社会

宗教観のない日本人は海外での商売に不利かも

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 海外のイスラム圏での話です。
 イスラム教徒の断食月(ラマダン)。日中に食事が行えないラマダン期間中は消費活動が夜に移るため、デパートやモールが相次いで「ミッドナイト・セール」を開催。イスラム教徒にとって最大の商戦”ラマダン商戦”で新たな需要を取り込もうと各社が知恵を絞っています。

 日系企業では、「ユニクロ」のファーストリテイリングがイスラム教徒の女性に人気のデザイナーと共同開発した新ブランド「ユニクロ×ハナ・タジマ・コレクション」を7月からシンガポールで立ち上げました。頭髪を覆う布「ヒジャブ」や長袖のシャツなどを揃えています。

 アジアのイスラム教徒の人口は10億人前後とみられていますが、2050年には15億人程度まで増える見込み。企業のラマダン商戦に向けた取り組みは一段と過熱していきそう。

ニュースが”わかる”尊徳編集長の解説

Q宗教的慣習をビジネスチャンスにするというのは、なかなかしたたかな印象を受けました。

A別に珍しいことじゃない。というか逆に普通のこと。

 郷に入れば郷に従え、とはよく言ったもので、イスラム圏ではイスラム圏のしきたりがある。イスラム金融しかり、ハラル(イスラム圏で食べることが許される食材)など、イスラム圏に限らず、その国の文化を理解して商売しないと成り立たない。

 従業員用にモスクを作って、礼拝の時間もきちんと取らないと、誰も働かないよ。


Q日本ではイスラム教徒向けのハラル食も普及しつつありますよね。多神教から来る宗教的な許容範囲の広さは日本の強みになると思いますか?

Aどうだろう?強みにもなるけど、弱みにもなるよ

 日本は宗教観が希薄な感じもする。他者を理解するためには、自分にその経験がないと難しい場合がある。宗教が良いかどうかではなく、相手を理解するために宗教観が必要なこともあると思う。

[参考:「『ラマダン商戦』企業走る イスラム教徒の断食月」(日経新聞朝刊11面 2015年7月14日)]

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