民事再生手続き中のスカイマーク。再生計画についてANAホールディングス(HD)が支援するとデルタ航空が支援する案の2つが挙がっていましたが、債権者は当初劣勢とされていたANAHDの案を選びました。
デルタ航空案には約38%の議決権額を持つ最大債権者のイントレピッド・アビエーションがついていましたが、約29%の議決権額を持つ航空機メーカーのエアバスと、それに追従するロールス・ロイスなどがANAHDの支持に回ったため、最終的にANAHD案が6割超の賛成を受けました。関係者によると、この結果の背景には、ANAHDとエアバス間で将来の機材購入に関する約束が結ばれたためという指摘があります。
今後ANAHDは、傘下の全日本空輸を通じ、共同運行や技術者派遣などでスカイマークの再生を支えます。“ドル箱”といわれる羽田空港の発着枠も有効に使う模様で、2016年3月期の黒字化を目指す考え。
ニュースが”わかる”尊徳編集長の解説
Q両者の案は具体的にはどのようなものだったのですか。
Aデルタが支援するか、ANAが支援するかの違いで、大差はなかったんじゃないかな。
2つの案の違いは、大まかに言ってコードシェア便(共同運行)など、顧客を分け合って営業支援をする相手が、ANAかデルタかの違い。
スカイマークは日本の航空会社だから、結果的にANAで良かったような気はするけど。
QANAは、スカイマークを破たんに追いやったそもそもの原因であるエアバスの超大型機「A380」の購入をにおわせていますが、大丈夫なのでしょうか?
Aたぶん買うんだろうと思うけど、これからが試金石だね。
高額な機材を購入するリスク以上に、ANAはスカイマークが持っていた羽田の発着枠が欲しかったんだ。羽田は”ドル箱”といわれるくらい収益性が高い。羽田発着枠はこれから、新興の航空会社に有利に割り当てられるから、新たな羽田の発着枠がもらえるわけじゃないANAにとって、他社に渡したくなかったんでしょ。
[参考:「ANA支援で決着 スカイマーク再建へ」(日経新聞朝刊1面 2015年8月6日)]
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