安倍総理は、11月中に解散、12月に衆議院総選挙をする実施する方針をかためました。
地方創生の法案や「危険ドラッグ禁止法案」などについては今期成立を目指しますが、企業に女性登用の数値目標を義務付ける「女性活用推進法案」や、派遣社員の受け入れ期間の制限を撤廃する「労働者派遣法改正案」、「カジノ法案(IR推進法案)」の審議・成立は見送られる模様。
ニュースが”わかる”尊徳編集長の解説
Q.消費税再増税を判断したうえで解散するようですが、だとしたら何を目的とした解散なのでしょうか?
A.いい質問だ。消費税増税は、法律で決まっている話。それを先延ばしする、というのなら大きな問題なので、国民に信を問う、というのが表向きの話かな。
2年ほど前、政権与党の民主党、自民党、公明党の3党合意で消費税増税が決まった。この4月に8%までは上げたけど、10%に上げる判断はまだ。
そんななか、閣僚のスキャンダル、景気の停滞など、増税先送りの声が出てきた。
進まない審議に、ここで選挙準備の整わない野党の虚を突いて解散すれば、勝つことができるだろうし、信任されたということで、閣僚スキャンダルも尻すぼみになり、2015年の自民党総裁選も無風、と安倍首相にとっては最高のタイミングなのでは?
ま、国民にとってありがたい話かどうかはわからんけどね。
Q.決めなければならない法案はたくさんあるのに、解散する時間はあるのでしょうか?
A.国会は唯一の立法機関。法案審議はいつでもたくさんあるよ。4年のうちに解散は必ずあるわけだから、いつあってもおかしくない話。総理の専権事項である衆議院解散は、いつの時代も与党の都合で決まるのが常。このように、人気半ば以下で解散するのはよっぽどのことだけど。
上記のとおり、決めなければいけない法案はたくさんあるけど、閣僚スキャンダルなどで停滞している国会よりも、選挙で信任後すぐの国会の方が審議が進むと思わない? 2年前の解散もちょうどこの時期だったし。停滞していた民主党政権から、安倍政権になって一気に株価も上がったしね。
だからといって、今回の解散に大義名分はあまり見いだせないけど。。。
(佐藤尊徳)
[参考:「自民、円安対策 公約へ」(日経新聞1面 2014年11月13日)]
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