経済

トレンドを見極める チャートを読み解け!2

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引き続きチャートについて。前回はローソク足と簡単なトレンドパターンを紹介したが、今回はチャートを短時間で把握するためにトレンドを掘り下げる。

投資はじめて物語 3ヵ条

①簡単・実践的
②儲けに走らない
③すべては自己責任

トレンドでその後の動きを予測する

チャートはパッと見、難しそうな印象を受けるが、実際はシンプルなルールを組み合わせているだけ。基本のローソク足を押さえれば、読むのはそんなに難しくない。

ローソク足1本の仕組みを覚えたら、次は「トレンド(動向)」を見てみよう。一定期間(1日、1週間、1ヵ月)の株価の動きを表したローソク足は、連続的に見てみると、ある一定のトレンドが作られていて、その先でどんな動きをするのか予測を立てられるようになる。

今回挙げるのは「上昇」「下降」「保ち合い」の代表的なトレンド3つ。投資家の精神状態とあわせて見ていこう。

代表的なトレンド3パターン

◆上昇トレンド

上昇トレンドは、山と谷を繰り返しながら上昇する。その際、谷がその前の山を下回らないというのが特徴で、白抜きで表される陽線がたくさん出てくる。

上昇トレンド

☆投資家心理
企業の業績が良かったり、新製品が発表されたりなど、前向きな情報が出ていて、買いたい意欲がわいている。

◆下降トレンド
下降トレンドは「上昇~」の逆。山がその前の山を上回らないために下降のラインをたどる。もちろん、黒塗りの陰線が連発。

下降トレンド

☆投資家心理
企業の業績が停滞したり、下方修正されたりして、買いの意欲が減退。売りたい気持ちが多いが、下がり過ぎると売りづらい……。

◆保ち合い(ボックストレンド)
ボックスとも呼ばれる「保ち合い」は、山と谷を繰り返しながら、一定の期間を推移する状態。狭い範囲で値動きする。振れ幅が徐々小さくなっていくと、トレンドが先細りし「三角持合い」と呼ばれる状態に。そして高値・安値の拮抗が頂点に達すると、どちらかに大きく動くといわれる。

保ち合い

☆投資家心理
買うか、売るか、迷いと警戒心が入り乱れた探り合いの状態。プラス・マイナスどちらかの情報が出たら一気に傾くかも。

チャートだけに囚われるのはNG

チャートを見ると、「ここで買えば得をする」「ここで売らないと損をする」といった人々の思惑が、わかりやすいくらいに表されていることがわかる。お金がからんでいるだけに、その動きはとても繊細だ。企業の業績だけでなく、政治や国際情勢、災害、人の発言、スキャンダル、はたまた天気まで、ちょっとしたことにもすぐ反応する。

株をゲーム的な感覚でとらえ、売買益で儲けるデイトレーダーなどは、チャートに張りついて瞬間的な株の売り買いをする人もいるらしい。株に博打的な要素があるのは確かだが、それだけに傾倒するのはちょっとどうかと思う。

株による投資とは本来、その企業に出資し支えることだ。マネーゲームの要素は一面にすぎない。自分の資産を株として持とうと思うなら、「長期間持ってもいい」と思える企業に投資すること。そうすれば企業を応援する気持ちも高まるし、逆に企業に対して厳しい目を持つようにもなる。少し大げさだが、そうすることで健全な経済社会が作られることになるのだ。

第一に、企業の発表やニュースなど、多角的な情報を集めることがとても重要。そのうえでチャートを使ってトレンドを見極め、その企業を応援する人がどれだけいて、社会的な価値があるのかをくみ取っていくことが、株式投資の醍醐味ではないだろうか。