政治

選挙に行かない君たちへ~投票率が上がるほど政治は良くなる

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自民党の若手議員が中心となって結成した「若者の政治参加検討チーム」の会合に参加した岸明日香ことあすぽんは、改めて若者の投票率の低さを認識。「将来に不安を感じた」ということで、尊徳編集長とどうすれば若者が投票に行くようになるか、政治に参加するようになるかを考えました。

岸明日香プロフィール

 グラビアアイドル

岸 明日香 きし あすか

1991年4月11日生まれ。大阪府出身。B型。サイズ:T158・B90(G)・W58・H88。趣味は、スポーツ観戦、一眼レフカメラ。特技は書道、歌、えびぞり。政治・経済を語れるグラビアアイドル目指して勉強中。

Twitter:@asupons02

ブログ:https://ameblo.jp/asuka-kishi/

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株式会社損得舎 代表取締役社長/「政経電論」編集長

佐藤尊徳 さとう そんとく

1967年11月26日生まれ。神奈川県出身。明治大学商学部卒。1991年、経済界入社。創業者・佐藤正忠氏の随行秘書を務め、人脈の作り方を学びネットワークを広げる。雑誌「経済界」の編集長も務める。2013年、22年間勤めた経済界を退職し、株式会社損得舎を設立、電子雑誌「政経電論」を立ち上げ、現在に至る。著書に『やりぬく思考法 日本を変える情熱リーダー9人の”信念の貫き方”』(双葉社)。

Twitter:@SonsonSugar

ブログ:https://seikeidenron.jp/blog/sontokublog/

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選挙に対するプライオリティが低い

尊徳 日本は20代の投票率32.58%(2014年12月衆議院選)だって。この現状をどう思う?

 私も10代の頃は将来選挙に行くこととか考えたこともなくて、それこそ自分の一票なんて大して影響しないだろうと思って、大人になても投票には行かないと思っていました。

尊徳 明日香くんも参加した「若者の政治参加検討チーム」で取り上げられたアンケート結果では、投票に行かない理由として「仕事が忙しい」とか、選挙よりプライオリティが高いものがたくさんあるということだったよね。

あと、明日香くんと同じように、「自分一人が投票しなくても選挙の結果に影響がないから」というのもあった。確かに一票は何千分の1だったり、選挙区によっては何万分の1だったりするかもしれないけど、その一票がなかったらゼロ。

一人ではたった一票でも、集まったら何かが変わる。例えば2009年に民主党が政権をとったときは、みんなが「自民党じゃダメだ!」というのでワッと票が集まって政権交代したよね。

あすぽん・岸明日香
3月13日「若者の政治参加検討チーム」会合第1回にて。「(政治は)知れば知るほど、政治は私たちの生活に大きな影響を与えるものだと感じています」(岸)

 そのときは7割近くの人が投票したんですよね。でも今はとても低くなってしまいました。

若い人たちが選挙に参加するには、ネット投票の導入もそうですけど、SNSでの情報発信やアプリでの投票もできたりしたら投票率が上がると思います。若い人たちは何でもスマホでやっているので。

尊徳 ネット投票は若者の政治参加のためにはすごく重要なことだけど、いまだに”ネット選挙”までしかできない。それも2013年の公職選挙法改正までできなかったからね。

日本は法律にかかわることは動きがとても遅くて、ネット選挙も90年代から議論されてきたのに、法制化には数十年もかかった。投票するためには、どの候補者がどんな考えを持っているかを知らないといけないのにおかしな話だ。

あすぽん・岸明日香

中高で政治の授業が無い理由

 あと、中学や高校の授業で、理科とか社会とかと同じように、「政治」っていう授業があったら、もっと関心持てたのかなと思います。

実際にこうやって尊徳さんに教えてもらって、政治ってすごく面白いなって思えるようになりました。理科の授業が今どれだけ役に立っているかと言われるとピンと来ないし、「政治」の授業を受けてみたかったです。

尊徳 学校教育に関して文科省は基本的に政治的中立を謳っていて、何の知識もない子どもたちに「自民党がいい」とか「共産党がいい」とかそういう偏ったことを教えてはいけないと言っている。だから政治は教えるのがすごく難しい。

なぜかというと、教える側の思想が入るから。教師側は政治を教えるなかで面倒なことが起こると嫌だなと思っていて、結果として「教えなくてもいいや」となる。だから教育に政治が取り入れられない。

 教師の人たちも大変ですね。

尊徳 でも、文科省は政治の知識とか投票の大切さを教えていけないとは言っていないんだけどな。日本の教育は1対40で教師側から一方的に教えることが多くて、授業を”受けさせる”という感じ。

それに対して欧米はディベートをする。だから政治に限らず、子どもの頃からそれぞれがいろんな考え方を持っていて、いろんな意見がぶつかり合う個性がある。

世界的にも日本は、誰かに自分の意見をぶつけて議論するということをしない民族だと言われている。そういうことも、政治に参加しない=投票しないことに影響しているのかなと思う。

 学生の頃からそういう感じだと、大人になってからもきっと政治への意識は低いままでしょうね……。

あすぽん・尊徳

若者不在の政治の弊害

尊徳 今は国政選挙でも約半分の人が選挙に行かないけど、明日香くんは、投票率が低い、つまり選挙に行く人が少ないとどんな良くないことが起こると思う?

