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不動産仲介業者うちナビの社長がコッソリ教える、良い賃貸物件に出合う方法

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どの街にもたくさんある不動産仲介業者。でも、いざ物件を借りようと探しても、「なかなか希望に合う物件がないな」と感じることも少なくないだろう。実はそこには、”業者側の事情”があるという。関東を中心に賃貸物件の仲介事業を行ううちナビの角南圭社長に、業界の裏話をコッソリ聞いた。

株式会社うちナビ 代表取締役社長CEO

角南 圭 すなみ けい

1979年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。在学中にコンサルティング会社の立ち上げを経験。会社譲渡のカタチで2007年2月に株式会社うちナビを創業。現在は都内を中心に「うちナビ」直営店12店舗を運営する。

知る人ぞ知る賃貸物件の真実
扱う物件はどこの仲介業者もほぼ同じ!

街にはたくさんの不動産賃貸の店がある。でも実は、どのお店でも扱っている物件はほぼ同じなんだとか。

「なぜなら、どこも同じデータベースを元に紹介しているからです。つまり、違う物件を求めて何店舗も回ったところで、得られる成果に大差はないのが現状です」

だからといって、最初のお店で決めてしまっていいのかと言えば、必ずしもそういうわけではなさそうだ。

「大事なのは『人』、つまり担当する窓口の営業です。お客様との相性はもちろん、『この人から借りたいな』と思える人に紹介してもらいたいと考えるのは当然の心理です。手前味噌ですが、『うちナビ』は新卒採用を行い、しっかりと人材育成を行ったうえで店舗配属しています。しっかり教育された営業が、皆さんに物件を紹介していますのでご安心ください」

うちナビ渋谷本店
うちナビの営業担当者は9割が大卒。写真は渋谷本店

 

業者は「管理物件」を優先したい!

不動産業者の中には「管理物件」を持つところも少なくない。管理物件とは、その業者がオーナーからの依頼を受けて管理している賃貸物件のこと。

「管理契約を結ぶと、管理料が会社に毎月入ります。いつも満室ならいいですが、空室状態が続けばオーナーに引き上げられてしまう。つまり、利益を追求するような業者であるほど、社員に対して『定期収入が見込める管理物件を優先的に提案するように』といった教育がなされていると考えていいでしょう」

仲介手数料がない分、安く借りられる場合もあるが、こうした”貸したい物件”をねじ込んでくる不動産業者は非常に多いという。極端な話、100%お客の希望にかなう物件がほかにあったとしても、少し劣る管理物件を紹介するなんてこともあり得るのだ。

うちナビ渋谷本店

“おとり”などの「釣り物件」が多い!

不動産業者の視点からすると、理由はどうであれ、お店に来てもらって物件を提案できる機会を持ちたいと考えるのは当然だ。そのため、「おとり広告」と呼ばれる紹介できない物件をリストに載せたり、『類似物件を紹介できるから』といって来店を促したりする場合は多い。

「また、すでに予約で埋まっているにもかかわらず、『ある』と言って呼ぶ”ある呼び”というのもよくある手法です。来店してもらうために、こうしたモラルに欠ける方法をとる不動産業者は実は少なくないんです」

この背景には、ポータルサイトの問題点があると角南氏は語る。「物件を総合的に扱っている便利さの裏に、ネットでは不動産業者をきちんと見極めることができないという問題があります。ユーザーは、『掲載している物件が良い』というだけで問い合わせする仕組みになってしまっているのです」と。

うちナビは、BtoBtoC戦略で目標とされる会社を目指す

不動産賃貸仲介業者として、部屋探しのお手伝いをしている株式会社うちナビ。2007年2月の創業以来、右肩上がりで着実に成長を遂げてきた同社。最も大きな特徴を挙げるならば、BtoBtoC戦略にこだわっているところだろう。角南社長は語る。

「企業の福利厚生の一環として、割安で社員の方のお部屋探しをサポートする事業に力を入れています。大手企業を中心に数多くのクライアントと継続的にビジネスを行い、企業の担当者による社員周知のおかげもあり、安定的に集客数を伸ばしてきました」

この戦略が奏功し、利用実績は約3,000社(単体では1000社)、対象となる社員数は約100万人を誇る。市場シェアはもちろんトップクラスだ。

「目の前のお客様に本気で向き合い、日本一顧客満足度の高いお部屋探しを実現するのがわれわれのミッション。衣食住の仕事に携わる人が、より一層誇りを持って働ける社会を実現させたいです」

今後は、社宅代行事業にも広げていきたいと意気込む。

「日本人が忘れかけている、『人のために、この国の将来のために働く』という生き方を、多くの人に伝えていきたい。そのためには事業で成長し、目標とされる会社にならなくてはいけません。今以上に利用しやすいサービスの提供にこだわります」