新型コロナウイルス感染症を機に私たちの仕事や生活のあり方は大きく変わった。在宅ワークや外出自粛のために“おうち時間”は増え、家に求めるものも2年前とはまるで違ってきている。“今”のニーズを反映しながら、コロナ禍が収束した後も末永く愛される住宅を――。そんなコンセプトで生まれた三井ホームの注文住宅「Lascene(ラセーヌ)」は、同社が培ってきた伝統美と新しいライフスタイルを調和させたニュークラシックともいうべき住まいを提案している。
半戸外空間やワークスタジオで最新ニーズに応える
三井ホームが新たに提案する戸建住宅「Lascene(ラセーヌ)」は、コロナ禍以降のニューノーマルな暮らしを見据えた新機能を多く盛り込んだ。代表的なのは、自宅にいながらにしてアウトドア気分やリゾート感覚が味わえる2層吹き抜けの半戸外空間「ダイナミックラナイ」、在宅ワーク中のオンライン会議などに適した「ワークスタジオ」、玄関近くで手洗い・うがいや衣類の除湿・殺菌ができる「クリーンクローク」などだ。
三井ホームが首都圏に暮らす30代~50代の男女を対象に実施したアンケート調査(2020年11月)によれば、フルタイム勤務者の54%が週1日以上のリモートワークを実施しており、いわゆるアフターコロナの時代にも50%がリモートワークを継続する意向だと答えている。
また、コロナ禍で浸透した生活習慣のうち、家族みんなで食事をとること、洗濯物を外干しすること、バスタイムを充実させること、手洗い・うがいや手指の消毒などは、アフターコロナ時代にも続けたいと考える人が多いことがわかった。
三井ホームの山下将司さんは、家庭菜園や庭などにも、これまで以上のニーズの高まりを感じたという。
「コロナ禍以降、いわゆる“密”にならない外出先として公園や自然の中が選ばれやすくなり、その良さを実感した人が多いようです。また、外出自粛の息苦しさを軽減する意味でも、自宅にいながらにして“外”を感じたい、プライベートな戸外空間でリラックスしたいという想いを具現化しました。」(山下さん・以下同)
屋内とボーダレスにつながる2層吹き抜けのラナイ
こうしたニーズを受けて設計されたのが、グレートルーム(リビング、ダイニング、キッチンがひと続きになった大空間)とつながる半戸外空間「ダイナミックラナイ」だ。2層吹き抜けで屋根軒裏までの高さが約5.6メートルの半戸外空間「ラナイ」は開放感にあふれ、高級リゾートのような佇まい。ソファやカウチを置いて、家族や友人と寛ぎながらバーベキューを楽しんだり、一人静かに読書にふけったりできる“アウトドアリビング”だ。
屋内とは段差なくつながり、屋根軒裏には屋内の2階天井の一部と同素材を用いて連続性を持たせている。また、屋内でも明るい陽光が降り注ぐ階段周りに植物を配置する「バイオフィリックデザイン」を採用した。ラナイ側にも同種の植物を配することで、さらに内と外の連続性が高まる仕掛けだ。
「コロナ禍以降の暮らしでは、外のものがどんどん内へ入ってきているのを感じます。例えば、『おうちキャンプ』を楽しむ人、屋内で観葉植物やハーブを育てる人も急増していますよね。このダイナミックラナイは、“外っぽさ”を家の中に取り込むという建築的提案です。モデルハウスではバーベキューグリルを設置しましたが、ご要望や立地条件によってはピザ釜や薪かまどなどを置いて、ご家族や親しい方と本格的な料理を楽しんだり、食を通して素晴らしい時間を過ごしていただけます」
ストレスなく在宅ワークやオンライン学習ができる環境に
在宅ワークに向けて、快適に仕事ができる空間を家の中に複数用意したのも、「ラセーヌ」の特徴だ。玄関と直結する「ワークスタジオ」は、プライベートゾーンから離れた配置で、オンライン会議や人を招いての商談などに向く。
「玄関側と屋内側の2方向に出入口があり、玄関からは直接、靴を履いたまま入ることができ、屋内側の出 入口には靴を脱ぎ履きできるスペースがあります。生活空間から切り離された位置にあり、オンオフのメリハリがつけやすい設計です。“自宅で出勤する”感覚で活用していただけたらと思います」
