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政治
[平将明の“言いたい放題”]

放射性廃棄物の最終処分場問題に解決策を出す

電子雑誌「政経電論」第17号掲載
2016年07月11日
読了時間: 07分00秒

2016年5月、フィンランドのオルキルオトを視察した平議員。世界で初めての高レベル放射性廃棄物最終処分場を造る場所だ。日本は現在、九州電力・川内原発の2基だけが稼働しているが、各地の原発には大量の使用済核燃料が貯蔵されている。目下、処分の行方は決まっていない。オルキルオトにある地下特性調査施設オンカロに、日本における放射性廃棄物処分場の解決策を見る。

平 将明プロフィール平 将明(たいら まさあき) 1967年2月21日生まれ。早稲田大学法学部卒。衆議院議員(4期)自由民主党 選挙区:東京4区(大田区)。サラリーマンを経て家業を継ぎ、経営者として働く傍らで公益社団法人「東京青年会議所」理事長を務める。2005年、初当選し政治家に。自民党経済産業部会長、衆議院決算行政監視委員会理事、経済産業大臣政務官、衆議院内閣委員会理事、内閣府副大臣(第3次安倍改造内閣)などを歴任。

動かない日本の核燃料サイクル

 日本は原子力発電所の燃料に関して、使用済核燃料を再処理してウランとプルトニウムを取り出し、高速増殖炉で再利用する「核燃料サイクル」を推進しています。投入した燃料以上の燃料が生み出される高速増殖炉が実現すれば、エネルギー資源の無い日本にとっては夢のエネルギーとなります。

 しかし現在、再処理工場が動いておらず、研究用高速増殖炉「もんじゅ」も再稼働の目途が立っていません。そのため、約2万トンの使用済核燃料が全国の原発に保管されたままになっています。政治の責任において現実的な対応策を考えなければいけません。

 使用済核燃料や再処理の際に発生する高レベル放射性廃棄物は、ガラス固化体(ガラスと溶け合わせて)にして、地下300メートル程度の安定した地層に、"10万年"にわたって保管することになっています。

 原発を持っている国の最終処分場に対する取り組みは、ほとんどが調査や検討段階で、最先端のフィンランド、その次のスウェーデン、フランス以外はあまり進んでいません。そこで今回、世界で初めて高レベル放射性廃棄物の最終処分場が造られるフィンランドのオルキルオトに行ってきました。

オンカロオンカロ2フィンランドのONKALO(オンカロ)。小泉純一郎氏が見に行って、「脱原発だ!」と言い出したのはここがきっかけ!?

岩の国フィンランドの固い意志

 フィンランドを訪れてまず思ったのが、「岩」が多いということ。例えば街中の地下駐車場も岩盤をくり抜いて造られていて、そのまま核シェルターにも使用できるようになっています。そのくらい強固な地盤、岩盤地層なんです。街を歩くといたるところに岩がむき出しになって、それがよくわかります。日本の場合は基本「土」というイメージではないでしょうか。だいぶ事情が違います。

オンカロ3

 フィンランドの南西部の沿岸に位置するオルキルオト島は、丸ごと民間の電力会社が所有していて、原子力発電所が立地しています。その一角に地下特性調査施設ONKALO(オンカロ)があります。長年の研究調査を経て、いよいよ最終処分場の建設に着手をしました。原子力発電所から出た使用済核燃料は、地下400~450mに地層処分されるので、今はそれを入れるための穴をどんどん掘っていっているところでした。

 埋めたら10万年間、埋めっぱなしです。人類から"隔離する"という考え方です。そこには、"10万年間、本当に人類がコントロールできるのか"という疑問も出てきます。

 10万年の間にどうやって「ここに危険なものが埋まっている」ということを将来の世代に伝えるのか、もしくは完全に森に返してしまって、そもそもその情報自体伝えないようにするのか。下手に伝えると興味本位で掘り返す人が将来出てこないとも限りませんからね。この問題は映画にもなり、結構、論争があるところでした。

 オンカロのある町の町長に疑問をぶつけたところ、彼はとてもシンプルな考え方で、「今すでに地上に使用済核燃料がある。これはある程度の期間冷やさなければいけないが、その後は地上で保管しているよりも地下300mに埋めといたほうが安全」と言うのです。また、10万年後の人類に伝えるか伝えないかは、まだ10万年の時間があるので、その間に結論を得ればよいと。

 10万年後は、将来的に来る氷河期のさらにその後なので、そのときにはフィンランドという国はおそらくそこには無いわけです。国家としての管理はそもそも無理でしょう。情報を伝えるべきか伝えないべきかという論争は、現場の極めて現実的な判断の前ではあまり意味の無いように思えました。現実を直視し、理性的な判断で議論をしながらも、事を前に進めていく。このような姿勢を日本の原子力行政も学ばなければなりません。

 また、彼らが素晴らしいのは、「自分たちの国から出た使用済核燃料は、自分たちの国内できっちり処理します」と宣言しているし、国民のコンセンサスもできていること。一方で「他国のものは受け入れません」とも。国としての方針が極めて明確であり、責任ある態度だと思います。

オンカロで想定されている放射性廃棄物の保管方法【現在~10万年後】

現在2016年現在のオンカロ。絶賛工事中。

2020年2020年頃。放射性廃棄の保管が進む。

4000年後約4000年後。地下に保管通路が張りめぐらされ、地上にあった原発はもう存在しない。

10万年後10万年後。地球は氷河期。放射能レベルは生物にとって安全なレベルにまで下がっている......という状態。

オンカロで得た3つの教訓

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