社会

弾道ミサイル追加配備…ロシアの追い詰められ感が激しい

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 ロシアのプーチン大統領は、6月16日にモスクワ郊外で開かれた軍事関連のフォーラムで講演し、2015年中に40を超える大陸間弾道ミサイル(ICBM)を追加配備する方針を明らかにしました。

 配備されるICBMは、プーチン氏いわく「最も技術的に完璧なミサイル防衛システムを克服する能力」を持つといいます。これは、アメリカが進めるヨーロッパでのミサイル防衛計画の無力化を指し、核戦力の増強を通して米国を軍事的にけん制するのが狙い

 プーチン氏は14年のウクライナ危機以降、欧米に対抗する姿勢を強めています。今回のプーチン大統領発言は、6月15日に米国防総省が東欧やバルト3国に戦車や銃火器の配備を検討していることを明らかにしたことも背景にあるとみられ、北大西洋条約機構(NATO)の結びつきが強固になることへの懸念もうかがえます。

ニュースが”わかる”尊徳編集長の解説

Q追加配備は核不拡散条約(NPT)違反ではないのですか?

A違うよ。大陸間弾道ミサイルは核弾頭を積んでなければ核兵器じゃないし(積んでないことなんかありえないと思うけど)。

 NPTはアメリカ、ロシア、中国、フランス、イギリス以外の国が核兵器を持たないという不平等条約。だから、ロシアが今持っている核弾頭を積むぶんには何の問題もないんじゃない? 道義的な問題はあるけどね

 だいたい、”5ヵ国は品行方正だから核兵器を持ってもいいけど、これから開発する国は持ってはいけない”というNPTの論理なんて、持っているもののエゴ以外のなにものでもない。私は全世界で核兵器など廃棄しろ!と主張する。軍拡競争をして抑止力になることなどありえない。軍事力を強化し続ける世界にアホかと言いたい。


Qロシアは時代に逆行している感じが否めないのですが、そこまで追い詰められているのでしょうか?

Aそうだと思う。

 中国もそうだけど、結局、軍事力を誇示しないと威厳を保てないのかね。NATOの広がりはロシアにとって脅威なのだろうから、それに対する牽制もある。でも、そんなことしても尊敬されない。

 何で為政者たちは、軍事力を誇示したがるんだろう……。
(佐藤尊徳)

[参考:「ロシア、核戦力を橋架 ICBM追加配備 大統領が表明」(日経新聞朝刊6面 2015年6月17日)]

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