サラリーマンの強い味方 投資信託の上手な選び方

2016.3.10

経済

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投資信託は、投資にあまり時間を割けないサラリーマンが長期投資をするのに適した投資先。ただ、何を選ぶかについては個別銘柄同様に目利きの力が問われる。上手な投資信託の選び方を指南するとともに、オススメ投資信託も紹介。

プロの目利きによる分散投資が肝

個人が長期的に投資をする場合、何を用いて運用するのが最もリーズナブルなのか。投資商品には株式やFX(外国為替証拠金取引)、債券、投資信託など、さまざまなものがある。投資初心者にとって一番困るのが、商品選択だろう。

株式は銘柄選びが難しいし、何よりもある程度の資金力がないと、複数銘柄への分散投資ができない。そのうえ、分散投資できたとしても、日本株市場が総崩れになったときは、複数銘柄を保有していたとしても、分散投資効果はほとんど働かない。

FXは短期投資の典型なので、個人が働きながら高いリターンを上げるのは困難だ。

債券は、マイナス金利の導入で利回りが大幅に低下しており、長期の資産形成手段としてはリターンに魅力がない。

その点、投資信託はオススメできる。1万円もあれば購入でき、かつ、さまざまな資産に分散投資できる。どのような資産を組み入れて運用するかにもよるが、期待リターンは預貯金などに比べてもはるかに高い。

そのうえ、運用はファンドマネジャーと呼ばれるポートフォリオ管理のプロが行ってくれるので、投資信託を購入した後は、放ったままにしておくこともできる。これなら、会社勤めのサラリーマンの資産運用には最適だ。

純資産総額が増加傾向の「バランス型」を選ぶ

現在運用されている投資信託は5000本を超えており、選ぶのが大変そうだが、ある程度条件を付けて、絞り込んでしまえば簡単だ。

初めて買う1本は、国内外の株式、債券に分散投資するタイプがいいだろう。購入手数料が掛からず、信託報酬も安い。かつ、これが最も大事なことだが、安定的に投資信託の規模が増えているものを選ぶこと。

ちなみにセゾン投信(代表:中野晴啓)が運用している「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」は、国内外の株式と債券に分散投資するタイプで、購入手数料は”ゼロ”。信託報酬は年0.66~0.72%程度と極めて低い。しかも個人からの人気が高く、投資信託の規模を示す純資産総額は右肩上がりで増えている。最初に買う投資信託として理想の条件を備えているといっても過言ではない。

このように、複数資産にバランスよく分散投資するタイプの投資信託を「バランス型」という。まずはバランス型の中から最初の1本を選ぶとよい。

セゾン投信 中野晴啓社長インタビュー
「子供の成長を見守るつもりでお金を育てよう」

今の30代ビジネスパースンにとって、人生最大の難関は、”定年後の生活をどうやって維持するか”ということです。

定年を迎える30年後、おそらく今の年金制度は維持できていないでしょう。現在、男性は1961年4月2日以降、女性は1966年4月2日以降に生まれた人だと、65歳から年金を受給できますが、今30歳くらいの人が公的年金を受け取る頃は、たとえば70歳くらいまで受け取れないかもしれません。定年が60歳だとしたら、10年間も無収入になります。

しかも、平均寿命はどんどん伸びています。つまり定年後の生活が非常に長いということです。この間もお金は必要ですし、公的年金で受け取れる金額だけでは、おそらく生活は苦しくなるでしょう。だからこそ、今のうちから資産運用を始め、老後の生活に必要な資金を、自分の力で作る必要があるのです。

幸いなことに、今の年齢が20~30代であれば、定年までの時間に余裕がありますから、毎月少額ずつ投資していけば大丈夫。今が39歳で、定年まで21年あるという前提のもと、毎月3万円ずつ積み立てて、年平均4%で運用したら、定年を迎えるときには、1185万円の資金ができています。さらに、今が30歳で運用期間が30年あったら、2089万1000円にもなります。

自分が働いて得ているお給料は、決して今を楽しむためだけのものではなく、定年後の長い第2の人生で使うお金を作っているのだと、自覚してください。

プロがやる、という投資信託の存在意義

問題は、”何”で積み立てるのかということです。預金で積み立てても、今はほとんど金利が付きません。仮に利息が全く付かない条件で30年間、毎月3万円ずつ積み立てても、総額は1080万円にしかなりません。ところが、これを年平均4%で運用すれば倍になるのです。運用する、しないで、これだけの差が開くという事実には、もっと目を向けるべきでしょう。

そこで、オススメしたいのが投資信託による積み立てです。個人でも、株式を発行している企業のビジネス価値をしっかり見極められるなら、それと株価を照らし、割安なら投資することも可能ですが、ほとんどの個人投資家は、そこまで手間を掛けたりはできません。だから、投資信託の存在意義があるのです。投資信託なら、プロが皆さんに代わって運用を行います。

その投資信託に長期投資をするわけですが、”長期投資”のイメージは、なかなかつかみにくいと思います。簡単に言いますが、子供が大人になるまでの期間と大差はないと考えてください。それだけの時間を掛けて、お金をじっくり育てていく。それが本当の長期投資なのです。