし、現代を生きる若者の行動を促すことを目指します。 Fri, 24 Nov 2017 02:10:01 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=4.8.2 映画『探偵はBARにいる3』深みを増した人物描写とアクション撮影の舞台裏に迫る https://seikeidenron.jp/articles/4705 https://seikeidenron.jp/articles/4705#comments Fri, 24 Nov 2017 01:00:16 +0000 http://stg.seikeidenron.jp/?p=4705 主演・大泉洋、共演・松田龍平の人気ハードボイルド&エンターテインメント第3弾『探偵はBARにいる3』が12月1日に封切りを迎える。原作の東直己『ス...

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主演・大泉洋、共演・松田龍平の人気ハードボイルド&エンターテインメント第3弾『探偵はBARにいる3』が12月1日に封切りを迎える。原作の東直己『ススキノ探偵』シリーズは累計発行部数160万を超える人気を誇り、2011年の映画化第1作は、日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞の受賞や、日本アカデミー賞で7冠の快挙 を達成した。前作から4年ぶりに満を持して登場する本作。興味深い制作秘話の数々から、映画の見どころを探る。

 

 『探偵はBARにいる3』

劇場公開:12月1日(金)/配給:東映

 

【ストーリー】

舞台は札幌・ススキノ。探偵(大泉洋)のもとに高田(松田龍平)の後輩から依頼が舞い込む。失踪した恋人の諏訪麗子(前田敦子)を探してほしいというのだ。探偵は、麗子が風俗店で働いていたことを突き止めるが、店のオーナー・岬マリ(北川景子)の手下たちに、高田ともども痛めつけられる。無敗だった高田を圧倒したのは波留(志尊淳)という美青年。さらに、マリのバックには北城(リリー・フランキー)という黒幕が……。

 

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フリではなく本当に当てる! こだわりの格闘シーン

シリーズの見どころの一つ、アクションシーンでは新しいチャレンジがあった。というのも、クランクインの前に殺陣を作り込んでおくだけでなく、これまではパンチやキックを当てずにフリで撮っていたが、今回は臨場感を出すために実際に当てて撮影。

ただし、スピードを抑えて演じ、編集技術で疾走感を加味する方法とした。当てる部分でカットを割ることがないため、1カットのアクションが長くなり役者には負担増のはずだが、大泉洋と松田龍平は共にイキイキとアクションをこなしていったという。

これまで屈強な男たちをまとめて倒してきた高田役の松田は、波留役の志尊淳と、シリーズ初の一騎打ちを演じた。高田が波留に蹴り倒される場面を、松田は「これまで派手にやられる場面がなかったから不安だったけど、やられてワイヤーで飛ぶアクションは意外に楽しかった(笑)」と振り返る。向かうところ敵なしだった高田と、そんな高田をKOするほどのツワモノ・波留の“頂上決戦”は、劇場でぜひ観戦を。

女優魂溢れる北川景子のアクションを見よ

ヒロイン・北川のアクションも見ものだ。特撮ドラマへの出演経験もあり、2015年には「探偵の探偵」(フジテレビ)で本格アクションを披露した北川。雪の上をハイヒールで疾走、派手なガンアクションなど、本作でも惜しみなく体を張っている。

唯一、動揺を見せたのがビルの屋上から飛び降りるシーン。高所恐怖症の北川、撮影前は「怖い!」と震えていたという。しかし、本番では平然とジャンプしてみせ、女優魂を見せつけた。

リリー・フランキー演じる北城に髪をつかまれて投げ飛ばされるシーンも吹き替えは無し。「こんな美人相手にそんな芝居、最初はお金を払ってでもやりたいと思ったけど(笑)、実際の北川さんは作りがどこも華奢で、とても緊張した」とリリー。対照的に北川は勢いよく床に転がり、カットがかかるとすぐ笑顔になるなど、ここでも気骨を見せた。

「本当にすばらしい女優さん。作品を見終わった後、彼女の印象が強烈に残るし、北川さんの新しい魅力が満載だと思います」(大泉)と主演俳優からも猛プッシュだ。

もちろん、主演の大泉も体当たりで撮影に臨んだ。地元・北海道が舞台、メジャー大作での初主演作シリーズとあって、意気込みは生半可ではない。撮影前の過酷なトレーニングで、ケガをしてしまうほどの力の入れようだったという。

大泉は初日に「死なない程度になんでもやる覚悟です!」と宣言し、2日目には、お約束の“探偵がヒドい目に遭う”シーンを撮影。予告編でも印象的な船上でなぜかパンツ一丁のシーンを、2月の小樽の海で収めた。大泉は「僕にできるギリギリのシーンだった」と述懐するが、現場では「探偵の美学として、靴下は履いていたい」とアイデアを出すなど、積極的な姿勢を貫いた。

ヒットメーカー古沢良太(脚本)×コメディの名手・吉田照幸(監督)

脚本は、第1作から手掛けている古沢良太。ドラマ「リーガル・ハイ」シリーズ(フジテレビ)や映画『ALWAYS 三丁目の夕日』『ミックス。』など、ヒット作を多数生んだ人気作家だ。その古沢が試行錯誤をくり返し、約4年をかけて練り上げたのが本作。最終的には、原作のエッセンスを随所に散りばめながらも映画らしさを求め、大胆にアレンジした台本が完成した。

脚本には大泉の意見も取り入れられた。「主演俳優とこんなにたくさんやりとりをしながら脚本を作れたことはなかった。僕にとっては幸せな時間だった」と古沢。原作の東も映画を心待ちにしているようで、その証拠(?)に、本作では意外な場面でカメオ出演も果たす。

原作者の東直己登場シーン

監督は、前作までの橋本一に代わって、吉田照幸。NHKのコント番組「サラリーマンNEO」や朝ドラ「あまちゃん」、映画『疾風ロンド』などを手掛け、いわゆる“キャラを立たせる”人物描写やコメディ要素に定評のある演出家だ。

吉田の参入により、登場人物一人ひとりのバックボーンに重みが増している。

最大の魅力はやっぱり“探偵と高田”

コミカル調の人間ドラマを得意とする古沢と吉田のタッグで、特に注力して描かれるのが、探偵と高田の魅力的な関係性。

シリーズ第1作から携わる企画・プロデュースの須藤泰司(東映企画製作部長)は、「このシリーズには魅力的な要素がたくさんあるが、一番の魅力はなんといっても探偵と高田のやり取り。いい年の大人になっても、男同士でつるんで遊んでいる2人。そんな関係へのあこがれが映画の支持につながってきたと思う。新作は、そこを一番大事にしたかった」と語る。吉田監督の起用も「2人のやり取りを絶妙に切り取れる人」との確信があったことが大きな理由だという。

演じる2人も、固い絆で結ばれていたようだ。大泉によれば「4年ぶりとは思えないぐらい、最初から良い雰囲気だった」。ロケ期間中には、2人で食事にも行ったそう。「2人きりで雪の降る札幌の街を歩いて帰ったりもしたなぁ。僕が雪道の歩き方を彼にレクチャーしながら。龍平くんが『あ、ほんとだ、これだと転ばない』なんて言って(笑)」。

今回、高田は探偵に依頼人を紹介するなど一歩踏み込んだ仕事ぶりを見せたり、ある重大な決断をしたり、前作までとは一味違った動きを見せる。予告編では探偵が高田に「お前はクビだ」と告げる場面もあり、名コンビにもいよいよ転機の予感が――。事件の衝撃的な結末はもちろんのこと、2人の行く末にも、ぜひ注目してほしい。なお、鑑賞の際には、エンドロールで席を立たないことを強くオススメする。

 

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累計9.4万人超のカラダを変えたRIZAPが法人向け健康セミナーでビジネスマンの生活改善にコミット https://seikeidenron.jp/articles/6164 https://seikeidenron.jp/articles/6164#comments Wed, 22 Nov 2017 01:00:54 +0000 http://beta.seikeidenron.jp/?p=6164 個人の健康意識が高まる中、企業でも自社の社員の健康管理に気を配る傾向が強まっている。人々の“理想のカラダ作り”をサポートするRIZAPでは、企業で働くビジ...

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個人の健康意識が高まる中、企業でも自社の社員の健康管理に気を配る傾向が強まっている。人々の“理想のカラダ作り”をサポートするRIZAPでは、企業で働くビジネスマンを対象とした健康増進プログラムを展開。肥満や体調不良の改善を目指し、高パフォーマンスを引き出すRIZAPメソッドとは――?

RIZAP株式会社 医療・法人連携ユニット所属

松崎主税 まつざきちから

米国大学で筋運動学を学び、都内のスポーツクラブで著名人を指導。その後、病院でトレーニングを通して疾病・介護予防を地域住民に行なう。
現在RIZAPで海外と医療の分野で活躍中。

RIZAP株式会社 RIZAPパーソナルトレーナー

遠藤優奈 えんどうゆうな

神奈川県相模原市出身。東海大学体育学部体育学科卒業。
RIZAP株式会社に入社後、パーソナルトレーナーとして、200名以上のゲストを担当。横浜店、関内店、藤沢店に勤め、店舗運営にも携わる。

“自己管理のできない人間は仕事ができない”が日本でも常識化

実力主義のアメリカでは、生活習慣病の2大リスクでもある肥満と喫煙は出世を遠ざける要因として特に敬遠されている。健康を損ね、労働意欲の低下を招き、遅刻や欠勤に繋がる可能性の高い社員には、責任ある仕事は任せられないからだ。

近年、そういったアメリカ式の考え方が、日本でも定着しつつある。書店にはビジネスマン向けのダイエット本や、パフォーマンスを上げる食事法などの自己啓発書が並ぶ。社員食堂に野菜料理や低カロリーメニューを増やすなどの取り組みをする企業も出てきた。これからの時代、経営者にとって社員の健康マネジメントは大きな課題のひとつだ。

そんな時流にあって、今年4月、ボディメイクのプロフェッショナル「RIZAP」が法人向け健康セミナーのサービスを開始した。依頼を受けた企業にトレーナーが出向き、健康改善のための各種プログラムを提供する。

セミナー責任者の松崎主税氏は言う。

「RIZAPでは、これまで累計9.4万人以上にダイエット指南をしてきました。体重を落とすことにコミットする中で、付随的に血糖値や血中コレステロール、血圧など健康数値の改善が見られるようになったのです。これをより多くの方たちに還元できないかと考え、従来の1対1の指導から発展させる形で、1対大勢へのセミナーを始めました」

明日から実践できる“結果の出るプログラム”を提供

本セミナーのコンセプトは、“結果の出るセミナー”だ。結果とは、“明日から実践できる生活改善”を指す。楽しく参加する中でカラダへの意識を変え、日々の行動に移せる実践型プログラムを提供している。プログラムの構成は90~120分のうち60分が講義&ワークショップ、残りがトレーニングだ。すでに大手企業をはじめ150社以上で採用され、満足度は90%以上。多くは企業の人事労務や組合からの要請だ。

「昨今は健康経営が注目されて、さまざまな取り組みをする企業が増えています。しかし、なかなか社員に響かないという悩みをよく伺います。医師などを招いて講座を開いても、参加者が10名そこそこで……というお声もよく聞きます。その点でいえば、当セミナーでは50名や100名の方が集まってくださいます」(松崎氏)

さらに継続して受けたい場合は、3カ月(全8回)のコースがある。ある企業で行ったケースでは、20人の参加者で離脱者ゼロ、平均3%の体脂肪減など、上々の成果が出ている。ほかに、栄養面やカロリーに配慮したヘルシー弁当を宅配するサービスも検討中である。

実際のセミナーに潜入 そこで見えてきたものは…

1対1をノウハウの要としてきたRIZAPが、対大人数の健康セミナーで“結果を出せる”のはなぜなのか。その秘密を知るべく、実際のセミナーを訪問した。

この日の担当は、遠藤優奈トレーナー。参加者は約40名。※全体の流れはタイムスケジュールの通り。

まず、各自ワークシートを使って日頃の生活習慣を振り返る。「階段はほとんど使わない」など10の設問に〇×で答えていくと、普段の行動が自覚できる。それを隣の席の人と報告し合い、意見交換をする。参加者からは互いに共感しあう声が上がった。

