17歳の女子高生と船長の2名が亡くなり、骨折・口内裂傷などの怪我16人という甚大な被害を出した辺野古抗議船転覆事故から2週間が経過して、「平和学習」のずさんな実態が次々と明らかになっている。
まず、小型船舶であっても他人の需要に応じて人を運送する事業を行う場合、運輸局への登録が必要だが、抗議船を運航する「ヘリ基地反対協議会」によれば登録はしておらず保険も入っていない。つまり、そもそも人を乗せてはいけない「闇船」だった。
また、高校生を抗議船に乗せた同志社国際高校の保護者説明会で明らかになったのは、抗議船に乗せるということをしっかりと説明していなかったということだ。会場では一部の保護書から「なぜそんな脆弱な船に乗せたのか」という怒号も上がった。
さらに、高校の「平和学習」であるにもかかわらず、教員の引率はなかった。それもあって、事故が起きる前、乗船していた子どもが抗議船の操縦をさせてもらったという驚きの証言もある。
それだけではない。なんと同志社国際高校では過去、研修旅行のしおりの中に、辺野古移設に反対する団体から「まず一緒に座り込んでください」などと抗議運動への参加を要請する文章が掲載されていたことまでわかっている。
https://www.sankei.com/article/20260328-WMCPHIZCXZKR7FSVBJSGKMRW2I/
このように関西の名門、同志社の名を冠した高校と、辺野古で基地反対運動をする人々を結びつけている「闇」の深さが伺い知れる情報が続々と出てきているにもかかわらず、それを徹底的に追及していこうというマスコミは少ない。
26名が亡くなった知床沖の遊覧船沈没事故の時は、報道各社は安全統括管理責任者だった運航会社社長を執拗に追いかけまわして、人柄や遊覧船ビジネスを始めた経緯などを細かく取材して報じていたが、それと比べると今回の事故の関係者への追及は不自然なほど「優しい」ように感じる。この背景について、某情報番組ディレクターが説明する。
「今回の事故は、地元の漁師も船を出すのを控える波浪注意報が出ていたなかで、出港した船長の判断ミスも大きい。またそもそも、無登録、無保険の船に子どもたちを乗せるように同志社国際高校側に提案したのもこの船長なので責任はかなり重い。しかし、その船長自身も事故で亡くなってしまっているので、被害者保護の観点からあまり批判的なことが言えないのです」
つまり、「死者に鞭打つ」ようなことにならないよう「自己規制」しているというのだ。ただ、一方で亡くなった船長について深く掘り下げる取材をしないのは、人権配慮的な話ではなく、マスコミ側の「自己保身」のためだという見方もある。
「船長のことを深く掘り下げていくと、マスコミが反基地、反安保、反安倍などの抗議活動を報じていた時に“市民”として紹介していた人々が、実は特定のイデオロギーを持つある団体に関わっているということがわかってしまう。つまり、彼らが長年やってきた“左翼偏向報道”がバレてしまうからです」(沖縄県内の保守系政治団体)
その団体とは「日本基督教団」である。
ご存知の方も多いと思うが、日本基督教団は国内のプロテスタント派の最大教派。信者数15万人、1800人以上も牧師のいる巨大キリスト教系組織。同志社創設者の新島襄が設立した「学園の教会」として知られる「同志社教会」もこの教派でもある。
https://uccj.org/organization/organization15
そして、今回亡くなった抗議船の船長も実は、日本基督教団・佐敷教会(沖縄県南城市)の牧師という顔を持つ。同志社国際高校側の説明によれば、この牧師に平和学習で礼拝をしてもらったことの縁で、生徒を抗議船に乗せて海上から見学させるコースを提案されて、3年前から始まったという。
つまり、今回悲劇を招いた「抗議船ツアー」というのは日本基督教団の人的ネットワークが生み出したものなのだ。事実、日本基督教団側もその自覚はあるようで事故発生直後、「辺野古沖船転覆事故」対策本部を立ち上げている。
