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[平将明の“言いたい放題”]

役人が公明正大に再就職する方法とは~文科省の天下り問題の芽は民主党政権の決断

電子雑誌「政経電論」第21号掲載
2017年03月10日
読了時間: 06分00秒

2017年1月に発覚した文部科学省による天下りの斡旋(あっせん)問題。組織的であったことが大きくフィーチャーされているが、実は天下りにはいくつか種類があり、事の発端はどうやら民主党政権の決断にあるようだ。この問題を、役人のキャリアパスという視点で是正しようと動きだした平議員に、その方法を聞いた。

平 将明プロフィール平 将明(たいら まさあき) 1967年2月21日生まれ。早稲田大学法学部卒。衆議院議員(4期)自由民主党 選挙区:東京4区(大田区)。サラリーマンを経て家業を継ぎ、経営者として働く傍らで公益社団法人「東京青年会議所」理事長を務める。2005年、初当選し政治家に。自民党経済産業部会長、衆議院決算行政監視委員会理事、経済産業大臣政務官、衆議院内閣委員会理事、内閣府副大臣(第3次安倍改造内閣)などを歴任。

天下りにはセーフとアウトがある

府省庁を辞めた人物が、どこかの企業や関係団体に再就職するのが天下りです。今回の文科省による天下りの何が問題かというと、"役所ぐるみ"というところが一番の問題です。

2009年11月に閣議決定された定義では、「『府省庁によるあっせん』を受けない再就職は『天下り』ではない」「『府省庁によるあっせん』には、『国務大臣及び退職した公務員(OB)によるあっせんはふくまれない』」とされています。

府省庁、つまり役所による斡旋を禁じているので、今回の文科省はアウトです。では、政務三役(大臣、副大臣、政務官)による斡旋はどうかといいますと、厳密にはセーフです。それと、官僚OBによる斡旋もセーフになります。

この閣議決定は、実は民主党政権の時に決められたものです。民主党は当時、「天下り根絶だ!」とマニフェストを掲げて政権を取り、「天下り」に対しては自民党よりはるかに厳しい姿勢で臨む政党と国民からは思われていました。しかし、実態は違いました。「天下り」の解釈自体をグッと狭めてしまったのです。

例えば、2009年10月に、亀井静香金融・郵政改革担当大臣が、元大蔵事務次官の○○○○氏を日本郵政社長の座に斡旋するわけです。大臣自らというのがすごいですね。常識的に考えたらこれはアウトですよね? でも自分たちの政権がそういうことをやってしまったために、政務三役の斡旋はセーフという立てつけにしたのだと思います。

さらに、官僚OBの斡旋もセーフにしました。役所の一定のポストの人間が何代も続けて同じポストに天下りしたり、事務次官クラスが典型的な天下りポストに行っているという状況は、普通に考えたらアウトでしょう。でも、これも民主党政権の判断でセーフになりました。これらはすべて、民主党政権下で起きたことです。

つまり、天下りの定義を狭め、法律で定められた監視委員会の設置も放置した結果、天下りしやすい環境を作り出したのは、ほかでもない民主党政権と言えるのではないでしょうか。

監査委員会の重要性をわかっていなかった民主党政権

今回の事例は、「再就職等監視委員会」(以下、監視委員会)の調査で発覚しました。この監視委員会は、2007年の第一次安倍(晋三)内閣の時に法律を作りました。さらに、2008年の福田(康夫)内閣では、公務員の再就職を一元管理する「官民人材交流センター」を設置する「国家公務員制度改革基本法」を制定しています。

しかし、2009年に政権を取った民主党は、いろいろな理屈をつけて監視委員会を設置しませんでした。そして、監視委員会ではなく、大臣が各府省庁の天下りを監視することにしたのです。

これについて、私は2011年2月の予算委員会で、当時の中野寛成行革担当大臣に質問をしています。なぜ監視委員会を立ち上げないのか? 本当に各大臣がそこまで目が届くのかと。

平議員と中野寛成行革担当大臣2011年2月23日、予算委員会より。平議員(右)から中野寛成行革担当大臣(左)へ質疑。/©衆議院

当時の衆議院調査局が行った「再就職の調査」では、約4000人の役人が再就職をしていて、いずれの案件も「府省庁」「政務三役」「OB」の斡旋に該当する者はいないという回答が各府省庁から寄せられました。本当にそうでしょうか?

調べてみるとやはりそんなことなく、日本損害保険協会副会長で元内閣官房副長官補退官の○○○氏の情報提供(斡旋)によって、同ポジションに、元国税庁長官の○○○○氏が就いていました。いわゆる官僚OBに斡旋にあたります。つまり役所の回答が虚偽だったということになります。

民主党政権は監視委員会を立ち上げなかったので、各大臣が監視をすることになりますが、当然、このような疑わしい各案件について担当大臣はまるで把握していないことが明らかになったのです。

違法な天下りを無くす監視体制と刑事罰

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