続いては、心のメカニズムについてだ。行動を変えるために必要なスイッチの入れ方や、ダイエットを続けて行くためのポイントが心理面から解説される。「医者に注意された」などネガティブな動機で始めたダイエットは、改善することがゴールになってしまうが、「カッコよくなりたい」などポジティブな動機で始めたダイエットは、目標以上の結果が出やすいという。

さらに、RIZAP独自のメソッドが「食事編」「習慣化編」「運動編」で公開される。「食事編」は、食べ方のコツからおすすめのメニューまでをクイズ形式で学べる。「習慣化編」は、最新のダイエット情報や誤解されがちな健康知識など。「運動編」は、実際にカラダを動かしてのトレーニングだ。この日は、レベルを変えた2種類のスクワットが紹介された。

「トレーニングでは、やってみて楽しい!私にもできる!これなら続けられそう!と思ってもらえることと、少しの時間でも効果が実感できることを大切にしています。メニューはその日の全員の方々の様子を見ながら、ギリギリの負荷に調整します」と遠藤トレーナー。

全体を通して学びが多く、活気に満ちた120分。参加者の顔つきからは、満足感とダイエット意欲の高まりがにじんだ。

参加型&パートナーと一緒だから続けられる

本セミナーの特長は、ワークシートやグループワークなど参加型プログラムを中心にしていることだ。自分で一度体験してみることで、日常生活への落とし込みや応用がしやすくなる。また、隣の人とのトークタイムがセミナーの折々にあり、積極的な意見交換が行われる。

「セミナーには同じ悩みをもつ“仲間”がいます。ここがマンツーマンとは違うセミナーならではのポイントです」と遠藤トレーナー。この日出会ったペアはその場限りではなく、生活改善を共にしていくパートナーになり得るという。普段なら仲良くなった人とは「飲んで帰ろう」となるところ、パートナーとは抑制し励ましあう関係性になるというのも興味深い。

さらに、食事だけ・運動だけを単体で扱うのではなく、1回のセミナーで両方を学べる点も他サービスとは違う。食事から改善を始めても、運動から始めても、両方同時に始めてもかまわない。

このように、本セミナーには「やってみようかな」「これならできる」という小さなフックがあちこちに散りばめられている。

「やらなきゃいけないけど、一歩踏み出せないという方の背中を押すのが、私たちの健康セミナーです。マンツーマンのトレーニング同様、法人・自治体それぞれの悩みや要望に向き合い、寄り添います」

健康なカラダは、夢を叶えるためには欠かせないものだ。「社員みんなで元気に」を合言葉にすれば、きっと大きな夢に近づけるに違いない。

 

▼タイムスケジュール

①Shareタイム

隣の席の人と意見交換、トークタイム

 

②ワークシートで生活習慣の振り返り

・○×で健康に対する意識を知る

・具体的な病名に当てはめて、生活習慣病を解説

・体質改善にまつわる事例紹介

・ライフプランの設定

 

③心のメカニズムを知る

・人が動くための動機とは

・「ネガティブな動機」と「ポジティブな動機」

・“結果にコミットする。”ための要因

 

④RIZAPメソッドの秘密

・「食事編」食事の知識

・「習慣化編」意外と知らない事実

・「運動編」体験トレーニング ※自宅でできるトレーニング含む

 

⑤まとめ

習慣の秘訣、続かない理由、モチベーションの維持、パートナーについて、など

RIZAPホームページ

RIZAPセミナー特設ページ

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働き手本位から生まれた常識外れの働き方 未来食堂×パプアニューギニア海産 https://seikeidenron.jp/articles/6355 https://seikeidenron.jp/articles/6355#respond Mon, 20 Nov 2017 09:00:49 +0000 https://seikeidenron.jp/?p=6355 11月5日、千葉県柏市の柏の葉蔦屋書店にて、未来食堂の店主・小林せかいさんと、パプアニューギニア海産の工場長・武藤北斗さんによるトークセッションが行われた...

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11月5日、千葉県柏市の柏の葉蔦屋書店にて、未来食堂の店主・小林せかいさんと、パプアニューギニア海産の工場長・武藤北斗さんによるトークセッションが行われた。テーマは“これからの新しい働き方”。

 

未来食堂とパプアニューギニア海産に共通するのは、自由な働き方を推進している点だ。未来食堂はカウンター12席の小さな店とはいえ、従業員を雇わずに店を運営。パプアニューギニア海産は、従業員を縛りつけない雇用制度で働きやすい職場作りに成功している。

 

小林さんと武藤さんがそれらの仕組みを導入するにあたり、背景にはどんな考えがあったのだろうか? 両者の考えとともに、改めて働き方について考えてみたい。

未来食堂 店主

小林 せかい こばやし せかい

東京工業大学理学部数学科卒。日本IBMとクックパッドで6年半エンジニアを務めた後、幼い頃からの夢を叶えるため、1年4カ月の修行期間を経て、2015年9月、未来食堂を開業。ユニークな仕組みで飲食業に新風を吹き込み、「日経WOMAN」ウーマン・オブ・ザ・イヤー2017の「食ビジネス革新賞」を受賞。著書に『ただめしを食べさせる食堂が今日も黒字の理由』 (太田出版)、『やりたいことがある人は未来食堂に来てください』 (祥伝社)がある。

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株式会社パプアニューギニア海産 工場長

武藤北斗 むとう ほくと

1975年、福岡県生まれ。芝浦工業大学金属工学科を卒業後、築地市場の荷受けに就職しセリ人を目指す。夜中2時出勤、12時間労働を2年半経験の後、父親が経営する株式会社パプアニューギニア海産に就職。2011年に起きた東日本大震災で石巻にあった会社が津波により流され、大阪に移転。会社を再建するなかで、「好きな日に働ける」「嫌いな作業はやる必要はない」など新しい働き方を思いつき、工場長として実践。著書に『生きる職場 小さなエビ工場の人を縛らない働き方』 (イーストプレス)がある。

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毎日の営業を助けてくれる存在「まかないさん」

政府は現在、「働き方改革」を推進しているが、企業では残業が減って休日が増える一方、日々のタスク量は変わらず、一部の従業員がより大きなプレッシャーにさらされる結果を招いている。「実態に合っていない」と頭を抱える経営側も少なくない。そんななか、小林さんと武藤さんが導入する“自由な”就労方式は真逆と言っていい。

従業員を雇わずに店舗運営ができている未来食堂。ポイントになるのが「まかない」と呼ばれる独自のシステムだ。50分(ランチタイムと夜以外は2時間)働くと一食無料となるシステムで、所定の手続きさえすれば、誰でも自由に参加できる。「まかない」は開店前から閉店後まで、1日最大7枠あり、報酬はもちろん食事だけ。朝から夜までお手伝いしても給料が出るわけではない。そんな“まかないさん”(未来食堂で働く人の呼称)が働いてくれるから、従業員を雇わずとも店主の小林さんは一人で店を運営でき、黒字経営が可能となる。

未来食堂

東京・神保町にあるカウンター12席の定食屋。2015年9月開業。50分働くと一食無料となる「まかない」をはじめ、「ただめし」「さしいれ」「あつらえ」などユニークな仕組みで注目を浴び、「カンブリア宮殿」「ガイアの夜明け」(ともにテレビ東京)など多くのメディアに取り上げられる。

調理は基本的に小林さんが担当。朝の荷物搬入や掃除、ランチタイム時の盆の上げ下げなど、特別なスキルを必要としない作業をまかないさんが担当する。保健所主催の細菌検査を受けると調理も可能となり、自分がやってみたい料理をメニューにすることもできるという。まかない目当ての人だけでなく、飲食店開業を目指す人やNPO主宰者、起業を考える人、学生など、いろいろな人が「まかない」に参加している。

「こちらからお願いするわけではないから、今日は4人来たけれども、明日は誰も来ないかもしれない。何度も一緒に働いた人が来る日もあれば、初めての人と2人で働く日もあります。飲食店未経験の人が大半ですが、いろんな仕事をしている人が来てくれるので、新しい発見もありますね」(小林さん)

未来食堂がまかないさんの協力で運営できている背景には、作業のシンプル化もあるかもしれない。例えば、未来食堂のメニューは日替わり一種類のみ。週の終わりに来たお客様と次週のメニューを決める。あれこれとメニューがなければオペレーションはシンプルになり、初めて働く人でも作業を効率的に進められる。また、夜はその日の店にある材料で、気分や体調に合わせて食べたいものを作ってくれる「あつらえ」も行っているが、まかないさんの存在によって、小林さんは客のオーダーに合わせたメニューに対応できる。一人で店を切り盛りしていたら、とてもそこまで手が回らないだろう。

好きなときに好きなだけ働ける「フリースケジュール」

まかないさんの自主的な協力で店舗運営を成功させている未来食堂に対し、パプアニューギニア海産は従業員の自主性を極限まで尊重し、従業員にとって都合の良い雇用環境を整備することで、労働環境を改善し注目されている。

株式会社パプアニューギニア海産

大阪・茨木市に工場を構えるパプアニューギニア産天然エビの輸入・加工・販売会社。1991年設立。武藤さんは、事前連絡無しに出勤日・欠勤日を自分で決められる「フリースケジュール」など、これまでの常識を覆す社内制度を導入。

同社の工場でエビの加工作業に従事するのは、近所の主婦を中心としたパートタイム労働者。彼女たちは好きな日に好きな時間だけ働く。つまり、出勤するのも、しないのも、一日に何時間働くかも、働き手の自由なのだ。しかも、嫌いな作業を申告すればそれをしなくても済むという。

働き手からすれば、こんな好都合な職場はない。子どもの具合が悪ければ行かなければいいし、逆に稼ぎたいときは多く出勤し、長く働けばいい。しかし、フリースケジュールという常識外れの働き方がなぜ成立するのだろうか……。「繁忙期に誰も来なければどうなるのか?」「働く人が増えすぎて人件費がかさむのではないか?」など、疑問は尽きない。フリースケジュールを考案した武藤さんは、パプアニューギニア海産に起きた変化を次のように説明する。

「従業員に判断を委ねることで、彼女たちは自ら居心地の良い職場を維持しようとしてくれます。だから、繁忙期にはみんな自然と集まってくれますし、辞める人がいなくなった結果、募集する必要も無くなって人件費は下がり、作業効率がアップしました」(武藤さん)

そしてもう一つ好都合なのは、フリースケジュールを導入するとシフト管理が無くなり、管理職の負担が激減すること。それに、会社に不満が無ければ従業員の勤務態度も良くなり、管理職がガミガミと細かいことを言う必要が無いため、嫌われる心配も減る。管理職といえども人間。自分を嫌っている人が大勢いる場所にいるのは気が重いものだ。

「働き方改革」に必要なのは自由な発想と柔軟な思考

2時間に及んだトークの中で、武藤さんは未来食堂の「まかない」を自社に取り入れた話を披露した。パプアニューギニア海産版の「まかない」は、袋にシールを張る仕事を一定量クリアしたらエビを一袋プレゼントするというものだ。その条件で人を集めたところ、すぐに定員に到達。そこには、これまで働いたことがなかった人も参加したという。その人は、シール張りがきっかけとなり、その後もパプアニューギニア海産で働くことになった。

「まかない」や「フリースケジュール」という働き方は、考案した未来食堂やパプアニューギニア海産だからこそ可能なシステムだと思うかもしれない。しかし、制度をそのまま適用しなくても、自分たちの会社に合う形にアレンジすれば、自由な働き方は実現できる可能性がある。

「フリースケジュールが注目を集め誤解されることもあるのですが、私たちは最初から自由な働き方を求めているわけではなく、働きやすい職場作りを目指した結果、フリースケジュールに行きついただけです。だから、大切なのはあくまで従業員の働き心地。それを最優先に考えれば、それぞれの会社で取り組む働き方改革の内容が見えてくるのではないでしょうか」(武藤さん)

