経済

自己資本に国債を持つ金融機関のリスク

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尊徳編集長の解説でニュースが”わかる”!
Q.リーマン危機とは何だったのでしょうか?
A.ん?この記事とリーマン危機、そんなに関係ないと思うけど。リーマン危機とは、リーマン・ブラザーズが経営破綻したことから、全世界的に金融危機に陥ったことですよ。
▽詳細は『政経電論』の記事「俺にも言わせろ」をお読み下さい。
『2014年は株価が下落する!』

 リーマンの解説とこの記事は少し離れているので、銀行の自己資本比率規制の話をした方がいいと思います。
 貸し出しを行う銀行にはBIS規制(国際基準)によって、リスク資産に対してどれくらいの自己資本があるか、ということです。
 例えば、不良債権と判定されたら、全額リスク資産として計上しなければなりません。それぞれのリスクに応じて(優良であればあるほど、計上する額は小さくなります)、金融機関は自己資本を積まなければなりません。不良債権が増えても、自己資本で穴埋めすることができるからです。総リスク資産に対して、国際業務を行う銀行は8%の自己資本を積まなければなりません(国内業務だけなら4%)。
 ただ、自己資本の中には価格変動リスク(株式や国債など)があるものもありますから、価格が下落すれば不良債権を減らす(貸し剥がしも含め)か、自己資本を積み上げなければなりません。
 邦銀は国債の比率が高いので、資産を効率的に使えていない、ということも言えますし、規制が強化されたり価格変動が起きたりすれば一気に経営に影響を与えます。
 リーマン危機後に金融機関のあり方が議論され、規制強化の方向に動いています。バーゼル規制と言われますが、いつも欧米主導で、日本は後手に回っている印象です。国際的に日本も主張をしていかないと、いつも不利な条件になっている感じがします。
[参考:「規制作り 日本に苦い教訓」(日経3面2014年5月19日)]

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