企業の人事部に聞く就活のススメ~面接編[学生よ、武器を持て]

2015.11.10

社会

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就職活動における最大の難関「面接」。企業側は学生の何を見ているのか、数千人の学生たちの面接に関わる大手商社の人事担当者に、”欲しい人材”を聞いた。

三菱商事 人事部 S氏(仮)

入社21年目。採用チームの責任者として、企画から現場までを取り仕切る。温和だが鋭い目つきが厳しい一面をのぞかせる。

――面接していてつまらない学生はどんな人でしょうか?

経験値が低い学生です。今までで一番頑張ったことを質問したら「就活」と答えられるのはちょっと……。就活自体が目的になってしまっている学生にはあまり魅力を感じません。

――選考のときから業務の向き不向きを見ていますか?

「営業めちゃめちゃうまそう」とか「発展途上国での支援が向いてそう」など選考段階から意識して見ています。そのため、偏差値が高くてもつかみどころがない人よりは、キャラ立ちしている人の方が魅力的に映りますね。弊社もいろいろな事業を手掛けているので、いろいろな個性、強みを持った人を集めたいのです。

――キャラ立ちしている人とは?

そつなく平均点を取る人より、一点集中型の人の方が面白い。何か一つに集中し、できれば結果も出せており、かつバランス感覚がある人は魅力的ですね。

――話し方も重要ですか?

経験がすごくてもプレゼンテーションがあまり良くない人は悩みます。私たちもできるだけ引き出せるように頑張りますが。また、少しかじった程度のことをライフワークと謳ったりしてやり過ぎると、かえって悪印象。しつこく深堀りするので、そのようなことはすぐバレてしまいます。

――採用したくなる学生とは?

いろいろな人材タイプを揃えたいのですが、中でも安定感のある、芯の太い人は採用したくなります。商社は不確実性の中で生きているので。今ある仕事がいつなくなるかわからないので、仕事は常に作っていかないといけません。特に発展途上国では、国の状況が変わると契約もガラッと変わってしまいますので、タフさが必要。いちいち心配している人よりは、ドシッと構えられる人がいいですね。

――芯が強くなるためには何をすればいいのでしょうか?

学生時代には苦労を買ってでもしてほしい。そのため選考も成功談より失敗談をよく聞きますね。どのように乗り越えたか、そのときどこまで深く物事を考えたか。人は非常事態に本気になるじゃないですか。本気を出したときの姿を見たいんですよ。

芯の強さは人間関係で作れると思います。あまり普段の友達にはいないタイプと付き合うなど、臆さずに”快適空間”から抜け出すことが大切です。