「未来食堂の独自の空気感は私だから醸し出せるもの。私以外の人が店を切り盛りしたら、それは『未来食堂』ではないでしょう。だから、複数の店舗を持っているイメージがわきません。ただ、食材のロスを出さない日替わり定食の組み立て方などは、週に1回、半年ぐらいまかないさんを続けてくれればマスターできます。そうやって、それぞれの人が自分なりの『未来食堂』を運営してみればいいのではないかと思っています」(小林さん)

話しは戻るが、政府が進める「働き方改革」といえば、長時間労働や正規・非正規雇用の格差の是正、複線型のキャリアパスの構築など、トップダウンの制度改革がテーマとして語られる。しかし、働き手の自主性を尊重し、彼らに判断を任せる就労環境も、働き手が求めているものなのではないだろうか。

未来食堂では、自由に参加できる「まかない」で黒字経営が可能となり、パプアニューギニア海産では、「フリースケジュール」で従業員が働き心地の良い職場を作り上げた。それらはシステムが斬新なだけでなく、どちらもちゃんと事業経営の採算はクリアし、かつ継続可能な状況にある。

さて、トップダウンの制度改革によって働きやすさはどれほど手に入るだろうか? 「働き方改革」を進めるなら、もっと自由に、柔軟に、“働く”ということを根本から見つめ直す必要がある。

トークセッションが行われたのは、蔦屋書店をメインにカフェや雑貨店など個性的な専門店が揃う商業施設「柏の葉T-SITE」内、柏の葉蔦屋書店2階の柏の葉ラウンジ(千葉県柏市)。

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【JADMA会長・阿部嘉文】ドメスティックなプラットフォームが生き残る可能性 https://seikeidenron.jp/articles/6287 https://seikeidenron.jp/articles/6287#comments Mon, 20 Nov 2017 03:30:32 +0000 https://seikeidenron.jp/?p=6287 購買行動のデジタルシフトが進む昨今。2016年の国内におけるBtoCのEコマース市場規模は15.1兆円に達し、そのうち物販は6.9兆円を占める。“現代の黒...

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購買行動のデジタルシフトが進む昨今。2016年の国内におけるBtoCのEコマース市場規模は15.1兆円に達し、そのうち物販は6.9兆円を占める。“現代の黒船”ともいえるAmazonの台頭、ヨドバシカメラなど家電量販店の即日配送対応、ZOZOTOWNによる「送料自由」などの試みも話題となるなど、通信販売を取り巻く状況は刻一刻と変化。

 

その一方で、宅配便の取り扱い個数は年間40億個を突破。宅配大手のヤマト運輸が荷物の増加によるコスト増や過去のサービス残業分の賃金支払いで赤字に転落、Amazonが独自宅配網の構築に乗り出すなど、商品を届ける物流業界も変革を迫られている実情もある。

 

通販企業約650社を束ねるJADMA(ジャドマ、日本通信販売協会)では、通信販売とロジスティクス・物流の現状をどのようにとらえているのか? 尊徳編集長が、JADMA会長の阿部嘉文氏と、通信販売の今と今後を考える。

公益社団法人日本通信販売協会 会長/ポーラ・オルビス ホールディングス取締役(非常勤)/オルビス株式会社代表取締役社長

阿部嘉文 あべ よしふみ

1956年生まれ、秋田県鹿角市出身。早稲田大学教育学部卒業後、ポーラ化粧品本舗(現ポーラ)に入社。ポーラ北九州販売社長、ポーラ・オルビスホールディングス総合企画室長などを経て、2012年にオルビス常務取締役、14年に同社・代表取締役社長に就任。16年から公益社団法人日本通信販売協会会長を務める。
公益社団法人日本通信販売協会

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株式会社損得舎 代表取締役社長/「政経電論」編集長

佐藤尊徳 さとう そんとく

1967年11月26日生まれ。神奈川県出身。明治大学商学部卒。1991年、経済界入社。創業者・佐藤正忠氏の随行秘書を務め、人脈の作り方を学びネットワークを広げる。雑誌「経済界」の編集長も務める。2013年、22年間勤めた経済界を退職し、株式会社損得舎を設立、電子雑誌「政経電論」を立ち上げ、現在に至る。著書に『やりぬく思考法 日本を変える情熱リーダー9人の”信念の貫き方”』(双葉社)。

Twitter:@SonsonSugar

ブログ:https://seikeidenron.jp/blog/sontokublog/

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JADMAは通販の自由で公正な競争を促進する業界団体

尊徳 ロジスティクスの問題を取り上げているうちに、そこに大きくかかわっているだろうJADMA(日本通信販売協会)に話を聞いてみたくなったんですよね。でも、よく考えると、どんな活動をしている組織なのか、一般の方々には見えない部分が多いことに気がつきました。そもそもJADMAはなぜできたんですか?

阿部 JADMAが設立されたのは、1983年。当時、通信販売は訪問販売も含めて新しい事業チャネルでした。新しいビジネスが立ち上がり、そこそこの規模まで市場が大きくなると、一定のルールを作って足並みをそろえる必要があります。当協会も、通信販売という新しいチャネルに自分たちで規制を設けて自由かつ公正な競争を維持するために設立されました。

公益社団法人日本通信販売協会/JADMA(ジャドマ)

1983年設立。特定商取引法の第30条に位置づけられた通信販売業界を代表する公益法人。消費者の信頼を得るため、また、通販業界の健全な発展のために、ガイドラインの制定、アフターケアの徹底、広告表現の適正化、通販110番での相談などを、消費者団体や官公庁の消費者窓口などと協力して進めている。

※ここでいう「通販」は、カタログ、ネット、DM(リーフレット)、テレビ、新聞・ちらし、ラジオ、雑誌などを介した販売を指す。

尊徳 なるほど。現在の通販市場の規模はどれぐらいなんですか。

阿部 物販を中心とした推計値では約6.9兆円。小売業としては百貨店業界を少し超えるぐらいの規模です。これだけの規模になれば、お客様に正しい情報をお伝えするためにルールの厳格化を推し進める必要もありますし、その一方で、日本は諸外国に比べ規制が強い側面がありますから、自由で公正な競争を促進するために、JADMAが先頭に立って良い意味での風穴を開ける必要性も感じています。

尊徳 規制に風穴を開けるのは難しいでしょう。役人だけでなく、長く業界で活動してきた人たちも慣習を大切にする傾向にありますからね。

阿部 まあ、日本という国はなかなか“手堅い”と言いますか、イノベーションの生まれにくい土壌を持った国です。規制緩和という面では政府との関係も丁々発止な部分がありますよ。

急激に変化する通販市場でJADMAができること

尊徳 ネットショッピングが拡大するのに合わせて、ロジスティクスも大きく様変わりしていますよね。インターネットの登場で「通販」のカテゴリーは広がり、定義があいまいになっている感もあります。

阿部 一口に通販といっても、いくつか異なる形態があります。ひとつは、カタログやDMを主体にした伝統的な通販。そして、インターネット上に売り場を提供する楽天市場やAmazonのようなEコマース。さらに、地方でしか手に入らない地元の産品や、規模の小さなメーカーが直売する自社通販です。Amazonは通信販売ではなく物流会社かもしれませんが、日本では大きく分けると通販の部類に入ります。

尊徳 通販にかかわるプレイヤーが増えて属性も広がれば、JADMAとしてもコントロールが難しくなりますよね。利益が一致する面もあれば、利益相反になってしまう場面もあるでしょうから。

通販という同じジャンル内でも利益衝突が起こるような状況になったなかで、衝突を避けながら、消費者のためにならない規制は取り払っていかなければならないという難しい立場にJADMAは立たされているのかなと思います。協会として、全体の利益を考慮してどんな施策を考えていますか。

阿部 消費者のことも考えながら、全世界をマーケットにしていかなければならないなかで、現行の法律・規制が必ずしもベストではないのは事実だと思います。政府にサービス業の効率化を促す政策をお願いすると同時に、日本として何ができるのかという大きな視点で考え、通販業界の枠を超えて行動することも必要です。

しかし、それぞれの業界団体には守らなければならないものもあり、業界内の話し合いには一切かかわらないスタンスを維持する外資の存在もあり、一筋縄ではいかないのが現実です。

ロジスティクスの問題は業界の垣根を超えた議論と協力が鍵

尊徳 ヤマトが赤字になったニュースが大きく取り上げられていますが、通販業界にとって物流は関係が深い。通販業界の視点から見て、ロジスティクスの問題点というか、どんな改善が必要だと考えていますか。

阿部 ポイントは、通販の会社と物流の会社がそれぞれ持っているシステムを、どうやって連携、連動させていくかだと思います。個人情報の問題もありますが、できるだけシームレスにつなげた方が、通販業界にとっても、物流業界にとっても、そして何よりも一般のユーザーにとって便利になります。業界の垣根を超えた議論と協力が日本の通販と物流を救うと思います。

尊徳 全体の2割が再配達を必要としているというデータもありますが、物流企業としては、再配達問題をなんとかしたいようですね。

阿部 そうですね。通販業界としても、再配達問題を解決するためにできることはあります。例えば、梱包。郵便受けに入るサイズで荷物を梱包することを徹底すれば、再配達が必要な場面を減らせます。留守中にも受け取れるように、個人宅に受け取り用のロッカーを設置したり、駅やコンビニ、駐車場などで帰宅途中に受け取れるようしたりするなど、取り組むべきことはたくさんあると思います。

尊徳 再配達問題をクリアするには、物流企業の努力だけではダメでしょうね。発送する会社、受け取る消費者の協力があって初めて解決できる問題なのかもしれません。

阿部 そうだと思います。私たち発送する側で、荷物にICタグを付けて管理がしやすいようにするのもひとつのアイデアです。自動運転や倉庫作業がオートメーションになることで物流の省力化は進歩していくと思われますが、発送の時点でICタグをつければ、途中の管理がしやすくなります。それぞれの業界、会社によって考え方はそれぞれでしょうが、スマートなロジスティクスを作るためには、互いに自分たちはどこまで投資できるのか話し合うのも重要なのではないでしょうか。

尊徳 GPSの精度が上がり、自動運転やドローンの活用が進めば物流は変わるでしょう。阿部さんがおっしゃったように、荷物を発送する段階で管理用のICタグを付けられれば、物流企業としては省力化につながります。実際に、物流企業側との話し合いの場は持たれているんですか?

