社会

取得すれば世界が変わる「国際バカロレア」 急げ!日本のグローバル化

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 世界約2000大学の入学資格が得られる「国際バカロレア」を、高校生が取得しやすくなりそうです。これまで「国際バカロレア」のプログラムを修了するためには、高校卒業に必要な90単位とは別に数十単位を取らなければならず、非常にハードルの高いものになっていました。

 今回の特例措置では、英語や数学、理科などの高校卒業に必要な科目は単位の置き換えを可能にして、高校卒業と同時にプログラム修了資格を無理なく取得できるようにします

 文科省はグローバルな人材育成を目指して高校・大学の留学支援を進めていて、2018年までに「国際バカロレア」取得を目指せる高校を、現在の34校から200校まで増やしたい方針。

国際バカロレア(IB)

世界共通の大学入学資格を取得するための教育プログラム。国際的な視野を持った人材を育成するのが目的で、国際バカロレア機構が提供している。3~19歳までを対象とした4つのプログラムに分かれていて、16歳~19歳までを対象とした「ディプロマ・プログラム」では、「言語と文学」「理科」「数学」など6つの科目を2年間履修する必要があり、授業は英語、フランス語、スペイン語で行う。

“入学資格”とはいえ、アメリカなどでは「国際バカロレア」だけでは入学できず、別途、大学指定の試験を受ける必要あり。しかし、修了証書があれば、ほかの受験生に比べて有利になったり、奨学金を受けるための評価対象にもなったりするといわれる。

ニュースが”わかる”尊徳編集長の解説

Q育て上げたグローバルな人材が、そのまま海外に流出する危険性もありますよね?

Aそれはそれで良くない? 逆も有り得る。

 最近の諸外国のエリートは、留学経験がある人が多い。違う文化で見聞を広めて、それを自国に持ち帰る、というのが理想。海外に魅せられる人は確かにいるだろうけど、そんなに人が流出するとは思えない

 それより、帰ってきたい魅力的な国にすることこそ大事なんじゃない?


Q海外の留学志望者から見て、日本の大学はどうなのでしょうか?

A日本ならではの文化とか、治安がいいとか、いろんな理由はあるので、まったく魅力がないとは言わないけど、少し弱い気がする。

 まず、日本は英語圏でないということが大きなマイナスだと思う。現在のグローバルな世界では英語が共通語になっているので、映画やアニメを輸出するときにも言語がネックになる。

 それを超えて、特色ある教育機関を作らないと留学に来てもらえないだろうね。ナンバーワンか、オンリーワンになるしかないよ。
(佐藤尊徳)

[参考:「高校で取得しやすく 海外大に入れる資格『バカロレア』」(日経新聞1面 2015年6月16日)]

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