経済

原油安と経済制裁でメッタ打ち 経済不安のロシアはどう動く

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原油安でロシアの通貨ルーブルが急落し、ロシア経済が苦境に立たされています。
ロシアは輸出総額の約3割を原油が占めていて、2014年6月には1バレル110ドルだった水準が、12月に入って60ドルを割り込みました。

このまま原油安が進めば経常収支が赤字に転じると不安から、市場で”ロシア売り”が加速。ロシアは1998年に債務不履行(デフォルト)になった経緯もあり、今回の金融不安が世界経済に与える影響も楽観できません。

ロシアはウクライナ問題のクリミア編入の一件で、欧米から経済制裁を受けていて、現在、ロシア政府系の金融機関は欧米で資金調達することができません。対立を深めている状態は「新冷戦」ともいわれています。

今回の状況を受け、プーチン政権が欧米との関係修復に向かえば世界経済は安定に向かいますが、クリミア編入によって8割の支持率を得たプーチン政権が、簡単に考えを変えるとは限りません。

ニュースが”わかる”尊徳編集長の解説

Q.経済危機と政権安定の狭間にいるプーチン政権は、どちらを選ぶと思いますか?

A.簡単に欧米に譲るわけない。メンツの問題だから。

 政治家は内政のことしか考えない。というか、自分の権力基盤が強くなる方を選ぶ。ウクライナ問題で妥協をする理由が見当たらない。妥協したら屈したように思えるから。

 どうしようもなく、内紛になった場合などはわからないけど、落としどころを考えながら、突っぱねるよ。

Q.1998年の前科があるロシアですが、今回、世界に与える影響はどんなことはが考えられますか?

A.大きいよ。

 リーマン・ブラザーズという、全米で4位の証券会社が潰れただけで、100年に1度の金融危機だよ? 今回はその比じゃない。しかも、1998年当時よりも、世界の金融・経済が結びついているので、一国だけで済む話じゃない。

 ただね、これは必然で、そもそも1バレル100ドルを超えるような原油価格が問題だった。需要と供給だけだったら、70ドルくらいと言われていたのだから。それを金融商品として投機資金が入っているから、実勢価格と乖離した乱高下が起きる。

 そもそもロシアも天然資源だけに頼ってるからダメなんだよ。
(佐藤尊徳)

[参考:「窮地のロシア 岐路に」(日経新聞1面 2014年12月18日)]

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