マイクロソフトと二人三脚で今日のPC・ネット社会のデファクトスタンダードを築き上げたインテル。その姿は時に「ウィンテル」と揶揄されるほどだ。1960年代終わりにベンチャーとして産声を上げた同社は1970年代初めに日本に上陸、「インテルジャパン」を設立、社員第一号の著者はその後、今や広告界では伝説ともなっている名キャッチコピー「インテル入ってる」を電通と一緒に考案。
ちなみにアメリカではその後、このコピーのお株を奪うかのように「intel inside」というロゴを発案し現在はこちらに統一、日本のアイディアだったことを暗に伏せている格好となっている。その後、著者は世界初のノートPC・東芝の「ダイナブック」の開発にも関与、インテルがなければ完成は遅れたという。
さて、アメリカ本社の3代目社長、アンディ・グローブは、提案に対してまず「NO」を突きつける人物。社員が提案を通すには、決定的な根拠を提示して粘り強くアンディ氏を説得しなければならず、著者も時として閉口させられながらもこれにより鍛えられたと述懐する。日本のITの黎明期、そしてアメリカ企業のダイナミズムを実感できる一冊だ。
『インテル グローブ社長の教え “No”からはじまる経営術 ~高い目標を設定し達成せよ~』
●著者:傳田 信行
●販売:Amazon Services International, Inc.
●フォーマット:Kindle版
●価格:1,100円