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小渕さんは本当に悪い? 今さら聞けない政治資金の簡単解説

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小渕優子経産相に政治資金問題が浮上し、就任からわずか1ヵ月半で辞任に追い込まれた。クリーンなイメージの小渕氏が国会で追及される様子を見て、「なんかかわいそう」などと同情した人もいるかもしれない。浮上した疑惑は、本当に悪いことなのだろうか?

違法な寄付行為”疑惑&”不適切な支出”疑惑

指摘されている問題は2つ。ひとつは地元有権者の観劇費用を一部負担したという”違法な寄付行為”疑惑。もうひとつは政治資金でベビー用品などを購入した”不適切な支出”疑惑である。

政治家がカネを渡して投票してもらう”買収”が悪いことだというのは誰でも理解できるだろう。かつては選挙中に候補者からビラを受け取ったら、なかに1万円札が挟まっていたという時代もあった。例えそれがモノやサービスだったとしても、選挙の公正性が失われることには違いがない。そのため現在では法律で、政治家や候補者が地元の有権者にカネなどを寄付する行為を禁じている。

本人もわかっていなかった2つの問題

小渕氏の1つ目の問題は、この寄付行為の禁止に関するものだ。きっかけは小渕氏が地元の有権者向けに毎年、東京の明治座で開いていた観劇会の収支に大きな誤差があったというもの。劇場などに支払った入場料や飲食代と比べ、参加者から受け取った参加費が数千万円単位で少なかったことが明らかになった。

これが事実であれば、一部の参加者を無料で招待していたり、実費よりも安い料金で参加させていたりしたことになる。これも小渕氏側が有権者に価値のあるもの(この場合は舞台劇や歌謡ショー)を寄付していたことになり、法律違反の可能性がある。

仮に本当は参加者から実費を受け取っており、報告書の数字が間違っていたのであれば、報告書の虚偽記載にあたり、今度は実際に受け取った参加費がどこに消えたのかという問題が浮上する。

2つ目は政治資金の使い道が適切かどうかという問題。後援会などの報告書を見ると、「交際費」などとしてベビー用品や大量のネギ、姉夫婦の経営するブティックで購入した多額の”品代”などが記載されていた。小渕氏は地元有権者ではなく、政治関係でお世話になった人への贈り物と説明。だが、私物が含まれていないか、姉夫婦への利益供与や公私混同ではないか、という疑問がある。

公私混同は国民への裏切り行為

政治資金とは、秘書の人件費や事務所の家賃などさまざまな政治活動に使う経費のことだが、元となっているのは税金や個人・企業などからの寄付である。自分の給料ならばどう使おうと自由だが、「政治活動に使う」という名目で税金を受け取ったり、寄付を集めたりしていたのであれば政治活動に使うべき。もしも公私混同があれば、国民や支援者への裏切り行為である。

小渕氏の後任の宮沢洋一経産相に浮上した政治資金の”SMバー”への支出も同様。宮沢氏本人が行ったかどうかはともかく、税金政治献金をSMバーに支払うべきではない。

父である恵三元首相の急死を受け、急きょ政治家を継ぐことになった小渕氏。本人がどこまで感知していたのかは不明だが、少なくとも事務所をまったく統括できていなかったことは明らか。ゼロから再出発し、自分の力で這い上がることができれば、そのときこそ真の意味での「自民党の若手ホープ」になるだろう。

小渕氏の辞任は当然、議員バッジも外すべき

「知らない」とか、「事務的な手続きのミス」って、「は?」という感じ。「お前ら国民の代表だろ?」と言いたい。
民間企業であれば、監査法人や税理士事務所がついて監査をしてくれる、というか上場企業であれば”しなければならない”。第三者のチェックを受けて、自らの会社の数字を把握するくらい当然だ。

うちわを配っただけで大臣を辞めなきゃいけない、というのはさすがにどうかと思うが、そもそも松島氏は当初から、答弁を聞いていても資質に疑問符が付いていた。出るべくして出たという感じ。ま、彼女の似顔絵が描いてあるうちわが価値あるかどうか疑問だが。

事務的なミスで大事な外交文書に調印でもされてはかなわない。国民の負託を受けた議員こそ、襟を正して慎重に事務所運営をしなければならない。小渕氏の辞任も当然だし、議員バッジも外すべきだ。