社会

アナログがデジタルに取り込まれる日

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 世界の音楽ソフト市場で、デジタル配信がCDやレコードなどの売上高を初めて通年で上回りました(国際レコード産業連盟)。定額聞き放題の音楽サービスがデジタル販売の売上増をけん引しています。

 デジタルの内、半分超を占めるのはアップル「iTunes」などの楽曲単位の販売方式ですが、定額聞き放題の音楽サービスが普及し始めていて、2014年は前年比で4割近く伸びています。

 日本では依然としてCDやレコード販売が強く、全体の8割超を占めています。

ニュースが”わかる”尊徳編集長の解説

Q電子書籍などもそうですが、迫り来るデジタル化の波を小売側はどう対処していくべきなのでしょうか?

Aこれからはサービスの質が問われる時代だと思う。

 デジタル化で変わったのは小売だけじゃないよ。電機メーカーもデジタル化のお陰で(せいで)、製品がコモディティ化した。つまり、半導体を組み込んで、あとは組み立てるだけでよくなったので、アナログ時代とは違い、製品にそんなに優劣がつかなくなった。すると価格競争が起きて、テレビなどは利益が出なくなってしまった。

 製品も音楽も映像も、劣化させず安価に届けられるデジタル化は、流通さえも変えた。メディアであれば、あふれる情報の中で何が大事かキュレーションする機能。品物を届ける企業であればスピード。ダウンロードするサービスならクリック数の少なさなど、簡略化させていったものが勝ちだと思う。


Q日本で定額聞き放題サービスの普及が遅れているのには、何か制度的、土壌的な理由がありますか?

A最新曲を出し渋ってるから。

 コンテンツ提供者には、最新曲をネット上で聴くことができるようにしたら、CDの売上は一気に落ちるという危機感がある。でも、少し待てば定額でストリーミングできるのだから、今でもそんなに変わらないと思うんだけど。

 いずれ、ハードで売れる物は激減するんだと思う。時代が変わっているんだから、コンテンツ提供者も変わらないとね。
(佐藤尊徳)

[参考:「音楽配信、CD上回る 昨年、世界売上高 定額制が台頭」(日経新聞朝刊3面 2015年4月16日)]

[わかるニュース]
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