阿部 今は物流企業が求めている値上げの交渉もあり、そこまでの話には至っていません。物流企業が苦境に立たされている背景には、Eコマースを中心にした通販の発展もありますし、日本の働き手不足の現状と今後を勘案すれば、双方で歩み寄る姿勢が必要でしょう。国土交通省や経済産業省を筆頭に政府のバックアップも求めたいところですね。

尊徳 政府は、何か新しいことを始めるとすぐに規制をかけようとする悪い癖を持っていますからね。安全性を考えればある程度の規制は必要ですが、イノベーションの芽を摘むような規制はやめてほしいですね。

阿部嘉文

日本企業とAmazon、2つのプラットフォームが併存するのかなと。

“黒船”Amazonといかに共存するか

尊徳 先日、経産省のOBの人と、「送料は上乗せ」みたいな大臣通達でAmazon対策を取れないのかねという話をしたんですよ。ヤマトや佐川急便など物流企業が厳しい状況に直面しているのは消費者もわかっているわけで。

阿部 まあ、はたで見ている限りですが、お役所も外資であるAmazonには影響力を行使しにくいのかなと感じることはあります。それに、Amazonは世界的な大企業ですから、自らだけで問題を解決できる力を持っている。そのため、日本国内の企業や業界が手を組んで日本式の問題解決にあたったとしてもAmazonはその方式には乗ってこないようにも思います。

尊徳 国内の企業に比べると資金力もケタ違いでしょうからね。余程の妙味がないと、興味を示さないでしょうね。

阿部 個人的な推論ですが、日本の企業が力を合わせてロジスティクスのプラットフォームを作り上げたとして、Amazonは自らのプラットフォームを投げ出すとも思えません。そうなると、2つのプラットフォームが併存するのかなと思っています。

尊徳 良し悪し、好き嫌いは別にして、Amazonはすごい組織でありシステムであることは間違いないですからね。僕も最近Amazonの軍門に下りました。「絶対にプライム会員にはならない!」と思っていましたが、会員登録しまして。なんだかんだいって、便利(笑)

阿部 Amazonに関していうと、国によって受け入れ方が違うのは面白いですよね。日本ではどんどんAmazonの存在感が大きくなっていますが、お隣の中国ではタオバオ(淘宝網)が圧倒的に強くてAmazonも思うように進出できていない様子。最終的にはグローバル市場でプラットフォームの一本化もあり得ない話ではないと思いますが、それぞれの国によって経済的な状況も価値観も異なりますから、ドメスティックなプラットフォームが生き残る可能性も大いにあると思います。

淘宝網/タオバオ

中国の電子商取引大手アリババグループのタオバオ社が2003年5月に設立したアジア最大のショッピングサイト。CtoCのマーケットプレイス。同社が運営するBtoCバージョンの「TMALL(天猫)」と合わせると年間取引額は50兆円を超える規模。

尊徳 日本ではAmazonがもっと存在感を示すような気がしています。

阿部 ご承知の通りAmazonはアメリカの企業ですが、日本進出にあたり日本人のニーズを巧みにつかんできたと思います。マーケティングのうまさは、JADMAも見習わなければならない点だと感じています。

尊徳 日本でAmazonが大きくなるのは、通販業界の規模拡大といえる。その一方で、Amazonが巨大になりすぎるとJADMAのコントロールが及ばなくなり、消費者が被害を受けるようになるかもしれない……。JADMAの会員もAmazonを活用して商品を販売しているだろうから、複雑な関係性ですよね。

商品はタダで届くわけじゃない

尊徳 日本でAmazonの存在感が大きくなると、物流にかかわる日本企業に影響を及ぼします。送料ひとつにしても、Amazonが「送料無料」と謳えば、国内のメーカーや小売業者も追随せざる得なくなる。消費者は「Amazonは無料なのに、なぜ送料がかかるの?」となりますものね。

阿部 実は、「送料無料」という表現を使っているのは日本だけなんです。「送料無料」と聞くとあたかもタダで物が運ばれているように受け取る人もいますが、物を運ぶには設備の費用も人件費もかかるわけで、発送側が“送料を負担”しているだけなんですね。

尊徳 日本人は“無料”という言葉に弱いですからね。

阿部 配送にかかる費用は、消費者ではなく事業者が負担するものだという意識が日本人の中には根強く残っています。この意識が変わってこないと、政府の通達ひとつで「送料は消費者の負担」とはならないと思います。

尊徳 2012年にZOZOTOWNの前澤(友作)さんがツイッターで「ただで商品が届くと思うんじゃない」という発言で炎上したのを思い出します。

阿部 物議を醸した発言ですが、非常に意味があったと思います。今後は、日本でもモノは人の労働によって届けられているのだという意識が広がると思います。JADMAでも「送料無料」を「送料当社負担」という風に表現を改めるように促していきたいです。

尊徳 とはいえ、商品によっては「送料負担」が難しい物もあるじゃないですか。100円の商品を買ってもらっても、300円の送料を負担したら、それは商売じゃなく慈善事業ですよね。

阿部 私は化粧品の訪問販売をしている会社で働いてきたのですが、訪問販売の場合、お客様に商品をタダで届けるのが当たり前なんですね。商品代金とは別に「交通費」をいただくわけにはいきませんし。その感覚が日本人の中に定着しているのかもしません。

尊徳 新聞や牛乳の配達も、基本タダでしたからね。でも、それはちゃんと料金の中に配達に必要な経費も含まれていたわけですから。

SPA、地方創生…通信販売の可能性

尊徳 最近はネット通販が使いやすくなり、メーカーが消費者に商品をダイレクトに販売するSPAが中・小規模の企業でも可能となりました。ユニクロのような大手なら自前の店舗を持てますが、中・小規模のメーカーだとそうもいかない。ところが、ネット通販を使えばそれが可能。通販という販売方法は、SPAと相性が良いと思っています。

SPA(製造小売業)

Specialty store retailer of Private label Apparelの略。企画から製造、販売までを一貫して行う事業形態のこと。ユニクロやH&Mなどアパレル分野に多い。

阿部 SPAの企業も当協会の会員となっています。今後はもっと増えるのではないかと感じています。特に地方のメーカーにとって通販は大きな可能性を秘めているのではないでしょうか。

尊徳 数年前から地方創生が叫ばれていますが、いまだに地方で考えているのは「企業誘致」なんかの古い発想。地方には地方にしかない魅力があるんだから、それを発信してビジネスにつなげればいいのに。

阿部 おっしゃる通りですね。JADMAは地方創生と切っても切れない関係にあります。地方発の物産や物品を通販という手段で販売することで、地方の活性化につなげたいと考え、セミナーなども開催しています。銀行や商工会議所とも組んで、地方の魅力的な商品を全国規模で販売するように働きかけているところです。

尊徳 ネットと通販を使えば、これまでは現地に行かなければ手に入らなかったものも買えるようになるわけですからね。

阿部 そうなんです。「ふるさと納税」が注目されたことで、地方の物産へのニーズがあることは証明されましたよね。ところが、通販をするにも、地方にはどうすれば売れるかノウハウが無いんです。やみくもに楽天やAmazonに出品するだけでは、砂漠の中からダイヤモンドを見つけてもらうのに等しく、簡単に消費者の目にとまりません。そこをうまくやるにはどうすればいいのかも、JADMAで取り組んでいかなければならない課題だと感じています。

尊徳 それぞれの地方が持つ魅力を生かすのが「地方創生」の本義だと思うので、阿部さんがおっしゃった地方の物産を通販で販売することは、もっと推進すべきでしょうね。そういう意味では、日本通信販売協会というか、通販自体の可能性はまだまだ重要になると感じました。

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職場を効率化したければ管理するな!パプアニューギニア海産・武藤工場長に聞く新しい働き方 https://seikeidenron.jp/articles/6259 https://seikeidenron.jp/articles/6259#comments Fri, 17 Nov 2017 03:00:38 +0000 https://seikeidenron.jp/?p=6259 従業員は、出勤しても出勤しなくても、営業時間中ならいつ来てもいつ帰ってもいい職場がある。パプアニューギニア産の天然エビを輸入・加工して販売している大阪の会...

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従業員は、出勤しても出勤しなくても、営業時間中ならいつ来てもいつ帰ってもいい職場がある。パプアニューギニア産の天然エビを輸入・加工して販売している大阪の会社、パプアニューギニア海産だ。常識外の発想で職場改革を進める武藤北斗工場長に、同社の取り組みと働きやすい職場作りについて聞いた。

メリットしかない「フリースケジュール」制度

来ても来なくても、いつ来てもいつ帰ってもいい……。そんな制度で会社が立ち行くのかと疑問を持つ人もいるだろう。しかし、現にパプアニューギニア海産ではうまくいっている。

同社の工場でエビの加工作業に従事するのは、近所の主婦を中心としたパートタイム労働者。仕事をする理由はさまざまだ。たくさん働いてしっかり稼ぎたい人もいれば、月に2、3回だけ働いて小遣い程度の収入を得たい人もいる。会社で特に管理しなくても、日ごとの差はあれ、週や月での労働時間は自然とバランスを保っているという。この「フリースケジュール」と呼ばれる制度を考案・実施したのは工場長の武藤さんだ。

株式会社パプアニューギニア海産 工場長

武藤北斗 むとう ほくと

1975年、福岡県生まれ。芝浦工業大学金属工学科を卒業後、築地市場の荷受けに就職しセリ人を目指す。夜中2時出勤、12時間労働を2年半経験の後、父親が経営する株式会社パプアニューギニア海産に就職。2011年に起きた東日本大震災で石巻にあった会社が津波により流され、大阪に移転。会社を再建するなかで、「好きな日に働ける」「嫌いな作業はやる必要はない」など新しい働き方を思いつき、工場長として実践。著書に『生きる職場 小さなエビ工場の人を縛らない働き方』 (イーストプレス)がある。

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「自分たちにとって都合の良い職場なら、従業員が助けてくれることもあります。『繁忙期だから多く働いて』『この時期は暇なので休んで』とみんなに伝えれば、各自が自分の状況と照らし合わせて調整してくれます。月に2、3回しか来ないパートを雇用し続けていることにマイナスはないのかとよく聞かれますが、パートは働いてくれた分だけお給金を支払うわけですから、特にマイナスはありません。繁忙期にいつもより多く働いてくれるなど、ピンチのときに助けてくれるから、むしろプラスです」

繁忙期に短期のパートを雇って慣れない仕事をしてもらうよりも、作業に慣れた人に任せた方が効率的なのは子どもにでもわかる話。従業員にとっても、翌日必ず出勤しなければならないというプレッシャーが無くなると、日々の生活を心穏やかに過ごせるというもの。そして、日々の生活が心地良くなると仕事へのモチベーションも上がり、結果として仕事の効率がアップしたというわけだ。しかも、従業員が辞めることも少なくなるため人員募集する費用もほとんどかからず、コスト削減にもつながった。

「自分のペースで働けるから、従業員の不満もたまりにくく、頻繁に辞めるということはありません。従業員が辞めないというのは、本当に大きなメリットです。モチベーションを保ったままどんどん熟練していきますから、作業効率も品質も上がりました。熟練したベテラン従業員が新人に仕事を教えると、その分、全体の作業効率は落ちますが、当社ではそんな心配もありません。人員を増やしたいと思ったときも、ホームページやブログで従業員募集を告知するだけで応募が殺到。キャンセル待ちのような状態。フリースケジュールは良いことだらけです」

職場の良い雰囲気を保つ大切さ

従業員のシフト管理が必要無くなると、管理職の負担が減るだけでなく、遅刻や欠勤でイライラすることも無くなる。それに加えて、“小言”を言わなくて済むため、管理職が従業員に嫌われない。武藤さんにとってこれが大きなポイントだったという。

管理職とはいえ、嫌われているのがわかっていて積極的にコミュニケーションを取りたい人などいない。管理職と従業員の関係が良好になれば、意思疎通がスムーズになり、現場の良い雰囲気を保つのに役立つ。

「フリースケジュールを始めてから、他社の方に、従業員がルールを守らないがどうすればいいか?という趣旨の相談をよく受けますが、それは管理職の人間が良かれと思ってルールを押しつけるからです。従業員の意見を吸い上げて、それをまとめて提案するのが管理職の仕事だと思います。ルールを作るのは“みんな”というスタンスが重要。自分たちで作ったルールなら、守ってくれます」

ただ、パートの自主性を尊重すれば、今度はパート同士の関係が懸念される。「○○さんが作業をサボる」とか、「○○さんが出勤すると作業が遅くなる」とか、互いに不満が出るのではないか。しかし、武藤さんからすると、従業員同士でもめ事が起こるのは、会社や管理職の人間に対する不満が蓄積するからで、自分の働き心地さえ良ければ、一緒に働く人がどんな働き方をするかということには関心が低くなるというのだ。

「そもそも、自由すぎて誰も全体を把握できません(笑)。無断欠勤の概念さえないんですから。みんな自分が働いている日のことしかわからないから、他人のことを気にしなくなります。他人のことが気にならなくなると職場の雰囲気は自然と良くなります」

職場の良い雰囲気を維持するため、パプアニューギニア海産の時給は全員一緒。普通は、作業に熟練した人に高い評価を与えるため時給を上げるものだが、時給を上げた人が「自分は仕事ができる」「ほかの人よりも立場が上」と思いはじめると、周囲にきつく当たるようになる。そうすると職場の環境が悪化。威圧し続けないと自分が職場にいられなくなることに気づくから、どんどんエスカレートしていき、ほかの従業員が辞めていくという悪循環に陥る。

「時給を上げるときは、みんな一緒です。フリースケジュールを導入して全体の人件費が下がったときは、みんなの時給を上げましたし、原料の価格が下がったときも、値下げと一緒に時給を上げました。一つひとつの作業を評価して時給を上げるなんてナンセンス。評価するのに人を雇わなければならないし、その人は絶対に嫌われます。すると職場の雰囲気が悪くなり、悪循環が始まります。時給をみんな一緒にする理由をちゃんと説明すれば、従業員は納得してくれますよ」

