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劇団員が語る 劇団四季に所属するということ―それでも四季で演じたい

電子雑誌「政経電論」第12号掲載
2015年09月10日
読了時間: 02分21秒

劇団四季に所属すれば安定収入が得られ、舞台一本で生活できるといわれている。夢のような境遇だが、一方で制約も。俳優として四季に所属することの意義を探った。

努力するものは報われる

 「作品至上主義」を貫く劇団四季では、俳優の名前ではなく、作品でチケットを販売する。その分、役柄を得るためのオーディションに所属年数や契約形態は問われない。実力があり、役柄のキャラクターが合っていていれば、公平に役を得るチャンスがあるのだ。そこには限られた役者で集客する「スター主義」の劇団にはない確固たるモチベーションが存在する。劇団に所属する俳優は言う。「四季は、基礎がきちんとできていれば生き残っていける場所。努力をすれば必ず見ていてくれるし、それに応えたいとも思う」。

 全国規模で上演しているため、俳優のケガなどで、今日、東京で舞台に立っていた俳優が、翌日、大阪で別の役を演じなければならないという"緊急対応"が発生することもある。しかし、「緊急対応については、皆進んで引き受けると思います。切り替えは大変ですが勉強にもなりますし」(先の俳優)と現場はたくましい。俳優一人ひとりが劇団の細胞一つひとつとなって活動する、そんなイメージを抱かせる。

四季の演目以外に出演できないというしがらみ

 ただ、劇団員にとってネックとなるのは、四季に所属することで、四季以外の演目に出演できなくなることだ。逆もまたしかり、ではあるが、四季には正規の劇団員契約のほか、他劇団やプロダクションに所属しながら、出演する演目や期間を限定して契約する「演目契約」という選択肢もある。長い間、「演目契約」で四季の舞台に立ち、最近になって正式入団したある俳優は、「四季の演目以外にも好きな作品があり、出演のチャンスをうかがっていた」と話す。

 しかし、四季以外の舞台では、個々の俳優の集客率、ネームバリューも重要になってくる。実力があっても無名の俳優が大役にキャスティングされるケースは多くはない。話をしてくれた俳優は、「腰を落ち着けてミュージカル俳優としていろいろな経験をしたい」と四季への入団を決意したという。

 能力も志も高い俳優が揃う四季は激戦には違いないが、オーディション形式をとることが多い分、チャンスも豊富。ちなみにトップクラスの給与は年収2千万円程度というから、スターでなくても経済的に成功することは十分可能だ。

劇団四季の給与体系

在籍基本契約金(1年ごとに契約)

出演に伴うギャラ
【ステージ単価(各個人の能力によって異なる)×出演回数】

の12割+の金額が月ごとに給与として支払われる。
最低給与額は、一般的な社会人新人給与に相当(ステージ出演した場合)。最高レベルでは、年収1千~2千万円程度。
※「作品契約」や「期間契約」では、出演に伴うギャラのみ。

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