政経電論〈政治・経済を武器にする“解説”メディア〉

政治
[佐藤尊徳が聞く あの人のホンネ]

【お笑いジャーナリスト たかまつなな×佐藤尊徳】選挙で投票しない20・30代の皆さん、早く起きてください

2017年05月 8日
読了時間: 10分00秒

政治を伝えるには政治家よりもお笑い芸人がいい

たかまつ 私はこういう活動をしているので「政治家になるんでしょ?」とよく言われるのですが、まったくその気はありません。それは、政治家として政治を変えるよりも、お笑い芸人として政治を発信して変えるほうが世の中を動かせると思うからです。

政治家として何かを変えようと思ったら、ときにはバカになったり、交渉したり、相当大変だと思うんです。それよりも、国民側から論点を整理したり、問題提起したり、解決策を提示したりしたほうがいい。それはある種メディアの役割でもあると思うのですが、今は果たし切れていないので、私がしたいと思っています。

たかまつ

尊徳 政治家は国民の鏡だから、国民のレベルによって政治家のレベルが決まる。国民が声を上げなければ政治家に好き勝手にやられてしまう。まずは国民を変えていかないと政治も変わっていかないよ。

たかまつ 私自身がメディアになることはすごく意義があると思っているんです。だから芸人としてももっと有名になりたいと思っていますし、自分が動くことで目を向けてもらえることを目標としています。

尊徳 日本は文科省が政治的な中立を標榜していて、政治的なポリシーに関する植え付けを避けているから制度的なことしか教えないけど、たかまつさん自身はどんな政治的ポリシーを持っているんですか。

たかまつ 右にも左にも振れるのが人間本来の姿だと思います。まったく支持できない考えを持っている人ってそんなにいなんじゃないかと。

政治ってトレードオフじゃないですか。共産党が言っていることも正しいかもしれないし、民進党だって維新の党だって自民党だって正しいかもしれないというなかで、どこをどのくらいの比重でやっていくのかが民主主義。多数決が絶対ではありますが、その前の話し合いや調整がすごく大事だと思います。

たかまつ

尊徳 中には、意見がずれているどころか、聞く耳を持っていない人たちもいる。まったくかみ合わないそういう人たちとは話もしたくないし、自分の労力を使いたくないけどね。

たかまつ 実は私も同じ考えを持っているんです。高校生のときに平和大使というのをやっていまして、核兵器廃絶を求めて署名を集めて、それを国連に持っていくという活動なんですが、私の年に東日本大震災で原発事故が起こりました。

そこから、その団体が原発を無くす活動もしはじめたんです。でもそれはイコールではないしちょっと違うんじゃないかと思って、無くす方法や代替エネルギーはどうするのかという話をしたら、「核兵器を容認するのか!」とすごい反発されて。

「これは正しい」と思い込んでしまっているんですね。そこで学んだのは、世の中を変えようと思っているよりも、同じ考えの人で集まって内輪で楽しんでいることが多いということです。

同じ環境を守る団体でも、野鳥を守る会と富士山を守る会では考え方が全然違う。本当は一緒になって伝えていかなければいけないのに、SEALDsとか同世代の人たちを見ても、今の日本の体制では難しいのだなと感じました。

何も知らないから、目の前にある政治的な旗印を見つけていいと思ったら、それが100%正しいと思ってしまう。そうなったらほかの旗印を見ても批判的になってしまうんです。

だから変な思想とか宗教にだまされないためにも、何が正しくて正しくないかを読み取る能力が必要。そういう意味では、大人になってからでは遅いと思っているので、教育で、若い人から変えていこうと思っています。

たかまつ・尊徳

下からの押し上げで政治的意識が芽生えるかも?

尊徳 選挙で投票しない世代は政治的なものに無関心なように見えて、知識が無い分、実は影響されやすくもあるのかもしれない。でも、こちらがいくら伝えようとしても行動に移さない人たちは必ずいて、その人たちには何を言っても無駄だと思うけどね。

たかまつ 20代も大きな政治的なイシューがあれば投票率は上がると思います。でもそれがすぐに起こるかといったら可能性は低い。

それよりも、10代の投票率が上がったらほかの世代は危機感を持つはずです。子どもが帰ってきて「お母さん選挙行った?」と言ったらちょっと焦ると思うんですよ(笑)。

教育が一番平等に与えられた機会だし、学校の先生が負担にならないようにシステム化することが大事だと思います。私のようなお笑い芸人が行けば、先生が教材を開発する必要もありません。

尊徳 僕もたかまつさんのことを応援していきたいと思うけど、今後はどういうふうにやっていくつもり?

たかまつ 「笑える!使える!政治教育ショー」は、計算上、芸人さん100人が出張したら1年間で200万人に授業できます。18歳、19歳の親有権者をほとんどカバーできるので、社会的なムーブメントになると思うのです。なので私がすべきなのは芸人さんたちを巻き込むこと。それに全力を注ぎたいと思います。

そうやって政治ショーが稼げるようになったら、ほかの企業が本気で参入して面白い教材がいっぱい出てくるでしょうし、そうなったら勝ちですよね。私の恋愛する時間もとれるなと思います(笑)。

佐藤尊徳プロフィール佐藤尊德(さとうそんとく) 1967年11月26日生まれ。神奈川県出身。明治大学商学部卒。1991年、経済界入社。創業者・佐藤正忠氏の随行秘書を務め、人脈の作り方を学びネットワークを広げる。雑誌「経済界」の編集長も務める。2013年、22年間勤めた経済界を退職し、株式会社損得舎を設立、電子雑誌「政経電論」を立ち上げ、現在に至る。著書に『やりぬく思考法 日本を変える情熱リーダー9人の"信念の貫き方"』(双葉社)。

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