晴れて政治家になれたのに、ぬか喜びで終わってしまうかもしれない。
年明け早々、九州北部の自治体で市長選が行われ、50代後半の新人候補が初当選を飾った。地元紙は、”新市長”が支援者から贈られたタイを掲げて満面の笑みを浮かべる様子を写真付きで報じている。しかし、実はそれが後々、問題になった。地元紙に掲載されたその写真をきっかけに、市民オンブズマンから”公職選挙法違反”で告発されるハメに陥ったのだ。
なぜか。市政関係者によれば、「実は、新市長は写真撮影のあと、そのタイをさばき、十数名の支持者らとともに酒宴を開いて乾杯していました。さながら、相撲取りの優勝祝賀パーティのようだったそうです。さらに、3月には、市内の旅館に約120名の支持者を招き、食事会を開いていた。これらが、選挙違反になるのではないかという疑いを持たれているのです。加えて、お祝いのタイを持つ姿の写った新聞を、不特定多数の者に配布したことも問題視されています」
公職選挙法178条によって、選挙後のあいさつ行為に制限が加えられているのはご存じの通りだ。例えば、当選祝賀会やその他の宴会を開催すること、新聞・雑誌を利用して当選のあいさつをすることなどを固く禁じている。
「4月中旬、市民オンブズマンは、選挙違反を担当する県警の捜査2課に新市長の告発状を提出しました。それには選挙違反のことのみならず、新市長の借金トラブルや女性問題についても書き込まれている。そのため、捜査2課も並々ならぬ関心を示し、ゴールデンウィーク明けには内定捜査に着手するものと見られています」(同)
タイで、ミソがついてしまったわけなのだ。