三菱UFJフィナンシャルグループは、外貨の調達を拡大します。グローバル企業の資金管理業務を担う専門本部を新設し、資金管理システムの拡充に450億円を投じます。
ヨーロッパや中国などで市場不安が高まっていて、外貨の調達難による経営リスクを低減させる取り組みが急務。外貨は貸出金の増加が先行していて、預金が不足しています。外貨不足はメガ銀行に共通する課題で、三菱UFJはより積極的な外貨の獲得策が必要だと判断しました。
新設される資金管理業務はアメリカのシティグループやイギリスのHSBCグループが先行、三菱UFJの大口融資先も外銀に任せることが多い分野でした。三菱東京UFJ銀行の石垣執行役員は「資金管理業務は市場規模が膨らむ見通しで、収益の拡大余地が大きい」と述べています。
ニュースが”わかる”尊徳編集長の解説
Q外貨の調達難とはどういうことですか?
A文字通り、外貨が足りなくなること。
リーマンショック時には、安全資産ということでドルが買われた。当然、お金も有限だから、数が足りなくなれば調達できなくなって、ドルが各国で不足した。
ギリシャも現在、ユーロ不足。ま、ギリシャはユーロだけじゃなく、お金が足りないのだけど。ということで、有事に自前で外貨が調達できなくなる事態を避けるために、あらかじめ自分たちで集めておこう、ということ。
QFRB議長によるアメリカの利上げ発言と、それに伴う投資資金のアメリカ回帰と何か関連はあるのですか?
A直接関係はないと思うけど。
三菱UFJはモルガンスタンレーに巨額な出資をしていて、筆頭株主。少子高齢化の日本国内だけでは、今後事業の伸びが期待できないので、海外に目を向けているということでしょ。
「外貨預金5兆円拡大 三菱UFJ、海外強化に備え」(日経新聞朝刊5面 2015年7月17日)
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