経済

休眠口座はコストの方が高くつく

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尊徳編集長の解説でニュースが”わかる”!
Q.10年以上出し入れがない「休眠預金」を、今は会計上、金融機関の利益金として処理されているとのことですが、預金者へのアナウンスはきちんとされているのでしょうか?
A.されるはずですよ。

 考えてみてください。何百万円も入っている口座を忘れますか? あんまりないでしょう。休眠口座の多くは忘れてしまうような金額のものや、名義人が亡くなったり(相続人が気が付かない)ものや、転居などで連絡がつかなくなったものが多数あります。
 銀行は5年で時効(商法)が成立するので、5年が経過したものは銀行のものにしていいことになっています。利益として計上しないと会計上の処理ができませんから、計上します。ちなみに信用金庫は民法上の時効で10年だそうです(信用金庫のことは僕も初めて知りました)。
 しかし、時効を過ぎても本人確認が取れれば、預金者にお金を返すそうです。

 次は、ある銀行の役員さんに聞いた話です。
 前述したように、休眠口座は少額なものが圧倒的なので、口座の維持管理コストの方が高くつくそうです。逆に早く活用してもらって、口座を無くしてもらう方が金融機関としては有難いとのことでした。便宜上、利益計上をしますが、コストの方が上回るので、丸々儲けているわけではありません、とある役員さんが言っていました。(佐藤尊徳)
[参考: 2014年5月12日日経新聞 2面「休眠預金を民による課題解決の糸口に」]