経済

相場のすべてがそこにある―― チャートを読み解け!

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株価がどのように変動したかを表したのが「チャート」といわれるグラフ。株を安く買い、高く売るためには、これを読み解かなければ始まらない。さあ、深淵なる株式の世界に足を突っ込もう。

投資はじめて物語 3ヵ条

①簡単・実践的
②儲けに走らない
③すべては自己責任

チャートで相場の動きを予測する

株の売買を行う上で、その銘柄をいくらで買い、いくらで売るという判断は簡単にできるものではない。相場(株価)を決める要素は多岐にわたるため、確かな判断をするためにはたくさんの情報を集める必要があるからだ。

判断するための一般的な方法は、大きく分けて2つ。ひとつは、企業の業績や財務状況をはじめ、国の金融政策や国際情勢などを加味する「ファンダメンタル分析」。経済の知識を必要とし、素人にはちょっと難しい。もうひとつは、チャートと呼ばれる過去の株価変動をビジュアル化したグラフで判断する「テクニカル分析」。グラフさえ読めれば比較的簡単に取り入れられる方法だ。今回は、このチャートを使ったテクニカル分析を覚えていきたい。

ローソク足を覚えよう

ローソク足は、その日の株価の動きをビジュアル化したもの。この連続がチャートを構成することになる。【陽線】、【陰線】の2種類があり、パッと見てその日がどんな相場だったのかわかるのが特徴。

ローソク足
ローソク足
陽線(ようせん)・陰線(いんせん)

四角の中が白い【陽線】は、始値(はじめね)より終値(おわりね)のほうが高いことを示す。これが出ている相場は、買い手がたくさんいるということ。四角の中が黒い【陰線】はその逆で、終値より始値のほうが高いことを示し、売り手が多いことを表している。

(上・下)ヒゲ陽線、陰線の実体からはみ出して株価が上下したもの。上下に出ている長さによって、相場がどのような状態にあるのかがわかる。

さあ、チャートを見てみよう
短期・長期移動平均で予測する

移動平均
緑=短期移動平均 オレンジ=長期移動平均
ゴールデンクロス

短期が長期を追い越す現象。短期的に見て買いたい人が多いということを示すため、その後も株価が上がる可能性がある。

デッドクロス

長期が短期を追い越す現象。ゴールデン~の逆で、売りたい人が多いことを示すため、売り時のサインとも言われている。

 

株価は”投資家心理”でできている

ローソク足は1本に、始値、終値、高値、安値という、俗に「四本値」といわれる情報で構成されていて、チャート分析の基本中の基本。ローソク1本が1日を表す「日足(ひあし)」、1週間を表す「週足(しゅうあし)」、1ヵ月を表す「月足(つきあし)」がよく使われ、より長期で見る際は「年足(ねんあし)」、より短期で見る際は「分足(ふんあし)」なども使われる。

いずれも投資する期間によって使い分けられるもので、陽線が多いと上昇トレンド、陰線が多いと下降トレンド、その逆の傾向に向かう「だまし」など、パターンもたくさん存在する。投資を始めたばかりの人には聞き慣れない言葉ばかりで敬遠したくなるかもしれないが、売り買いの基準になるので覚えておいて損はない。要は慣れなので、あまり深く理解しようとせずに、実践しながら覚えていくことをおすすめする。

企業が発行する株式は、企業の業績が大きく影響するものだ。しかし、株式市場に公開され売買される上場株は、業績以外の要素が大きく影響することをチャートは教えてくれる。それは、”投資家心理”だ。株価が上がりそうなタイミングには買いが殺到し、下降の気配を感じると売りに走る。需要と供給で株価が決まっていることを改めて感じさせる現象だ。

相場を作っているのは人間(しかもかなりセンシティブな性格)で、そこにはたくさんの”欲”が渦巻いている。いま自分が見ているチャートは、自分以外の多くの人間も見ていることも意識すると、投資の判断も変わってくるはずだ。