エビをむくのに「やりがい」を押しつけない

意外だが、武藤さんは従業員が仕事に「やりがい」を持つことを求めない。会社がやりがいを押しつけると、会社も従業員もつらくなると考えているという。

「エビをむくことにやりがいは……無いですよね。昔の人は生きていくために狩りをしましたが、彼らも狩りが好きなわけではなかったはず。でも仕事ってそれでいいと思っています。特に楽しくもなくても、平凡に作業を終えられる環境こそが、従業員の求めているもの。

会社を好きになってもらおうと思って職場改革を始めましたが、今は僕自身、嫌われていなければそれでいいと思うようになりました。従業員も出勤して作業をするのが苦でなければ、特に楽しくも好きでもなくていいです。愛社精神なんていりません。心地良く働いて、辞めたくないと思ってくれればそれでいいです」

さらに、職場の人間関係はサバサバしているのが大事だと武藤さんは続ける。

「一人ひとりが自分のスタンスで職場に居場所があることが重要です。『それぞれのスタンスがあるよね』と認め合うのが基本。それを前提に、一生懸命働いていれば作業のスピードや好き嫌いは気にしない。互いにその人の働き方のスタンスを認め合えば、特に問題は起きません」

ただ、一つだけ、パート従業員に繰り返し言っていることがあるという。

「意外だと言われますが、人は争う生き物だと思っています。だから、今の心地良い状態なんて、気を抜くとすぐに崩壊すると常に従業員には伝えています。一人が陰口を言いだしたら、また昔みたいなギスギスした職場に戻ってしまうよ、と」

パプアニューギニア海産には、フリースケジュール以外にも「嫌いな作業をやらなくてよい」という制度がある。数カ月に1度、各自がとても好きな作業にマル印、とても嫌いな作業にバツ印を付けるという形でアンケートを取り、みんなで共有する。すると自然と分担され、みんなが嫌いな作業をやらなくても済むようになるというのだ。本当か?と疑ってしまう。

「人の感覚はそれぞれですから、Aさんの好きな仕事をBさんが嫌いで、Bさんの好きな仕事をAさんが嫌い、たいていはそんな状態になります。だから各自が嫌いな作業をしなくても工場は回ります。もし、たまたま嫌いな作業が同じ人ばかり出勤していたら、社員が受け持つか、その時だけ誰かにお願いすれば済む話です。

人生には決して逃れることのできない困難や、挑戦し克服しなければならないことが山ほどあります。なぜ生活のために働いている職場でまで、不得意なことに立ち向かう必要があるのでしょうか。お互いに“好き”を優先することで“嫌い”をサポートし合えるならば、それでいいと思います。それに、強制さえなければ、嫌いな作業は思っているより少ないものです」

一つの軸だけで評価するのは多様性を認めていないのと同じ

「嫌いな作業をする不安がなくなり気持ちが楽になった」「夫や子どもとの時間を優先できる生活になった」など、武藤氏が始めた職場改革は、従業員から大好評。「これこそ自分の仕事に誇りを持ち、人生を前向きに生きるこれからの働き方ではないでしょうか」と、武藤氏がブログに書いている通り、これこそ働く人のスタンスを大切にした働き方改革ではないだろうか。武藤氏のブログから一部引用してみたい。

私は非正規雇用(の働き方)を正規雇用に近づけようという考えは一切ありません。逆にとことん離したい。

 

正規雇用が羨ましがるほどに、非正規雇用が働きやすい職場を目指しています。その結果「好きな日に連絡なしで出勤・欠勤」「パートリーダーを作らない」「嫌いな作業はやらない」「体調悪いお知らせボード」などが生まれてきました。

 

本当はパート従業員が非正規雇用を選ぶには理由があり、社会保険加入にならないように労働時間を制限するのだって理由がある。ならばその理由を考えてみてはどうだろうか。パート従業員が求めているのは社員に近づくことではないと僕は感じたのです

株式会社パプアニューギニア海産ブログより引用)

政府は「働き方改革」を推進しているが、働き手の事情や思いを考慮せずに“非正規雇用=悪”と単純に決めつけ、名目だけの正規雇用で従業員を会社に縛りつけている場合もあることに目をつぶっているのではないか。また、企業のシステムも、一定の評価基準の下に従業員を競わせ、キャリアアップの名目で賃金や待遇に差をつけるケースが大半。厚生労働省もそんな企業の後押しをして助成金を出している。

だから、パプアニューギニア海産は、どれだけ働き手が満足する施策にチャレンジしても助成金の対象にはならない。なぜなら、政府や社会の流れとまったく逆のことをしているからだ。

もちろん、従業員を競わせることが必要な場合があることも理解できる。正規雇用で安定収入を確保することも重要だ。しかし、それにはまらないのに押しつけては、もめごとが増えて職場の雰囲気が悪くなるだけということもある。一つの軸だけで評価するのは、人の多様性を認めていないのと同じだ。「職場を効率化したければ管理するな!」という武藤氏の主張に耳を傾けて、政府も企業も、「働き方改革」をいま一度考え直してみた方がいいのかもしれない。

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作り手と読み手をつなぐ“本の文化祭” 「BOOK MARKET 2017」 https://seikeidenron.jp/articles/6122 https://seikeidenron.jp/articles/6122#respond Fri, 17 Nov 2017 01:14:07 +0000 http://stg.seikeidenron.jp/?p=6122 2009年にスタートし、今年で9回目を迎えた「BOOK MARKET」。年々、出展社や来場者数が増加し、本と人との新しい出合いをプロデュースしている。当日...

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2009年にスタートし、今年で9回目を迎えた「BOOK MARKET」。年々、出展社や来場者数が増加し、本と人との新しい出合いをプロデュースしている。当日の会場の様子や参加者へのインタビューから、本が持つ可能性を探る。

台風もお構いなしの本好きが熱狂する2日間

10月28日(土)、29日(日)の2日間、東京都信濃町のアートコンプレックスセンターにて、アノニマ・スタジオ主催による「BOOK MARKET 2017」が開催された。本が好きな人のために、本当に面白い本だけを集めたブックフェアで、会場には総勢32社の個性的な出版社が出展。

当日は台風22号が本州に接近し客足が懸念されたものの、そんな心配はどこ吹く風、午後になると、会場はにぎわいを見せはじめた。

来場者の中には、神奈川から2時間かけて来たという方も。

「以前から来たいと思っていたので、台風でも気にしませんでした。“本が好き”という共通の趣味を持つ人達が集まるので、初参加や初対面でも本の話で盛り上がりますし、『向こうのブースにはこんな本がありました』などの意見交換も楽しめます」

個性的な32の出版社が自慢の本・雑誌を揃えて読者を出迎え

会場では、出版社ごとにブースに分かれて本が並べられ、編集者や営業が自ら本を手売りする。絵本から文芸書、ガイドブック、趣味の本、写真集、詩集まで種類はさまざまだ。新刊やベストセラーもあるが、書店ではあまり見かけない本や雑誌のバックナンバーも目につく。

雑誌『ソトコト』を出版する木楽舎に、初出展を決めた理由を聞いた。

「木楽舎という社名と、どういう本を作っている会社なのかを一人でも多くの方に知ってもらえたらと思って参加しました。『ソトコト』に反応して立ち寄った方が、他の本も手に取って、『こんな本も作っているのか』と知ってくれるのは嬉しいですね」

また、『ノンタン』シリーズや、『はらぺこあおむし』などで知られる偕成社も出展。同社の絵本が好きという親子は、偕成社のホームページから本イベントを知り、遊びに来たという。「子どもがそろそろ絵本を卒業する年齢なので、今日は児童向けの本を探しに来ました」と母親。また、昨年来て楽しかったので今年も来たという常連や、知り合いが出展するというので駆けつけたという出版関係者も多かった。

通常、書店ではジャンルごとに本や雑誌が並べられていて、客は目的のコーナーに足を運び、タイトルや中身で本を探す。それに対して、本イベントでは出版社別に本や雑誌を見ることができる。つまり、出版社ごとの個性や得意分野を知ってもらうには格好の場なのだ。

そのため、あえて売れ筋や定番以外の“知られざるイチ押し本”や“隠れた話題作”を並べる出版社も多い。逆に言えば、読者にとっては“ここでしか出合えない一冊”に出合える可能性がある。

出展社一覧(五十音順)

アタシ社/アノニマ・スタジオ/エクスナレッジ/偕成社/かもめブックス/カンゼン/木楽舎/グラフィック社/京阪神エルマガジン社/作品社/G.B/自然食通信社/而立書房/青幻舎/誠文堂新光社/地球丸/夏葉社/西日本出版社/ニジノ絵本屋/PIE international/HaoChiBooks/ビーナイス/フィルムアート社/鴎来堂×藤原印刷/堀之内出版/本の雑誌社/ミシマ社/港の人/メリーゴーランド京都/雷鳥社/リットーミュージック/リトルモア

作り手と読み手が直接触れ合える“本の文化祭”

本と人との出合いのほかに、もう一つ、人と人との出会いがあるのも本イベントの特徴だ。7回目の参加となる京阪神エルマガジン社の担当者には、読者との忘れられないエピソードがあると話す。

「数年前のBOOK MARKETで20代の若い男性が来て、一人暮らし向けの料理本をじっと見ていたんです。一度去って、また同じ本を見ているので、『その本が気になりますか?』と尋ねると、『大学を卒業して一人暮らしを始めるまでの間、共働きの両親に夕食を作って楽をさせてあげたい』と言って、その本を買って行きました。一冊一冊売れていくのに物語があることを実感しましたね」

このように、作り手と読み手が本を媒介にして直接触れ合うことで、作り手はヒントがもらえたり、モチベーションが上がったりする。読み手は出版社のこだわりや本の成り立ちなどのバックボーンを知った上で買うことができる。

ちなみに、出版社側は単に本を並べて売るだけでなく、本や著者にまつわる雑貨を並べたり、どんな本が当たるかお楽しみの福袋を用意したりと、さまざまな演出をしている。そんなところからも「本を使って、何か楽しいことをしたい」という意気込みが伝わってくる。

また、会場奥の一角にはイベントスペースが設けられていて、刊行記念のトークショーや著者による対談、子ども向けの絵本イベントなどが行われる。言ってみれば、会場丸ごとが本をテーマにした文化祭の雰囲気だ。

「本と人の距離を近くに」主催者が仕掛ける本の可能性

なぜこのようなイベントを思い立ったのか、主催者であるアノニマ・スタジオの安西純氏に話を聞いた。

「東京ビッグサイトで毎年行われている東京国際ブックフェアに出展していたとき、もっと小規模で同じようなことができないかと思ったのがきっかけです。世の中にはメジャーでなくても面白い本や良い本がたくさんあります。それを読者に届けたいと思いました」

2009年の第1回は、社内イベントスペースで数社を集めての小さなものだったが、回を重ねるごとに少しずつ規模が大きくなり、会場も広いところに変わっていった。昨年と今年は32社が集結。年々、参加希望の出版社は増えているが、規模はこれぐらいが丁度良いという。

アノニマ・スタジオのブース

「一定の密度を維持し、本と人との距離を近くすることで、紙の本ならではの“温もり”を感じ易くなります。それが、このイベントの特徴です。今後も『この本は面白い』『新しい本を作っている』と思った出版社を厳選して、読者に提案していきます」

来年も再来年も「BOOK MARKET」は毎年恒例のイベントとして続いていく。次の開催地や開催日時は未定だが、情報は随時アノニマ・スタジオのホームページにアップされる。尖った本やコアな本、こだわりの本、一般書店では入手しづらい本など“特別な一冊”に出合うには、本イベントを訪れるのも近道。その本を見る度にイベントでの記憶がよみがえる――、そんな体験ができるのも「BOOK MARKET」の魅力だろう。

アノニマ・スタジオ ホームページ

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100円~1000円でスタートできる!投信への積立投資 https://seikeidenron.jp/articles/6226 https://seikeidenron.jp/articles/6226#comments Fri, 17 Nov 2017 01:00:06 +0000 https://seikeidenron.jp/?p=6226 給料はなかなか上がらない。将来的に年金もあまり期待できそうにない。ただし、日本の株式相場は絶好調――。そんな状況で投資の必要性を感じている人は着実に増えて...

