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政治

切なくて泣ける、都議選をめぐる小池都知事と都議会自民のラブロマンス

電子雑誌「政経電論」第21号掲載
2017年03月10日
読了時間: 05分00秒

アメリカがトランプ大統領なら、日本は小池百合子都知事の話題で持ちきりだ。百戦錬磨の古だぬきを相手に、「都民ファースト」という正義を貫く元キャスターの姿が"ヒーロー"的に映るのか、直接的には関係のない多くの国民までも味方につけている。7月には都議選が控えるが、このまま"小池新党"の圧勝で終わるのか? 最大会派にもかかわらず、小池都知事との対立を避けたいがために、じり貧に追い込まれている都議会自民の進むべき道を考える。

見えない都議会自民の戦略

さすがに人気なのはわかる。だが考えてみてほしい、もともと小池氏は、所属する自民党の意向を無視して勝手に都知事選に出馬、その自民党と敵対したことがなぜか追い風となり、そのまま都知事になると、今度は豊洲市場移転問題をめぐる騒動のなかで、石原慎太郎元都知事と相対し、百条委員会を設置して84歳になる老人を尋問するという。これらのやり取りに政治家としての戦略はあっても、政策は見えてこない。

小池都知事が支持を得ているのは、立ち回りを勧善懲悪っぽく演出するのがうまいのと、自民党ら周りの演出が恐ろしくヘタだからだ。むしろ追い風を起こしてすらいる。彼女が地味な政策議論に終始せず、パフォーマンスを優先するのは、その先に"国政復帰"、ひいては内閣総理大臣を見ているからにほかならない。

都議選の前哨戦といわれた2月5日の千代田区長選挙は、小池都知事が支援した石川雅己氏(76、5期)が、自民党推薦の与謝野信氏(41)の得票数の3倍以上になる16,371票を獲得して圧勝。まったく相手になっていない。「代理戦争だ」という小池都知事に対して、自民側が「そうではない」と対立を避ける姿は滑稽ですらあった。

事実上、小池都知事が運営する地域政党「都民ファーストの会」は、都議会自民党を離党した議員の内、数人を吸収。民進党を離党した元都議らも公認し、夏(7月2日投開票)の都議選で単独過半数となる64議席を確保すべく、42選挙区のすべてに候補者を擁立することを検討している。このままいくと"小池新党"の圧勝が順当だが、定数127の内57を擁する最大会派・都議会自民党はどうするつもりなのだろうか。

執行部に居座る小池都知事の"敵"

東京都選出のある議員は、「都議選について私は厳しい認識を持っていて、このまま行くと大惨敗する可能性もあります。自民党は小池都知事に言われっぱなしになっていますが、反論があるならちゃんと反論した方がいい。今は嵐が過ぎ去るのを待っているみたいなかたちでどんどん攻め込まれていて、自公も会派も、相手を分断しなきゃいけないのに全部こっちが分断されています」と懸念を示す。

一方、ある都議会議員が地元の新年会で、「われわれは小池さんとケンカをしているわけではない。同じ方向を向いていて、政策も一緒です」と言ったというが、都民の誰ひとりそんなことは思っていない。議員によって現実の認識にだいぶ差があるようで、自民党としての統率感に欠ける。

「必要なのは局面を大転換すること。そのためには、やはり人事一新しないとダメ。今のままの自民党都連が何を言っても都民には伝わりません」(前出議員)

さて、どうしたものか。
小池都知事が攻撃している対象はすごくわかりやすい。それは、彼女を罵倒した人物だ。その対象を全部無くしてしまえば、理論上は攻撃できなくなるはず。

石原ファミリーを外した後は、都連の会長・下村博文、会長代行・菅原一秀、幹事長・高島直樹、総務会長・萩生田光一、都議会の幹事長・高木啓らを更迭し、昔から小池都知事と関係のある執行部を作って、是々非々でやる......。言うのは簡単だが、現執行部にそれを選択する気概はないだろう。

まずは"加齢臭"の元を断たねば

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