今が不幸なのは、過去が不幸だからだと決めつけていないだろうか。著者・佐藤康行氏は、不幸な過去は”財産”で、見方次第ですぐ幸福になれると語る。そのメソッドとは?
佐藤康行 さとう やすゆき
続きを見る『過去は自由に変えられる マジックミラーの法則』
発行:産経新聞出版、著者:佐藤康行
「事実」は変えられないが「真実」は変えられる
「病になる時は病になるがよろしく候 死ぬときは死ぬがよろしく候」とは良寛和尚の言葉である。人から見たら不幸な出来事であっても、そのことを肯定して、感謝し、人に奉仕する心を持てば、幸せな気分になれるというものだ。僕の師匠の佐藤正忠氏が、脳卒中に倒れた後に、たどり着いた結論である。
不幸な身の上を嘆かずに、見方を前向きに変えるのは難しいかも知れない。しかし、不幸を嘆いたところで、何も生まれないし、自分がつらいだけだ。ならば、目の前の出来事を180度違う方向から見てみたら……。過去の「事実」は変えられないけど、「真実」はどのようにでも変えることができる。それが未来につながるのだと、この本は言っている。
著者・佐藤康行氏は過去に脳出血で倒れてから左半身不随になった。医者には治らないと言われ一生の不幸を覚悟したが、本書で提示されている天の視点ともいえる存在「マジックミラーの法則」に気づいた瞬間、生涯幸せになったという。
経験に基づいた、心が裕福になるメソッド
佐藤正忠氏と同じ大病を経験して、さまざまな苦難を乗り越えてきた佐藤康行氏だからこそ語れる、抽象的ではなく、具体的な例に照らし合わせたメソッドだ。
「鬱病や総合失調症など、過去の出来事による心の問題を抱えている人に読んでもらいたい」と著者。経済的な裕福さは必ずしも人を幸福にはしてくれないが、心が裕福になれば、人は必ず幸福になる。幸福とは心で感じるものだから。
(「政経電論」編集長・佐藤尊徳)