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給料はなかなか上がらない。将来的に年金もあまり期待できそうにない。ただし、日本の株式相場は絶好調――。そんな状況で投資の必要性を感じている人は着実に増えているようです。一方で、「投資に回せるだけの資金的余裕がないから……」と躊躇している人も多いでしょう。

 

でも大丈夫! 最新の積立投資は小学生のお小遣い程度の少額からスタートできます。まさに“チリも積もれば山となる”で、積立額はごくわずかでもいいから、思い立ったらすぐに始めてできるだけ長く続け、知識を身に着けることが重要。

 

この連載では、少額から投資できる金融商品を解説していき、一年かけて自分の判断で投資を行える“玄人投資家”になるためのコツを紹介していきます。

投資は100~1000円から始められる!

「そろそろ投資を始めたい」と思いつつ、まだ行動に移していないという人は、例えば次のような理由でためらっているのではないでしょうか?

  • 毎月の生活がギリギリで、投資に回せる資金がほとんど無い
  • 経験ゼロだし、損を出すのが怖い

特に若い世代はまだ給与水準がさほど高くないので、たとえ1万円といえども捻出するのは難しいこともあるでしょう。それに、投資は成果が約束されたものではないだけに、初心者がハードルの高さを感じてしまうのは無理もないこと。

でも、月に1万円を節約するのは大変でも、1000円ならそこまで負担にはならないはず。まして100円なら、誰にでもたやすいことでは? 損失にしても、始めた途端に1万円を失うのはショックですが、1000円や100円なら多くの人が許容範囲でしょう。

実は多くの投資信託は積立投資が可能で、それも月額100円や1000円といった“超少額”からチャレンジできるサービスもあります。こうしたサービスを利用すれば、気軽に投資を始められそうですし、コツコツ続けながら実践を通じて投資を学べるのではないでしょうか。

投資信託

たくさんの投資家から集めた資金をひとつにまとめてプロが株式や債券などで運用する金融商品。略称の「投信」やファンドという別称で呼ばれることもある。投資額に応じてその成果が分配金として還元される商品もある一方、運用が好調なら投信の時価(基準価額)も上昇するので、スタート時よりも高くなった時点で換金すれば、値上がり益も得られる。

積立投資

毎月定額で、投信などを積立方式で購入していく投資方法。銀行口座からの自動引き落としで投資を習慣化できるし、相場が下落している局面でも機械的に継続できるので、安くたくさん買い付けることができ、やがて上昇に転じる局面が訪れれば、大きな成果も期待できる。

まずはインデックス型で平均点狙いの投資から!

もっとも、世の中には数多くの投信が登場しているので、ビギナーがその中から自分に最も合ったものを選ぶのは大変です。だから、最初に選ぶ商品は、わかりやすいシンプルな仕組みのものが無難でしょう。

具体的に言えば、インデックス型と呼ばれる投信が筆頭候補です。運用実績が特定の指数に連動するように設計されています。

指数

特定の市場の全体的な値動きを示すように設計されたもので、国内株式で言えば、日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)がその代表例。インデックス型の投信は、その時価(基準価額)が特定の指数に連動するように設計されている。

例えば日経平均に連動しているインデックス型投信なら、どの会社のどの商品を選んでも同指数とほぼ同じ成果を期待できます。言い換えれば、市場の平均値と大きく離れることなく値が動くということです。

ただし、購入時や保有中、解約時にかかる手数料には会社や商品よって違ってきます。期待できる成果が同じであれば、当然ながら負担コストは安く済むのに越したことはありません。

つまり、インデックス型の場合は、投信にかかわる3つのコストが低い商品を選ぶのが正解ということです。

投信にかかわる3つのコスト

購入時に発生するのが[1]販売手数料で、インデックス型の場合はこれを徴収しないケースが多い。それに対して、保有中に管理コストとしてかかってくるのが[2]信託報酬で、長期保有が前提なら低いのに越したことはない。さらに、解約の際に[3]信託財産留保額という手数料がかかることもある。

例えば、個人投資家に人気の高いインデックス型のファンドといえば、信託報酬の低い「たわらノーロード」シリーズや、幅広い品揃えの「eMAXISインデックス」シリーズなどが候補に挙げられます。

慣れてきたら投信の本数を増やしていこう!

日本に住んでいるなら、最初に選ぶべきは国内の株式指数に連動しているインデックス型。身近な国内の株式市場の平均的な上昇を享受できる投信を中核に据えれば、ネットやテレビのニュースや、新聞などでも状況を確認しやすいメリットがあります。

その上で、投資に慣れてきたり、資金的に余裕が出てきたりしたら、追加の投資を行うのが玄人投資家になる第一歩です。最初に選んだインデックス型への月々の投資額を増やすのもいいのですが、運用対象を広げるという選択肢もあります。

例えばインデックス型ではなく、その対極に位置するアクティブ型にまで視野を広げる、あるいは、最初に選んだのが国内の株式指数に連動するインデックス型なら、次はほかの先進国、もしくは新興諸国の株式市場にリンクしたタイプに目を向けるのもひとつの手です。

アクティブ型投信

特定の指数と同等の成果が出るように設計されているインデックス型に対し、アクティブ型は目標に定めた指数を上回る運用を目指している投信。目標を達成できれば指数を凌ぐ成果が得られる反面、失敗すれば指数に及ばない実績となる恐れもある。

ただし! 当然ながら、新興国の株式市場に連動するインデックス型やアクティブ型の投信は、値動きが大きく、手に入る経済情報が日本よりも少なくなってくるので、取捨選択が容易ではありません。資金的に余裕ができたとしてもすぐには手を広げず、それなりに見定める目を養った上で、次のステップへと進んでいくのが無難です。

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アメリカ製兵器の購入を聖域にしてはならない トランプ米大統領の訪日 https://seikeidenron.jp/articles/6233 https://seikeidenron.jp/articles/6233#comments Thu, 16 Nov 2017 07:30:37 +0000 https://seikeidenron.jp/?p=6233 11月5~7日、トランプ米大統領が訪日した。プロゴルファー松山英樹選手を交えたゴルフ外交やコイのエサやりに加え、日米首脳共同会見ではトランプ氏がアメリカ製...

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11月5~7日、トランプ米大統領が訪日した。プロゴルファー松山英樹選手を交えたゴルフ外交やコイのエサやりに加え、日米首脳共同会見ではトランプ氏がアメリカ製の防衛装備品の大量購入を要求するなど、今回の訪日はいくつかの波紋を呼んだが、佐藤優氏はトランプ大統領の狙いに懸念をあらわにする。

抑制された姿勢の後に

11月5~7日、アメリカのトランプ大統領が訪日した。この訪日で、アメリカと北朝鮮の関係が一層緊張する懸念があったが、今回、トランプ大統領は比較的抑制された姿勢を示した。

<トランプ氏の就任後、5回目となる首脳会談は北朝鮮への対応が主要議題となった。会談で両首脳は、日米が北朝鮮に「最大限の圧力をかける局面」との認識で一致。安倍首相は日本独自の制裁措置を強化し、北朝鮮の35団体・個人の資産を凍結する方針を伝え、トランプ氏は歓迎した。/会談後、共同会見にのぞんだ安倍首相は「日米が百%共にあることを力強く確認した」と述べた。トランプ氏も「我々は黙って見ていない。『戦略的忍耐』の時期は終わった」と北朝鮮を牽制(けんせい)した。>(11月6日「朝日新聞デジタル」)。

日本政府はすでに北朝鮮に対して本格的な制裁をかけているので、今回の追加的独自制裁によっても、北朝鮮に与える打撃は無い。また、「我々は黙って見ていない。『戦略的忍耐』の時期は終わった」というトランプ大統領の発言も従来と較べて北朝鮮に対して厳しくなっているわけではない。

アメリカの産業政策として北朝鮮の脅威が利用されている

むしろ興味深いのは、北朝鮮情勢の緊張を背景にトランプ大統領が日本への兵器売り込み攻勢をかけたことだ。

<「日本が膨大な兵器を買うことが重要」「米国からさらに購入していく」。日米首脳共同会見から一夜明けた7日、兵器売買に前のめりなトランプ米大統領と安倍晋三首相の発言に波紋が広がった。「既定路線」との受け止めがある一方、米国追従とも言える首相の姿勢への批判も出ている。/(中略)ある防衛省関係者は「日本のミサイル防衛の能力を一層高める文脈で出た発言であり、(陸上配備型の迎撃ミサイルシステム)イージス・アショアの導入を着実に進めるということ。日米の防衛当局間では既定路線だ」と受け止めた。一方で、省内には「首相官邸主導で、米国製の装備品の新たな導入や追加導入の圧力が強まる可能性もある」と警戒する声もある。>(11月8日「朝日新聞デジタル」)

現実的に考えてみたとき、アメリカの迎撃ミサイルで北朝鮮の弾道ミサイルをすべて落とすことは不可能だ。むしろアメリカの産業政策として、北朝鮮の脅威が利用されていると見た方がいい。

対日貿易赤字の手っ取り早い解消法

6日、首脳会談の前に、トランプ米大統領は、駐日米国大使公邸で日米の企業経営者らを前に演説したが、そこにアメリカ側の狙いが端的に示されている。

<(トランプ大統領は)「日本との貿易は公平でなく、開かれていない」と述べ、対日貿易赤字に不満を示した。赤字改善のため「我々は交渉する必要がある」としたうえで、「両国に公平な貿易協定、貿易コンセプトを考えることができるだろう。迅速で友好的にできる」と改善に意欲を示した。/トランプ氏は演説で「米国は日本との貿易赤字に何年も苦しんできた」と指摘。「年700億ドル(約8兆円)近い巨額の貿易赤字がある。日本から米国に多くの自動車は輸出されているが、米国から日本へは事実上輸出されていない」と述べた。>(11月6日「朝日新聞デジタル」)

アメリカの対日貿易赤字を解消するには、アメリカ製兵器を売り込むことがもっとも手っ取り早い方法だ。そもそも兵器に定価はない。また技術が陳腐化すれば新たな兵器をアメリカの言い値で購入しなくてはならなくなる。この点についても、防衛官僚の技術的判断にすべてが委ねられる。アメリカ製兵器の購入が新たな聖域となり財政再建が一層遅れる。この点については、財務省が不必要な予算を防衛省につけないようにきちんとチェックすることが重要になる。

アメリカ製兵器の購入を聖域にしてはならない

トランプ大統領のアメリカ第一主義は日本に対しても適用されているという現実を直視すべきだ。北朝鮮の核ミサイル攻撃、サイバー攻撃などの脅威は確かに存在する。これに対しては「自分の国は自分で守る」という気構えを持ち、知恵を働かせることが重要になる。

「思いやり予算」をはじめ、日本はアメリカに対し、すでに十分な負担をしている。貿易赤字が出るのを必要もない兵器を買わされることで帳尻を合わされることについて筆者には強い抵抗感がある。

防衛省の装備にしても、アメリカへの過重な依存を止め、イスラエルやフランスなどからも購入すべきと思う。特にイスラエル製の兵器は、安価で性能も高い。仮にイスラエル製兵器を購入しないとしても、アメリカに対して、値引きを要求する駆け引きとしてイスラエルを使うこともできる。アメリカ製兵器の購入を聖域にしてしまうと、安全保障と財政の両面で禍根を残すことになる。

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平井住職に聞く「不易流行(ふえきりゅうこう)」 変わることができる強さ https://seikeidenron.jp/articles/6229 https://seikeidenron.jp/articles/6229#respond Wed, 15 Nov 2017 08:00:12 +0000 https://seikeidenron.jp/?p=6229 「不易流行(ふえきりゅうこう)」とは、いつまでも変化しない本質的なものを忘れないなかにも、新しい変化を取り入れていくこと。松尾芭蕉が提唱した、本来は俳諧の...

