戦後70談話は何のために?

2015.8.15

政治

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 安倍首相は8月14日、戦後70年の談話を閣議決定し、記者会見で読み上げました。

 1995年の村山談話、2005年の小泉談話など、過去の談話でキーワードとなっていた「植民地支配」「侵略」「おわび」「反省」の文言をすべて盛り込み、歴代内閣の立場を継承。さらに安倍首相は、「あの戦争に何ら関わりのない子や孫、その先の世代に、謝罪を続ける宿命を背負わせてはならない」と未来志向の内容にしました。

 内容については以前から、公明党の山口那津男代表は「お詫びの心があることが伝わるような誠意ある表現を使うべきだ」と発言する一方、自民党保守派からは「未来永劫謝罪を続けるのは違う」という声もあり、意見が割れていました。

ニュースが”わかる”尊徳編集長の解説

Qそもそも談話は何のために出しているのですか。

A総理大臣の思いを示すため。

 談話に法的な拘束力はないし、閣議決定をしなければ、単なる総理の私的な発言にすぎない。しかも、閣議決定をしても国会で承認されたわけじゃないから、強制力を持つものでもない。10年ごとの節目に出しているけど、時の内閣が出したくなければ、出さなくてもいいものだよ。

 しかし、一国の総理大臣が発言するのだから、それなりに国家としてのメッセージになるし、その後の内閣の申し送り事項になる(暗黙の了解)。

[参考:「戦後70年談話決定 首相「反省・おわび」言及」(日経新聞朝刊1面 2015年朝刊8月15日)]

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