日本の電機大手を脅かす新たなライバルたち
まずは中国メーカーの急伸ぶり。すでにハイアールのブランドは日本でも有名で、低価格かつ斬新なデザインの白物家電が家電量販店に並ぶ。2012年にパナソニックの傘下に入った三洋電機から洗濯機・冷蔵庫事業を買収、日本式モノづくりのDNAを吸収し競争力を高めた。ほかにも世界最大の自国市場を背景に、美的(ミデア)、珠海格力(グリー)、ハイセンスなど、”1兆円プレーヤー”の家電メーカーが続々と出現する。
一方、”強力な吸引力”を謳った掃除機を引っさげ日本市場でシェアを伸ばすイギリスのダイソンや、ロボット型掃除機「ルンバ」で話題をさらう、アメリカのベンチャー企業・アイロボット、さらには家庭用プラスチック用品製造業から身を起こし、ホームセンターを足掛かりに家電業界に参入、掃除機やLED照明、オーブンなどを繰り出す日本のアイリスオーヤマなども注目だろう。
また”ネットの巨人たち”の動きも見逃せない。グーグルやアマゾン・ドット・コムのタブレット端末ビジネスへの参入は、その最たるもので、彼らの独創性とスピードは、伝統的な経営スタイルの大手電機メーカーにとって、まさに脅威だろう。