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「不易流行(ふえきりゅうこう)」とは、いつまでも変化しない本質的なものを忘れないなかにも、新しい変化を取り入れていくこと。松尾芭蕉が提唱した、本来は俳諧の理念です。処理しきれないほど情報が溢れる毎日に、私たちはその中にある“本質的なもの”を見失いがち。一方、加速度的に進歩するテクノロジーを前に、“変わらないもの”など無いようにも思えます。激しく変化する現代において「不易流行」は何を意味するか、全生庵の平井住職に聞きました。

変わることへの恐れ

何かを変えることによって、維持されてきた状況が崩れてしまうことを恐れる人たちがいることは確かです。「暗黙の了解」「以心伝心」「和を以て貴しとなす」という言葉に象徴されるように、日本人は集団の意見を重んじ、異なる意見を唱える少数派については和を乱す存在ととらえて嫌悪する。そうした傾向がDNA的に息づいていますから、内側から変わろうとすればおそらく崩壊が起きるでしょう。

歴史を振り返っても、日本がダイナミックに変化したのは1853年の黒船来航による開国や、第2次大戦後のGHQによる民主化といった外部の影響によるものでした。記憶の新しいところではカルロス・ゴーン氏の日産代表就任後の改革があり、最近ではAmazonが日本経済における脅威的な存在になるだろうと言われています。

要するに、外部からの刺激なしに、日本人が変わることは難しいということです。

「不易」と「流行」の本質

「不易流行」の「不易」とは、永遠に変わらないものを示します。何事においても、変わらないものというのは目には見えないものです。例えば、人の心。「愛」や「平和への願い」は誰もが望む不変のものです。一方、変わるものというのは、形を持っていて、目で見ることができます。むしろどんなものでも形になった瞬間に変化するものになる。

一方、「不易流行」の「流行」とは、新しさを求めて変化するものを示します。例えば、科学。現代の科学の進歩は目覚ましいものがありますが、ただ、それを人間自体が進歩していると勘違いしてはいけません。あくまでも、使う道具が進歩しているだけであって、人が空を飛べたり、車さながらに走れるようになったりしているわけではない。人ができることは昔と変わりないのです。

現代文明のほとんどは電力で制御されていて、供給がストップしたらあらゆるものが機能しなくなります。当然、インフラは何の意味もなさなくなるでしょう。もしかしたらアナログなものが多かった昔よりも、便利に見える現代の方がよほど脆弱な世の中なのかもしれません。結局、テクノロジーや文明は“砂上の楼閣”。それをどれだけの人がわかっているか。

また、科学の進歩に関して人が“考えなくなる”ことにも懸念があります。AI(人工知能)がどこまで発達するかは予測しようもないですが、もし「人工知能の判断には誤りが無い」となったとき、人は自分で考えなくなるということが危惧されます。すでに、わからないことが出てくると、その答えをすぐスマートフォンに求める人は少なくありません。とかく、便利になりすぎると人は考えることを放棄しはじめます。科学が進歩した時代だからこそ、ちょっと足りないくらいがちょうど良いように思えるのです。

変わることができる強さ

禅の修業に行くときは、笠を被って草履を履き、調理も風呂も薪でたく。着るものも生活自体も数百年前とほとんど変わりません。それは、“人”の本質を極めようとするのが禅であるからにほかなりません。最近は坐禅の際に冷暖房を入れる、入れないという話もありますが、自然とともにあろうとする禅においては、必要の無いことだと私は思います。

昔はシンプルで今の方が複雑になっているという言い方もできますが、結局、飯を食い、水を飲まないと生きてはいけないという人の本質は変わりません。そして、本質は頭で理解するものではなく、心で感じるものです。暑いのも本質、寒いのも本質であり、それは“変えられないもの”とは絶対的に違います。

修業僧時代、師匠からよく公案(禅問答)を出されたものですが、あるとき問われた公案について、ずいぶん前に同じ問答を受けたことを思い出し、「それ、7年ほど前にもやりました」と答えると、師匠が「ではお前は7年間修業をして、何も変わっていないということか」とおっしゃる。

確かに、時代が変わり、社会経験を積むなかで、考え方が変わっていくのは当たり前のこと。「1+1=2」といった不変的な問いではない限り、答えが変わらない方がおかしいというわけです。

では、例えば「憲法」は「不易」でしょうか。戦争をしないために「憲法9条を変えるな」という人たちがいますが、憲法さえ変えなければ戦争にならない、巻き込まれないというのは極端な考えです。国を取り巻く状況が変化しているにもかかわらず、その人たちは憲法改正を反対するばかりで、「平和を守るためにどうするのか」という肝心な議論が抜け落ちているように思います。

変えるべき、変えるべきでないなどは、その人の生きている時代や経験、立場によって変わるでしょう。大切なのは、問題や困難に直面したときに“変わることができる”ということです。そのために変化を感じられる心を持ち、状況に合わせて変化できる柔軟性があれば、“変わらない”ということもひとつの在り方となり得ます。

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ビジネスにも合わせられるアクティブな大人のためのゴルフウェアブランド「LUCKY TASSEL(ラッキータッセル)」 https://seikeidenron.jp/articles/4345 https://seikeidenron.jp/articles/4345#respond Fri, 10 Nov 2017 01:00:08 +0000 http://stg.seikeidenron.jp/?p=4345 どんなシーンでもおしゃれには気を配りたいもの。しかし近年、ミニマリストブームも相まって、極力、モノを持たない人が増えている。洋服もしかりで、おしゃれのメッ...

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どんなシーンでもおしゃれには気を配りたいもの。しかし近年、ミニマリストブームも相まって、極力、モノを持たない人が増えている。洋服もしかりで、おしゃれのメッカ・フランスの人々はわずか10着で上手に着回すとか。そこで、ビジネスでも、プライベートでも使えるアイテムが揃うゴルフウェアブランド「LUCKY TASSEL(ラッキータッセル)」について紹介しよう。

ゴルフ場からオフィスへ直行!

プライベートな時間からビジネスシーンまで、どんなシチュエーションでもかっこよく、そしてかわいくありたい──。「LUCKY TASSEL(ラッキータッセル)」は、そんなこだわりを持った大人のアクティブスタイルをモットーに誕生したゴルフウェアブランドである。

一見シンプルでありながら個性的なデザインが特徴で、ゴルフウェアとしてはもちろん、プライベートシーンや、ビジネスシーンでも着回しができる万能アイテムが揃う。

例えば、ボトムス。どのようなトップスとも相性の良いベーシックなスタイルだが、生地は3Dジャガード加工が施されているため、見る角度によって柄が変化したり、光の加減で凹凸感があったりと、視覚的な面白さと高級感が漂う。さらに、ポケットの裏生地にはがらりと雰囲気が異なる別デザインの生地を用いるなど、見えない部分にも手を抜かないこだわりようだ。

機能性も高く、“動きやすい”“シワになりにくい”“乾きやすい”といった扱いやすさに加え、ポケットの多さも特徴。特に右太もも部分に配置した前ポケットは、スマートフォンのほか、ゴルフのスコアカードも収納することができる便利な設計となっている。

着心地抜群の多機能メンズロングパンツ

それでは、「LUCKY TASSEL」の人気商品をいくつか紹介しよう。まず最初に紹介するのは、1枚は持っていたい定番の「サイロチェック グレー」のロングパンツ。強調しないチェック柄なので、どんなトップスとも相性が良く、なおかつカジュアルすぎずキレイに着こなせるのが魅力。生地は「精紡交熱糸(サイロスパン)」という特殊糸を使用しているため、薄く、柔らかい仕上がり。着心地の良いさらりとした肌触りとなっている。

メンズ ロングパンツ[サイロチェック グレー]

また、ヒップ回りはしなやかなストレッチに膨らみを持たせているので、スポーツシーンだけでなく、デイリーユースにもおすすめ。さらに、右太もも前には小物を収納できるポケットがあるため、脇ポケットに詰め込みすぎてシルエットを崩す心配もない。

個性的な装いが好みの方には、「グロッシーカモフラージュ ネイビー」がおすすめ。一見、無地のパンツのようだが、よく見ると実は迷彩柄。3Dジャガード加工を施しているので、太陽の下や室内、見る角度によってテキスタイルの表情が変わり、ワイルドな迷彩柄も上品かつおしゃれになる。また、ストレッチの効いた素材は締めつけ感を解消しつつ、細身の美シルエットを実現。ポケットの裏生地には、迷彩柄とは打って変わった繊細な花柄を採用するなど、さりげないギャップがまたいい。

メンズ ロングパンツ[グロッシーカモフラージュ ネイビー]

若々しさの中に大人の上品さが漂うレディーススカート

続いて、レディーススカートを見てみよう。人気は、クラシックでトラディショナルな印象の「ウィンドウチェック ネイビー」。英国の伝統柄のひとつ「ウインドー・ペン」を採用しており、若々しさがありながらも、大人の上品さが漂うアイテム。パッと見、ラップスカートのようだが中はキュロットスカート。柔らかく伸縮性にも優れているので、ゴルフなどアクティブなシーンで愛用したい。

レディース スカート[ウィンドウチェック ネイビー]

そしてもう一つは、季節や流行を問わず使える大人気の「マルチボーダー グリーン」。グリーンはさまざまな色と相性が良く、特にブラックとの組み合わせは抜群。トップスによってかっこよくも、かわいくもなるので、テイストの異なるコーディネートを楽しみたい人にうってつけだ。こちらもスカート風キュロットで、ポケットは4つ。大きめのポケットなのでスコアケースやティーマーカーなどの小物もすっきり収納できる。

レディース スカート[マルチボーダー グリーン]

 

あとがき

今回紹介したもの以外にも、まだまだ魅力的なアイテムが揃う「LUCKY TASSEL」。ブランドのモットーは、“LUCKY TASSEL(幸運の紐)で、遊びも仕事も充実した幸せな日々へとつなげたい”。その思いを胸に、今後もさまざまなアイテムを提供していく。興味を持った方は、販売サイト「セレクトショップMe-Time」 へ。

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仮想通貨の価値は何が保障する? 社会実装の課題とブロックチェーンの可能性 https://seikeidenron.jp/articles/4712 https://seikeidenron.jp/articles/4712#comments Fri, 27 Oct 2017 04:30:00 +0000 http://stg.seikeidenron.jp/articles/4712 2009年頃から運用が開始された仮想通貨ビットコインは年月とともに参加者が増え続け、2017年に入って価格が急騰、ブームのような状況になっている。しかし、...

