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空前の規模 タカタ・ショックの行方

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「米消費者意識読み誤ったタカタ リコール2000万台超 業界論理に不信広がる」(日経新聞13面 2014年12月11日)

タカタのエアバッグ問題が空前の規模になってきました。

タカタは日本を代表する部品メーカー。2009年、アメリカでタカタが製造するエアバッグの異常破裂が原因とみられる死亡事故が起きました。その後、2014年7月にマレーシア、9月にアメリカと、再び同社のエアバッグが関連する死亡事故が発生。

事態を重くみたアメリカの高速道路交通安全局(NHTSA)は、タカタに対してリコール(改修・無償修理)を全米に広げるよう要求しましたが、タカタは「部品メーカーなのでリコールはできない」と拒否とも受け取れる反応を示します。

実際には、タカタは自動車メーカーがリコールした際には全面的に協力する体制だったということですが、アメリカの世論はタカタの消極的な対応を強く批判します。

その後、NHTSAは自動車メーカーに対してリコールを要求し、今後はホンダなど自動車メーカー主導でリコールが行われることになりました。その数は、全世界で2,000万台を超える可能性も。

タカタのエアバッグのシェアは世界第2位。”タカタ・ショック”は、世界規模で膨れ上がっています。

ニュースが”わかる”尊徳編集長の解説

Q.タカタが「リコールできない」と言ったのは、法的な根拠によるものだったといいます。事態が大きくなったのは法律が原因なのでしょうか?

A. 法律が問題とかじゃなくて、対処の仕方がまずかっただけ。

 法的根拠がないというのは、簡単に言えば、原因がまだわからないのにリコールはできない、ということ。日本にそういう法律がないから。

 今回は、その杓子定規の対応が……批判を浴びたんでしょ。(欠陥を)認めたら巨額賠償も視野に入るからね。

 トヨタが米公聴会に呼ばれたときのこと(2010年2月)を考えれば、対応を誤ればこういうことになるのはわかったと思うけど、タカタは完成車メーカーじゃないので慣れてなかったのか。

Q.大きなシェアを持つ企業が不祥事を起こした場合、企業はどこまで責任を取れるのでしょうか? 保証のために国が動くことも考えられますか?

A.どこまで責任を取るかは、その企業の姿勢だし、資産以上の賠償責任は負えない。国が動くことはあり得ないし、あってはいけない。

 商売は信用問題だから、企業価値向上のために誠心誠意対応しないと、会社などすぐに潰れる。かつて雪印乳業は圧倒的シェアを誇る会社だったけど、食中毒問題の対応間違いで、存続の危機になったし。
 企業の社会的責任は大きいよ。
(佐藤尊徳)

[参考:「米消費者意識読み誤ったタカタ リコール2000万台超 業界論理に不信広がる」(日経新聞13面 2014年12月11日)]