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“何か”が生まれる可能性 クリエイティブなオフィス環境って そういうことか![柏の葉スマートシティ]

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人口増やエネルギー消費増、高齢化など、世界的に解決すべき問題に取り組むため、三井不動産や行政・大学等で公民学が連携しながら街づくりが進む柏の葉スマートシティ。従来にはない都市環境とはいったいどんなものなのか。実際にオフィスを構えるベンチャー企業にその働き心地を聞いた。

スマートシティプロジェクトとは?

地球上のさまざまな環境問題を解決するために世界規模で取り組まれているビッグプロジェクト。街全体で電力を共有して効率化を図るなど、地球や人に優しい新たな街づくりを目指す。世界中で多様なスマートシティの開発が進んでいる。詳しくはコチラ

 

エネルギー情報を管理する「柏の葉スマートセンター」

クリエイティブなアイデアを促す環境

「日本を元気にする!」という目標を掲げ、大学での研究成果を生かして日本全国の健康づくりに取り組む、株式会社つくばウエルネスリサーチ。代表取締役社長を務める久野氏に話を聞いた。

株式会社つくばウエルネスリサーチ 代表取締役社長

久野譜也 くの しんや

柏の葉スマートシティに、オフィスを構える株式会社つくばウエルネスリサーチの久野譜也社長。筑波大学大学院人間総合科学研究科教授も務めながら社長も兼務。

「私たちは物づくりではなく”知”で勝負する仕事。クリエイティブな活動をするためには働く環境が非常に重要になります。今までは、大学のあるつくば市を拠点としていましたが、都心への出張も多く、一度都内に出ると効率の面から会社に戻りにくいという現状がありました。ゆえに都心とつくばの中間地点である立地に魅かれたことはありますが、何より柏の葉の”サイエンスを育む”というイメージが魅力的でしたし、都心まで30分で行ける駅前の一等地にありながら、緑が豊富にある環境にも魅かれました。オフィスにあるバルコニーで社員同士の交流が増えたことは、社員の働き方に大きな変化を与えましたし、実際に月2回ほど来る顧問から社員の顔つきが変わったと言われたほどです。

そして、KOILの隣にあるフリースペースカフェ「AGORA」で、”ナイトサイエンス”(食事とともにする議論)を行えることも魅力のひとつ。違うバックグラウンドを持った人の予想外な意見を聞くことも、意外に真実をついていたりして刺激を与えてくれたりするものです。たまたま隣り合ったほかの企業の方や住人の方と何気ない会話をするなかで、何かが生まれるかもしれませんし、そういった可能性を秘めた環境にいること自体に意味があるのだと感じています。

アメリカの女性ジャーナリスト、ジェイン・ジェイコブスが、街での偶然の出会いの積み重ねがソーシャルキャピタル(社会関係資本)を高める、と言ったように、意図しない偶然の積み重ねが、イマジネーションやヒントに結びつくのでしょう。もちろん、そうした化学反応は一度や二度で起こるものではありませんから、これからのKOILの発展に期待していきたいですね。

現在、柏の葉スマートシティは、”エネルギーの目に見える化”は達成しつつあり、さらにさまざまな課題を掲げ取り組まれています。焦らずに、いつかスマートシティとして成熟する日が来ることを楽しみにしています。なにより、民間企業が国家単位で注目しているプロジェクトに採算度外視で取り組み、実践していることに対して、お世辞抜きで敬意を表さなくてはならないと思っています」(久野譜也社長)

久野社長が教える 知を刺激するスマートシティの環境

【1】ナイトサイエンスで生きた議論を[カフェAGORA]

私どもはよく、オフィスビルKOIL内にあるカフェ「AGORA」を活用しています。銀座の人気フランス料理グループをプロデュースしていた方の店なので、料理やワインのレベルもとても高い。大企業ならビルの中に飲食店があるところも多いですが、私たちベンチャーにはなかなかできないこと。だから会社がある建物にこういうカフェがあるのはとてもいいですね。日中はオフィスで知識を吸収するデイサイエンスを、夜はAGORAでリラックスしながら研究の話や何気ない会話をするナイトサイエンスを通じて、知の創造を促進しています。

カフェAGORA

【2】駅前の緑がある環境で働く[オフィスのバルコニー]

オフィス内で気に入っているのが、緑に囲まれたバルコニーです。ここで、社員たちはランチを食べたり、打ち合わせを行っています。また、毎日15分間シエスタの時間を設けて、社員同士の交流を促しています。前職場では、社員たちは一日中パソコンに向かっているばかりで、議論も会議という形式でしか行われていませんでした。コミュニケーション改善のために、パソコンを取り上げて環境改善しようとしたほど悩んでいました。新しい発想やイマジネーションは、何気ない会話にあるものです。柏の葉に移ってからは意見交換も格段に増えて、今後の変化に期待しています。

バルコニー

【3】クリエイティブな活動を支える[立地と環境]

日本はオフィスを都心に一極集中させる傾向がありますが、海外では支社や営業所が都心にあっても、本社を郊外に置くことも多いですよね。やはり、私たちのような研究を主軸としたベンチャー企業にとって、クリエイティブな活動をするために環境にはこだわりたい。ですが、都内にいくとなると、働き心地や家賃の面で都心は理想とは違うところにいかなければならないこともあります。そういうなかで、駅前の一等地という立地の良さと、緑があるクリエイティブな環境を併せ持った柏の葉は好条件といえます。

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