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2009年頃から運用が開始された仮想通貨ビットコインは年月とともに参加者が増え続け、2017年に入って価格が急騰、ブームのような状況になっている。しかし、ブロックチェーン技術を基盤とする仕組みによって価値が担保されるビットコインの概念は難解で、法的な面でも社会実装における課題は多い。仮想通貨や電子マネーの比較やブロックチェーンの可能性を通して、いま現在の仮想通貨がどんなものなのかの説明を試みた。

1年足らずで価値が5倍になったビットコイン

仮想通貨ビットコインの勢いが止まらない。今年に入り価格は高騰を続け、今年1月から10か月余りの間に1ビットコイン/日本円の相場は5倍以上に跳ね上がった。10月25日現在は、60万円前後で取引されている。また、相場取引だけでなく実際に決済に利用できる店舗やサービスも増加しており、2017年はビットコインが世界的に通貨としての地位を確固たるものにするターニングポイントとなった。

金融にもITにも詳しくない人には、ビットコイン(BTC)をはじめ、イーサリアム(ETH)、リップル(XRP)などのアルトコインを含めた仮想通貨が、普段からなじみのあるSuica(JR東日本)やWAON(イオン)のような電子マネーと何が違うのかという疑問が浮かぶ。

仮想通貨と電子マネーは、実際の紙幣や貨幣を必要としない電子決済手段という点では似ているが、実際にはその位置づけがまったく異なる。10月11日にSBI Ripple Asiaが開催した「Beyond Blockchainテクニカルプログラム」の発足会において、弁護士の堀 天子(ほり たかね)氏(森・濱田松本法律事務所)が解説した。

堀 天子
森・濱田松本法律事務所の堀 天子弁護士

通貨とも電子マネーとも異なる仮想通貨

ビットコインに代表される仮想通貨の正確な定義とは何か。堀弁護士はこれについて「通貨的な機能を有し、電子的に記録された財産的価値で、特定の法定通貨との交換レートを安定的に推移されるように設計されているもの」と説明。加えて、資金決済法における定義を引き合いに出し、[1]決済したり交換したりできる価値[2]価値の尺度[3]価値を保護する機能という3つを有するものが仮想通貨であるとした。

仮想通貨は既存の法定通貨(円やドルなど、国の中央銀行が定めた通貨)や電子マネーと異なる位置づけにある。ポイントとなるのは、その通貨について責任を負う「管理者」の存在があるか否かという点だ。

「国の法律によって強制通用力が認められた法定通貨は、世界中のどこで使っても通貨としての価値が保証されている。民法上はこの強制通用力が担保されていない仮想通貨は『通貨』に該当しない。また、特定の発行者や管理者を置く電子マネーや有価証券とも違い、仮想通貨は取引の仕組みそのものへの信頼が価値の裏づけとなっている」(堀弁護士)

つまり、法定通貨は”国”が、電子マネーは”発行事業者”がその価値を保証してくれるが、仮想通貨は”取引の仕組み”そのものが価値を担保しており、その価値を保証する存在がいないことを意味している。ただ、それではビットコインのような仮想通貨は何の価値も無いことになるが、その価値を保証するための仕組みが、「ブロックチェーン」という技術だ。「分散型台帳技術」とも訳されるブロックチェーンは、ビットコインの登場によって一躍脚光を浴び、今や法定通貨や電子マネーを扱う事業者も注目している。

通常、銀行の預貯金情報や電子マネーのチャージ残高データといった「帳簿」は、その管理をする事業者がひとつの場所(サーバー)で集中管理するのが一般的だ。管理する銀行などの事業者がその帳簿に責任を負うことで、預貯金や電子マネー残高といった情報はお金としての価値を持つことになる。

それに対してブロックチェーンでは、取引に参加するすべての当事者に「帳簿」を持たせる。すべての取引内容は全参加者の帳簿に記録され、お互いに相違がないかをシステムでチェック。つまり、仮想通貨は管理責任者が不在である代わりに全参加者が管理者の役割を果たすことで、価値を担保していると言える。

通貨とは似て非なる仮想通貨 拡大する実取引における課題は

画期的な仕組みを持った仮想通貨だが、その利用をめぐっては、消費者を保護するためにも取引に一定の規制をしたり、既存の通貨をめぐる法制度との調整をしたりする必要があるといわれている。

日本国内における仮想通貨の取引については、今年4月に改正された資金決済法で仮想通貨の取引所に「仮想通貨交換事業者」としての登録が義務づけられることになった。しかし、堀弁護士は仮想通貨が店舗などリアルな場面での取引でも使用が拡大している点について、「今後は私法(民間人同士の関係に対する法律)的な観点での検討が必要な局面が増加することが見込まれている。取扱いに関する整理が必要だ」と指摘する。

堀 天子

私たちが日常的に行っているモノの売買や貸し借りなどは、すべて民法や商法に代表される私法によって規定されており、当事者の権利・義務や取引の安全を守るための整理がされている。しかし、先に説明したように仮想通貨は私法上の通貨には該当せず、財産的な価値は認められているものの、その位置づけは「解釈に委ねられる」(堀弁護士)のが現状だという。

「仮想通貨による決済や弁済の法的定義、仮想通貨が盗取された場合の権利者の権限、仮想通貨の相続や差し押さえなどが問題になる」(堀弁護士)

さらに堀弁護士は、民法が定める規定について、「民法上、所有権が認められるのは有体物とされ、財産権が認められる無体物には法的な裏づけが必要。判例ではビットコインに所有権は認められておらず、仮想通貨を所有権の対象とすることは難しい。加えて、管理責任者がいない仮想通貨では債務者(仮想通貨の金銭的価値を保証・弁済する人)がいないため、仮想通貨を債権とすることも難しい」と説明。既存の私法の枠組みから仮想通貨を説明することは難しい、という認識を示している。

そして現在、この仮想通貨の民法上の位置づけに関しては実務家を中心にいくつかの解釈論が示されているものの、議論は未成熟である点を指摘した上で、「そもそも仮想通貨は現実世界を前提としないオンラインネイティブの存在であり、ブロックチェーン上でやり取りされる仮想通貨を議論する上では、あくまでブロックチェーン上での振る舞いを評価するしかない」と堀弁護士。ブロックチェーンにおける価値の取引や決済への活用といった実態に合わせて、取引の安全を保護するための仕組みを検討していく必要性を提言した。

ブロックチェーン技術は金融分野を超えて拡大していく

このように、ビットコインの社会実装にはさまざまな課題がある一方で、その基幹技術であるブロックチェーンに対しては世界中で注目が高まっている。前述の通り、通貨や電子マネーなど価値を管理する責任者(事業者)が中央集権的にデータを管理する従来の仕組みは、責任の所在を明らかにできる一方で、そのセキュリティー担保に莫大なコストと知見が求められるという課題があった。しかし、取引に参加する当事者全員でデータベースを分散管理するブロックチェーン技術は、データの改ざんが不可能といわれていて、セキュリティーに強いという利点が高く評価されている。

その技術活用にあたっては、銀行業や証券業といった金融分野だけでなく、ポイントプログラムや医療、法務、会計、不動産といった非金融業分野にまで拡大していて、公的機関などをも含む幅広い活用が期待されている。しかし、その背景では、技術を使いこなして利活用を推進できる人材が十分に確保できていないという課題があるという。

SBI Ripple Asia代表取締役社長の沖田貴史氏は、こうした技術への注目が高まる一方で、「システム開発会社などではブロックチェーンに関する知識取得機会が限られている。ブロックチェーン関連技術を身につけた人材を戦略的に組織的に育成していく必要がある」と語り、「Beyond Blockchainテクニカルプログラム」を国内外の大手・中堅システム開発会社24社と共同で推進していくとしている。

SBI Ripple Asia・沖田貴史
「ブロックチェーン技術の利活用に向けて人材育成に力を入れる」とSBI Ripple Asia代表取締役社長・沖田貴史氏

「ブロックチェーン技術に関する勉強会やワークショップのほか、ブロックチェーンのクラウド基盤を提供してさまざまな実証実験を展開する。テーマとしては送金、未公開株式取引、ポイントプログラム、電子投票システム、トレーサビリティ管理などが想定されるが、技術進展のスピードを踏まえるとテーマを固定化せずに柔軟性を持つことが重要で、セレンディピティを見つけていくアプローチをとれればと考えている」(沖田氏)

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衆院選 与党が3分の2を維持 安倍首相の続投で55年体制の再来か https://seikeidenron.jp/articles/4711 https://seikeidenron.jp/articles/4711#comments Mon, 23 Oct 2017 07:00:00 +0000 http://stg.seikeidenron.jp/articles/4711 衆院総選挙が10月22日に実施され、与党の自民、公明両党が全議席の3分の2である310議席超を獲得して圧勝。これで安倍晋三首相の続投が決まり、首相の目指す...

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衆院総選挙が10月22日に実施され、与党の自民、公明両党が全議席の3分の2である310議席超を獲得して圧勝。これで安倍晋三首相の続投が決まり、首相の目指す憲法改正が現実味を増した。野党では立憲民主党が希望の党を上回り、野党第一党に躍進。野党再編にも注目が集まりそうだ。

与党3分の2議席、野党第一党は立憲民主党

台風の影響で一部地域の開票が遅れ、10月23日午後に全議席が確定した。投票率は53.68%と戦後2番目に低い水準だ。衆院の定数は今回から465に10削減され、自民党が284議席、公明党が公示前から5減の29議席を獲得。与党の獲得議席は313で、全議席の3分の2をわずかに上回った。

野党では立憲民主党が公示前の3倍超となる55議席を獲得。7減の50議席にとどまった希望の党を上回って野党第一党となった。希望の党が小池百合子代表の「排除」発言で失速するなか、政権批判票の受け皿となったとみられる。

立憲民主と組んだ共産党は、皮肉にも立憲民主に票を奪われ9減の12議席。同じく立憲民主と組んだ社民党も2議席にとどまった。希望の党と協力した日本維新の会は新党が乱立する中で埋没し、3減の11議席となった。日本のこころや新党大地、諸派などは議席の獲得がかなわなかった。

与党の圧勝により、まず決まったのが安倍晋三首相の続投だ。森友・加計学園問題などへの対応で批判が集まり、不支持率が支持率を逆転。「選挙の最大の争点は安倍政治を続けるかどうか」ともささやかれたが、なんとか苦難を乗り切った格好だ。一時は希望の党への期待が膨らみ「首相の計算違い」とも報じられたが、結果的には野党の準備が整う前に解散に打って出るという戦略が功を奏したといえる。

安倍首相の続投で高まる改憲の可能性

首相の自民党総裁としての任期は来年9月までだが、今回の勝利により3回連続当選に近づいた。3選が実現すると任期は2021年9月までとなり、東京2020オリンピック・パラリンピックは安倍首相の下で行われることとなる。

政策的には、自民党、公明党、日本維新の会などの改憲勢力が引き続き衆参両院で3分の2勢力を維持したことで、憲法改正の実現可能性がぐっと高まった。自民党は早ければ今秋の臨時国会に改正案を提示する方針。そこから首相の目指す9条改正を急ぐのか、それとも9条改正に慎重な公明党に配慮して緊急事態条項や環境権などの創設などを優先するのか、与党内での調整が本格化する。

野党内でも希望の党や日本維新の会が憲法改正に前向きで、衆院では仮に公明党が反対しても希望や維新と組めば3分の2を確保することができる。ただ、希望の党には参院議員が3人しかおらず、民進党に残った参院議員にはリベラル系が多い。勢いを失った希望の党に合流する議員は少ないとみられ、参院では公明党を除いた改憲勢力で3分の2を確保するのは困難。結局は公明党の意向に配慮せざるを得ない状況が続くとみられる。

もう一つの政策的な争点だった消費税増税については、与党案通り2019年10月に10%に引き上げられる公算が大きくなった。安倍首相は増税で生まれる財源について、一部を幼児教育の無償化に充てる方針だ。

55年体制に逆戻りか

選挙前は”首相の傲慢さ”に批判が高まっていたが、結果的には新党の乱立で政権批判票が分散。野党は2012年、2014年に続いて与党の3連勝を許した格好だ。しかも、選挙前は民進党という最大野党が存在したが、立憲民主党と希望の党という小政党に2分割され、野党の発言力がますます低下する可能性がある。

また、”小池人気”が急低下するなか、選挙中にもかかわらず希望の党の候補者からは小池氏を批判する声が出ていた。小池氏側近の若狭勝氏が議席を失ったこともあり、党内で混乱が生じる可能性は小さくない。今回、無所属で当選した候補者や民進党に残った参院議員を含め、さらなる野党再編の動きが始まる可能性もある。まずは希望の党が首班指名で誰を選ぶかにも注目だ。

首相による突然の解散表明に始まり、希望の党の設立と民進党の合流、立憲民主党の設立と、目まぐるしく情勢が変化した今回の衆院選。希望の党の小池氏と民進党を事実上解党した前原誠司代表によって、この20年間の2大政党体制に終止符が打たれ、結果的に希望の党が惨敗したことで、かつての55年体制に逆戻りすることも指摘されている。

首班指名が行われる特別国会の召集は11月1日。新内閣発足後は、トランプ米大統領との日米首脳会談、自民党の改憲案提出などを経て年明けの通常国会へと入っていく。圧倒的多数の与党を前に、野党はどれだけの存在感を示せるだろうか。選挙戦は終わったが、あくまで重要なのは政局よりも政策であることを忘れてはならない。

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