尊徳編集長の解説でニュースが”わかる”!
Q.イランと6ヵ国とありますが、6ヵ国とは、どこですか?
A.英米露仏中独です。さて、この中で一つだけ仲間外れを見つけるとしたら、どの国でしょう。
まず、仲間外れはドイツですね。唯一核保有をしてない国です。また、国連安保理の常任理事国ではない点です。なのに、どうしてドイツが入っているのでしょう?
もともとはイランの核開発疑惑が出たときに、イギリス、フランス、ドイツ、のEU大国がイランと外交的解決を目指して交渉したところが始まりです。その後、イランが強行姿勢に変化してきて、アメリカを中心に国連の安保理常任理事国が加わったので6ヵ国になりました。
Q.核問題を、なぜ限られた国で協議しているのでしょうか?
A.そんな多くの国で話し合っても結論が出ないでしょ。北朝鮮の問題だって、6ヵ国協議というじゃないですか。
しかし、アメリカ、ロシア、中国、フランス、イギリスの5ヵ国は核拡散防止条約で認められた核保有国です。
「俺たちのような大国は核を持ってもいいけど、他の国は野蛮だから持ってはいけない」というとても傲慢な条約です。ですから、他国が核開発をすることを異様なまでに牽制します。
ちなみに後に核保有国になったインド、パキスタン、イスラエルは条約を批准しませんでした(当たり前ですが)。
私は「まず隗より始めよ」で自らが核を放棄しろ、と言いたい。(佐藤尊徳)
[参考:2014年5月14日 日経新聞7面「イラン核協議進展の機運」]