尊徳編集長の解説でニュースが”わかる”!
Q.憲法改正の手続きを定めた国民投票法が審議に入ったとありますが、何をしようとしているのですか?
A.何をってそりゃ憲法を改正しようとしているんじゃないですか。
憲法改正には96条がネックになっています。中学の公民で学習したと思いますが、96条には「この憲法の改正は、各議院の総議員の3分の2以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行われる投票において、その過半数の賛成を必要とする」という条文があります。
国会議員の3分の2以上の賛成があり、かつ国民の過半数が賛成しないと憲法は改正できません。
戦敗国のドイツも憲法改正は何度もされてきているのに、日本はGHQが草案を作った憲法を一度も改正できていません。改憲は、自ら(日本人)の手で憲法を作りたいと、自民党の結党の精神でもあります。
国民の過半数の賛成の方法が憲法には規定されていないので、それを国民投票によって実施する、と決めることです。
Q.選挙権年齢を18歳以上に引き下げる狙いは何ですか?
A.うーん……狙いですか。男性は18歳から結婚もできますし、成人になる年齢を引き下げてもいいと思ったんじゃないですか。
国民投票法で18歳以上が投票できることになれば、選挙権を18歳に引き下げなければ整合性が取れませんし、そうなると民法の成人年齢を引き下げるべきでしょう。
投票年齢を引き下げて政治への関心を上げるという狙いもあるようですが。(佐藤尊徳)
[参考:2014年4月18日 日経新聞 4面「18歳に選挙権『2年以内に』」]