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【18歳選挙権引き下げ】若い世代の声をどう拾う? 自民党の若手議員を直撃 自民党・1期生 鈴木隼人衆議院議員

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2016年夏の参議院選は、選挙権が18歳以上に引き下げられて初めての選挙。だが、若いほど投票率が低くなる現状を考えると、10代の投票率が高くなるとは思えない。そんななかで、政治家は若い世代の声をどう拾い上げるのだろうか。政治は投票する高齢者のためだけにあるのか? 感覚が近い(だろう)自民党の1期生、鈴木隼人議員に聞いた。

 衆議院議員

鈴木隼人 すずき はやと

977年8月8日生まれ。東京大学卒、東京大学大学院修了。2002年、経済産業省入省。2014年、経済産業省を退職し、衆議院議員選挙に初当選(比例東京ブロック)。「認知症予防の会」代表、「育menサミット」代表。

若い世代は、シャープで、クリアで、ピュアで、重要な視点を持っている

政治家は、自分のビジョンやスタンス、バックグラウンドなどによって、市井のどんな意見をくみ上げるのかに違いが出てきます。例えば特定の組織から推されている人は、その組織の声を国会に届けようと考えるでしょう。私自身の政治スタンスとしては、ジェネラルに全体を見て、将来像を見据えた上で、日本がどうあるべきなのかを俯瞰的に考えたいと思っています。

夏の参院選から18歳、19歳の方たちが選挙に加わりますが、その意見は、すべての政治家が拾うべきものです。それができないようだと政治家としての責任を果たし切れていないということになる。

ただ、人口が減少し、産業構造も大きく変化していくなかで、これまでのやり方に慣れ切ってしまったような人には、新たな課題を乗り切っていくことは難しいかもしれません。そういった意味では、私たちのような若手が、将来を担う世代が不安なく暮らせるような政策を考えていかなければならないと感じます。

私自身、高校生・大学生と、日本の将来について議論をする場に参加することが少なくありません。そこで思うのは、彼らの視点はシャープで、クリアで、ピュアで、重要な視点を持っているということ。社会経験をある程度積んできた38歳の私でも、「おっ」と思うような視点を示してくれます。

だから彼らの意見を日常的に聞いていくことはとても大事なことで、それを自分なりに咀嚼して、次世代のために必要なことを考えて政策に反映していくということは重要なことだと思います。

議会では”重み”のある発言が採用される

今、自民党衆議院議員の1期生は15人しかいません。2期生は百人以上いますし、そのほかの期も30、40人いるのが普通だといわれているので、とても少ない人数です。

在職年数にかかわらず、どの議員の発言も公平に取り上げてもらえますが、経験を積んでいるベテラン議員の発言にはやはり”重み”を感じます。たくさんの有権者の声を吸収して、落とし込んで、自分の言葉として話している。それに経験的な蓄積がある。

例えば何かの政策について議論するとして、その政策にはそれまでに議論されてきた経緯がありますよね。そのとき、ベテラン議員は歴史を踏まえた発言ができるのが強い。それらは一朝一夕でできるものではないと感じます。

でも、蓄積が違うからといって、今の社会が抱える問題について意見を発して潰されるということはありません。若手なりに、しっかり勉強した上で重みのある発言をすれば、ちゃんと取り入れられます。

被選挙権は年齢ではなく人物が大事

国会議員は、いろんな立場の人たちの意見を聞いて、咀嚼して、吟味して、自分の声として国会の場で討論して政策を練り上げていかなければなりません。それを実務経験無くしてやるのはなかなか難しい。社会の流れを理解したり、実務をやっている人の苦労がどんなものか身をもって経験できたりするので、社会経験はあったほうがいいと思います。

人間、自分なりのフィルターを持っていて、そのフィルターを通して物事を考えたり判断したりしていると思うんです。それは自分の経験から形作られているもの。でも、その”経験”なくしてしっかりとしたフィルターを持つことができるかどうか。

早くから働いている方もいらっしゃいますし、経験を一概に年齢で言えるものではありませんが、政治家として重い責任を持っていて、社会をどう形作っていくかを考える立場において、「失敗しちゃった」では済まされません。

中曽根康弘元総理が「政治家は歴史の法廷に立つ」とおっしゃっているように、その時点で”絶対に正しい政策”を求めるのは難しいところもありますが、勉強不足や経験不足による判断ミスなどの”凡ミス”はあってはいけない。政治家たるもの、自らを厳しく律するべきであって、勉強もすべき。

被選挙権もその延長上で考えるものですね。理想を言えば、年齢ではなくて、その人に能力があるかどうか、人物本位で選ぶべきでしょう。

希望と誇りを次世代につないでいきたい

“希望と誇りを次世代につないでいく”というのが私のビジョンです。政策も、そこにつながっていくようなものを進めていきたいと考えています。

特に力を入れていきたいのは、経済と外交の分野。その中でも女性やシニアの活躍です。これまで経済活動を行っていなかった人たちにもっと経済活動を行ってもらえば、人口減少による日本の潜在成長率の低下を食い止めることができるので。

ほかには成長産業を育成したり、イノベーションを促進したり、経済成長の要素として重要な政策に力を入れていきたいですね。