天井高3メートルのグレートルームの一角には、大きく開口した3段窓「ゲートウィンドウ」に向かって仕事ができる「ワークカウンター」を設置。間仕切り壁や観葉植物、床素材の違いなどによって、家族がくつろぐリビングスペースと空間を分け、仕事に集中できるようにした。
グレートルームでは、家具の配置も在宅ワークを見越した新スタイルに。テレビの前にローテーブルとソファを置くのではなく、ワーク兼用のダイニングテーブルを設置。大きなテーブルにパソコンや書類を広げて仕事をすることができ、大画面を使って子どもがオンライン授業を受けるといった使い方にも適している。大画面付のダイニングとしても使え、遠く離れた祖父母とのオンライン帰省にも役立つ。また、天井照明に調光機能があり、食事や団らんのひとときには電球色、仕事をする間は蛍光色といった色温度をコントロールする照らし方ができる。
「パンデミック下では、家族みんなが家にいる環境で在宅ワークをする日も多い。家族がお互いにストレスを抱えずに働けることが大切です。アンケートでは、男性は個室で働きたいという人が多く、女性は生活空間のそばで働きたいという人が多いとわかりました。性別というより、家事や育児の分担量などによって個室派とオープンスペース派に分かれるのだろうと思います。そのニーズを満たせるよう、スタジオ、カウンター、テーブルと性格の異なるワークスペースを用意しました」
新しさと伝統美が違和感なく共存するデザイン
「ラセーヌ」の意匠・設計を貫くのは「NEW CLASSIC(ニュークラシック)」という考え方だ。この言葉は、先端技術に裏打ちされた現代のデザイントレンドと、歴史に裏付けされた、古くから伝わるクラシックデザインを高度に組み合わせることを意味している。
「古い洋館をリニューアルしたかのようなタイムレスなデザインを意識しました。古くからあって今もあるもの、歴史の波に洗われながら残ってきたものは、今後も愛され続けるはず。時が経つほど味わいを増してより美しくなる“経年優化”の住宅を目指します。それでいて、随所に新機能や先進的なデザインを融合し、今この時代に心地良く暮らせる住宅を提供します」
例えば、一つの空間に異なる素材を混在させ、協調させるのは、最近の内装トレンドのひとつ。「ラセーヌ」では、スギ、ヒノキ、オーク、黒皮鉄、真鍮、ガラスなどの“異素材ミックス”でハイセンスな空間を実現している。
また、昔は技術上の制約で窓は小割りにせざるを得なかったが、近年ではサッシの強度や断熱技術も向上し、大開口がトレンドになってきた。この流行を踏まえ、「ラセーヌ」では1階2階にまたがる3段窓をはじめ、開口を大きく取った。大開口部の窓枠は、モールディングを無くしごくシンプルなデザインにすることで、窓まわりをすっきりと見せる。
一方で、床や壁には伝統的な意匠を採用した。床の張り方は、床材の端を斜めにカットし、その端面を突き合わせて組むフレンチヘリンボーン。ヴェルサイユ宮殿でも施された格調高い寄木張りのデザインを、抗ウイルス機能を持つ新技術の床材で表現した。壁にはモールディング(縁取りの装飾)を施し、キッチン面材にも框(かまち)を設けた。ワークカウンター横の重厚な間仕切り壁はイタリアンスタッコ(イタリア発祥の漆喰磨き工法)で仕上げている。
外観も、排水性に優れる急勾配の切妻屋根や、レンガ積みを思わせる玄関のタイルデザインなどがクラシカルな印象。また、屋根に設けられたチムニー(煙突)も目を引く。
「チムニーがあると、『あの煙突のある家』と覚えていただきやすいですよね。この住宅が周辺のランドマークとなり、オーナー様にご満足いただけることを目指しています。さらには、この住宅が建つことで景観が良くなった、街が豊かになったと皆様に感じていただけることを願っています」