東京都世田谷区は、同性カップルを対象にした「宣誓書」の受付制度を導入する方針を決めました。区が作る独自の誓約書を同性カップルが提出すると、その写しを交付したうえで、区長名の受領書を渡します。
LGBT関連の動きとしては、3月に渋谷区で「同性パートナーシップ条例」が成立しており、世田谷区はこれに続いたかたち。渋谷区との大きな違いは条例の有無で、世田谷区の場合は条例を制定せず、区内の不動産業者や医療機関などに取り組みの趣旨を理解してもらうよう協力要請を行なう予定です。
性的少数者LGBTが生活しやすい環境づくりを後押しする世田谷区の制度は、2015年11月にも始まる予定。
ニュースが”わかる”尊徳編集長の解説
Q今後、この動きが広がっていくとしたら、渋谷区と世田谷区、どちらのやり方が多く採用されていくのでしょうか。
Aどちらが多いかの前に、残念なことに、政治は社会的マイノリティーには冷たい。票にならないものには、積極的に動かないよね。
どちらが広がりやすいかといえば、条例や法律が制定されなない「制度」は、事業者にとっては任意だから、広がるのは難しいんじゃないかな? 保守的な考えの人もいるし。
一方、渋谷区の条例を違憲だ、という人もいるけど、そうは思わない。そもそも、日本国憲法は明確に”男女”の合意で婚姻関係を結び~、とはなっていないから。両性の合意、となっているので、同性であってはならない、とはならないでしょ。まだ最高裁の判例も出ていないから。
同性婚を認めないなら、法の下の平等や基本的人権はどうなるのか?という問題も出てくる。ただ、もう少し周辺の法整備は必要だろうね。個人的には法律でも認めてあげればいいのに、と思う。
Qバッシングを受けそうですが、LGBTの社会的公認の動きをビジネスチャンスに転換することはできますか?
Aニッチなところはあると思うけど……。
いろんなことを考える人がいるから、何かのビジネスにはなると思うけど、ニッチな市場でしょ。大きな市場にはならないと思う。
[参考:「同性カップル 世田谷も公認 企業に協力要請へ」(日経新聞朝刊43面 2015年朝刊7月30日)]
[わかるニュース]経済新聞やテレビをはじめとする難しい政治・経済のニュースを、就職活動に役立てたい現役大学3年生のT君が、気になることを尊徳編集長に質問します。
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