https://uccj.org/news/53214.html
しかし、そんな本人たちの問題意識と裏腹に、マスコミ側は今回の事故と日本基督教団と結びつけるような報道は少ない。事故を起こした船長が亡くなっているので被害者として配慮をするというのはわかるが、その船長が牧師として所属していた団体なのだからもっと取材が殺到していてもおかしくないが、テレビや新聞で日本基督教団はサラッとしか触れられない。
なぜこんな「配慮」が行われるのかというと、実はいわゆる「左翼マスコミ」と日本基督教団というのは、反基地、反安保法制、憲法9条改定反対、慰安婦問題など幅広い政治イシューにおいて「取材する側、される側」という非常に親密なパトーナーだからだ。
一般の方はあまりご存知ないだろうが、抗議・反政府運動の世界で「日本基督教団」の名はそれなりに知れ渡っている。たとえば、2015年に安倍政権が安保関連法案を可決した際には、総会議長名義で反対の声を上げた。
https://uccj.org/news/22457.html
2019年にも同じような形で、日本の戦争責任、憲法9条改定への反対、原発反対、ヘイトスピーチ反対、朝鮮高校無償化など政治色を鮮明にして、「わたしたちは、沖縄の人びとの辺野古基地反対の声を支持し、連帯していきます」と宣言をした。
https://uccj.org/news/34403.html
この宣言の通り日本基督教団はこれまでさまざまな反政府的な政治運動を支援し、中には主体的に「連帯」をする関係者もいた。そのあたりの実態を元日本基督教団の牧師で岩本龍彦氏はYouTubeで同教団を「左翼の温床」と告発している。
岩本氏によれば、日本基督教団内部では社会運動に熱心な「社会派」の牧師と、政治運動に関心のない「教会派」の牧師が混在していたという。ただ、安保法制時にマスコミが取り上げて時代の寵児としてもてはやされた学生団体「SEALDs」があらわれた時には社会派牧師だけではなく、教会派牧師も称賛するようになり、安倍政権憎しで意図的に虚偽の情報を流すようにもなっていたそうで、これに失望をした岩本氏は日本基督教団からの脱会を決意したという。
https://www.worldtimes.co.jp/japan/20241127-187590/
この内部告発から浮かび上がるのは、日本基督教団内には反政府・反戦平和運動にのめり込んでいる関係者がいたということ、そしてマスコミはそのような日本基督教団関係者たちの素性を知りながらも「市民」として持ち上げていたという「共生関係」である。
その代表が、岩本氏も触れていた「SEALDs」だ。70年代の学生運動の荒っぽく泥臭いイメージとかけ離れた、おしゃれで礼儀正しい学生たちによる、音楽やSNSを駆使した反安保運動をマスコミは称賛して、密着取材やテレビ出演、さらには海外でも「新しい日本の若者像」と報じられるほどのブームとなった。
しかし、実はこの学生団体の中心的メンバーの中には、実は父親が牧師であったりという日本基督教団の家族がかなりいた。先ほどから紹介しているような政治運動をしている父の背中を見て育った若者がどういうイデオロギーを持つようになるのかは言うまでもない。マスコミはそのあたりを伏せてメンバーたちを「普通の学生」として持ち上げていたのだ。
実はこの構図は反基地運動も変わらない。マスコミは辺野古の工事現場で座り込みをしている人や抗議船に乗っている人たちを「市民」として報じるが、実際は今回亡くなった日本基督教団の牧師のように反政府・反戦平和運動を長くやってきた「プロの活動家」なのだ。
今回の事故で「日本基督教団」に注目を集まって「SEALDs」のように過去の反政府・反戦平和運動で、このような「報道のカラクリ」もバレてしまう。
あれだけ酷い事故なのにマスコミが急にトーンダウンしたのは実はこんな「オトナの事情」もあるのではないか。
