社会

日常に潜む危険 警備では脅威を完全には防げない

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 2015年6月30日午前、神奈川県小田原市を走行中だった東京発新大阪行きの東海道新幹線のぞみ225号で、男性が焼身自殺しました。車内では火災が発生、煙を吸った女性が死亡し、26人が重軽傷を負いました。

 男は油のような液体をかぶったり、周囲に撒いたりした後火をつけました。国土交通省は同日、新幹線では初の「列車火災事故」と認定、運輸安全委員会が調査を開始しています。

ニュースが”わかる”尊徳編集長の解説

Q乗客の不審物持ち込みを防ぐJR側の安全管理は、これまでどのようなものがあったのでしょうか

A空港と違ってほとんどノーチェック。

 一日の乗降客数が数百万人にもなる客の一人ひとりをチェックするのは不可能に近くない? テロなどの脅威はたくさんあるけど、それは出歩いている人でも同じ。

 警備を強化していくことは必要だと思うけど、いたちごっこではないかな。教育をきっちりとして、社会的格差をなくし、社会の不満をなくしていく(共産国家にしろということじゃない)ことが地道な努力だと思う。


Qこの事件を受けて、新幹線の輸出事業への影響や国際テロの標的化が心配です。

Aこの事件で直接影響はないんじゃないかな。

 上記で述べたように、テロに関しては新幹線でなくても人が集まる場所はたくさんある。今回の件はショッキングだし、巻き添えで亡くなった方には同情を禁じえないけど、もともと電車やコンサート会場など、人が集積する場所はテロの標的になり得る。

 でも、すべてを防げるわけじゃないから、水際で抑えていく努力が必要。テロを生まない土壌や、教育などなどしかないと思う。今回はテロじゃなくて、自殺だけど……。

[参考:「新幹線内 男が焼身自殺 女性巻き添え死亡」(日経新聞朝刊39面 2015年7月1日)]

[わかるニュース]経済新聞やテレビをはじめとする難しい政治・経済のニュースを、就職活動に役立てたい現役大学年生のT君が、気になることを尊徳編集長に質問します。

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