 正直、何か問題あるの?って思います。だからみんな行かないのだと思いますし。

尊徳 そうなんだろうね。だけど、若いうちから考えたり政治に参加する意義を持っていなければ、将来、ホントに国が傾いてすごく大変になったときに、どうしていいかわからない人がたくさん出てくることになる。みんなが日頃から考えていれば、そうなる前に日本が変わるきっかけをつかめるはず。

今の政治も悪政ではないけども、10年後20年後をホントに真剣に考える政治ではなくなっちゃってる。少子高齢化は一番大きな問題なのに、高齢の政治家にとっては二の次になっているのは感じるな。

 将来を想像するのって難しいです。きっとみんな「どうにかなる」って思ってる。政治家の人たちはちゃんと考えてるんじゃないんですか?

尊徳 政治家は選挙に勝たなければならないから、投票してくれる人のために政治を行うもの。だから、必ず選挙に行く農業団体や高齢者など一部の人たちのメリットが優先される。

でも、もし投票率が100%になったら、すべての人たちのために、「全体最適は何だろう?」ともっと真剣に考えるようになると思うんだよね。つまり、投票率が上がらないと政治は変わらないということ。

僕はね、同じ政党が権力を持ち続けるとどうしても淀んで腐敗が起きてくると思うわけ。だから、政権は異なる政党の間を行ったり来たりするべきだと思ってる。

投票率全世代ワースト1の20代を動かす

 私はこうやって尊徳さんに話を聞けるからいいのですが、ほかの10代・20代の人たちには、もっと知る機会や話を聞ける機会が必要だなと思います。

若い人たちの中には、「選挙って今日なの?」という感覚の人たちもたくさんいます。だから選挙前とか、例えばワークショップのような、知る機会を設けることはその人たちが行動するきっかけにもなるんじゃないでしょうか。

尊徳 今の日本にはそういう人たちもいるだろうね。選挙のニュースや世論調査を耳にしたり、街頭演説や街宣車を見かけたりしているはずなのに、関心が無いからスルーしちゃってるんだ。

 私は親がちゃんと選挙に行っていたことが、大人になっても選挙を意識できている要因のように思います。でも、興味が無い人って”きっかけ”にすらたどり着かないんですよね……。

尊徳 オーストラリアとかは義務化されてるし、行かないと罰金だから投票率9割を超えているよね。

 日本では義務化できないんですか?

尊徳 やろうと思ったらできるかもしれないけど、憲法で自由を認めている国としては、義務化は反発されるかもしれないな。でも、自分たちの国のことを決めるんだから、選挙の日くらいどうにかしろよとは思う。

あすぽん・尊徳

 そうしないと若い人たちの重い腰は上がらないと思います。みんな面倒くさがりだから。

尊徳 義務化してでも投票率を上げたほうがいいと思う?

 考えるきっかけになりますし。低投票率をずっと問題視するよりはしちゃったほうがいいですよ。

尊徳 僕もそのくらいやってもいいと思う。納税の義務だってあるんだし。

ネット投票について総務省は不正の可能性についてどうとか言っていたけど、明日香くんはどう思う?

 そういう問題があるんだとしたら、当選した人も何かと理由をつけて叩かれたりしそうです。でも若い人たちの関心はネットに一番向けられていますからね。問題はあるかもしれないけどやってみてもいいと思います。

尊徳 なりすましについては対応を考えなければいけないけど、サイバーセキュリティーを破ってくる攻撃に対してはある程度は仕方ない。完ぺきになんてできないから。紙でやってる今だって不正が無いわけじゃないし。

それに、何のためのマイナンバーをやったのかってこともある。やらないための屁理屈はこねないでほしいね。

あすぽん・尊徳

国民が考え、投票するほど国は良くなる

 実際にネット投票ができるようになって若い人たちが参加したら、どこに投票しますかね? やっぱり名前や顔を知っている有名な人とかですかね。

尊徳 投票するまでにどうやって情報を得るか、だな。

 それまで興味の無かった人たちがどうやって情報にたどり着くかという問題がありますが、みんなスマホは見てるので、SNSやYouTubeに広告がたくさん並んでいたり、テレビのCMを全部選挙にしたらいいと思います(笑)。視界に入るだけでもだいぶ違うはずです。

尊徳 もともと持ってる情報が少ないから、ホントちょっと目に入ったものに影響されるだろうね。正直、浮動票がどさっと入っても、それまでと同じような比率で投票されると思うよ。選挙に行かない人たちは変化を望んでいない人たちだからね。

でも、そのうち政党が選挙に勝つために、真剣にその人たちに訴求し始める。SNSをもっと活用したり、討論会を開いたり、自ら学校に行って話をしたり。

そしたらいろんなことを知って、「あれっておかしいな」と自分で考えるようになる。その変化が一番国を良くするはずなんだ。

 まず知ることですね。私も、そこからすべてが始まる気がします。