中国の株安が海外市場に連鎖しつつあります。
7月8日は上海株式市場の株価指数である上海総合指数が一時8%急落。前日比5.9%安と大幅続落し、全上場銘柄のおよそ半分が企業側の申し出で売買停止したほか、株価対策を矢継ぎ早に打ち出している中国政府も、企業の大株主や経営陣に売却を向こう6ヵ月禁じるなどの異常事態となりました。
これを受け東京市場でも日経平均株価が638円安と2015年最大の下げを記録したほか、アジアの株式市場は全面安。世界経済の先行きに暗い影が落ちつつあります。
ニュースが”わかる”尊徳編集長の解説
Q中国株が下落し続けていることに対して中国政府が緊急措置として株を”売買停止”しても良いのでしょうか?この制度があるのは中国のみですか?
Aいいわけない。やはりあの国は資本主義国家じゃないな。
サーキットブレーカー制度(先物取引の取引停止措置)など、急激な値動きのときに、一時的に売買停止などの処置はあるけど、企業側の都合で売買停止などあり得ない。それが株式を公開している企業というもの。中国も売買停止には一応理由をつけているようだけど、所詮は屁理屈。
諸外国も一定程度の下落幅でストップ安やストップ高などの措置がある。週末に政府のなりふり構わぬ株価対策で、一時的に上昇したけど、人為的に作られた相場など、”開かれた市場”とは言わない。そのうちバブルは弾ける。
Q円安効果を謳う報道が多かった2015年上半期でしたが、今回の影響を受けて流れが変わってしまうことはありますか?
A急激には変わらないと思う。
一時期の円高に比べれば、まだ円安局面だと思うし、しばらくは乱高下を繰り返すだろうけど、まだ大丈夫だと思う。それよりも、アメリカが金融引き締めに移ったときに、マネーの逆流(元の投資先から資金を引き上げてドルに変えること)が起こると思ってる。
[参考:「中国株安 アジア巻き込む 一時8%安 株価対策効かず」(日経新聞朝刊1面 2015年7月9日)]
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