アサヒビール大山崎山荘美術館 開館20周年記念の取り組み~地域の文化力向上と美術の発展を願う

2016.1.12

企業

0コメント

故山本爲三郎コレクションなど
約1000点からなる美術館

豊かな自然に包まれた歴史と文化の町、京都・大山崎――。実業家である加賀正太郎氏が、大正から昭和初期にかけて建築した美しい山荘は、加賀氏の死後、京都府や大山崎町から要請を受けたアサヒビール株式会社によって、1996年、「アサヒビール大山崎山荘美術館」として開館。印象派のクロード・モネの傑作「睡蓮」の連作や、アサヒビール初代社長・山本爲三郎氏によるコレクションよりバーナード・リーチらの作品など、国内外の貴重な美術品を収蔵している。

»動画で見る「アサヒビール大山崎山荘美術館」

開館20周年記念展

これまでも、地域のさらなる文化力向上や、美術の魅力を伝える普及活動にも取り組んできた。そして開館20周年を迎えるにあたり、2015年12月から2017年3月まで、5つの記念展を企画。

[プレ企画]山本爲三郎没後50年 三國荘展

山本爲三郎の没後50周年を記念し、山本が支えた民藝運動と深いかかわりを持つ「三國荘」の全貌に迫る展覧会。「三國荘」とは、民藝運動の人々が出品した博覧会のパビリオン「民藝館」を山本が買い取って大阪・三国の自邸に移築した建造物。山本家の生活の場となり、初期民藝運動の拠点ともなった「三國荘」の再現を展示室内で試み、その歴史的・美的価値を再考する。

【開催期間】2015年12月22日~2016年3月13日

三國荘大阪府三国の山本邸内にあった「三國荘」の外観。

[第1弾]終わりなき創造の旅 絵画の名品より

作家たちの創造の源になった”旅”に焦点をあて、絵画を中心に美術館珠玉の名品を紹介する展覧会。フィンセント・ファン・ゴッホやパブロ・ピカソの貴重な初期作品や、クロード・モネ、アメデオ・モディリアーニなど、巨匠たちの名作を一同に展示。また、民藝運動に参加した陶芸家バーナード・リーチの絵画作品や、朝鮮古陶磁研究者・浅川伯教と思想家・柳宗悦が蒐集した工芸品と”旅”とのつながりにも迫る。

【開催期間】2016年3月19日~2016年6月5日

[第2弾]未来も新しくまた過去も新しい 工芸の名品より

「未来も新しくまた過去も新しい」と、過去の品々に宿る美を説いた思想家・柳宗悦。彼の提唱した民藝運動を支援したアサヒビール初代社長・山本爲三郎が、新しい時代の美を求めるなかで着目、蒐集していった工芸品を展示。中近東をはじめとする世界の古陶磁に加え、河井寬次郎、濱田庄司、棟方志功、芹沢銈介ら民藝運動の作家たちによる代表作は見応え十分だ。

【開催期間】2016年6月11日~2016年9月4日

スペイン ラスター彩鉢緻密に描かれた模様が美しい『スペイン ラスター彩鉢』(18世紀、同館蔵)。

[第3弾]クロード・モネ―うつくしいくらし、あたらしい目(仮)

美術館のコレクションの要であるクロード・モネ『睡蓮』を含む全8作品のほか、国内美術館に収蔵されるモネの絵画を加えた約20点を展示する豪華な記念展。絵画の新しい時代を切り拓くと同時に、晩年には庭を造り、食を楽しみ、美しいくらしを追い求めたモネの画業を振り返る。地中館と山手館という2つの展示室を使った空間の演出も見逃せない。

【開催期間】2016年9月17日~2016年12月11日

[第4弾]ロベール・クートラス 僕は小さな黄金の手を探す

「現代のユトリロ」と評されたフランス・パリ生まれの画家ロベール・クートラス。今回、関西初となる本格的な回顧展を実施。彼の作品は一部の美術愛好家から熱狂的に支持されていたが、これまで広く知られることがなかった。しかし近年は、いくつかの美術館で回顧展が開かれ、その一見ユーモラスななかに静かな悲しみを湛えた作品は、大きな反響を呼んでいる。

【開催期間】2016年12月17日~2017年3月12日

»アサヒビール大山崎山荘美術館の公式HPはコチラ